更新日: 2026.5.29
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
YUMICORE インストラクター Sachiko
■プロフィール
総合病院や整形外科で理学療法士として勤務後、結婚、出産後は主婦業に専念。子育てが落ち着いた40歳ごろからフリーのトレーナーとして活動開始。運動指導だけでなく、ダイエットカウンセリングなども手がける。2023年より、YumiCoreBody天神スタジオにトレーナーとして従事。多くの女性が抱える身体の悩みに寄り添っている。
■保有資格
・理学療法士
・BESJピラティスマットワークインストラクター
・臨床栄養医学指導士
・食欲コントロールダイエット協会認定講師
・栄養コンシェルジュ二つ星
ふと鏡で自分の後ろ姿を見たとき、「あれ、背中ってこんな感じだったかな」と感じたことはありませんか?
ブラの上にちょこんと乗ったハミ肉、もたっとした脇のライン、丸まった猫背気味の姿勢…。実はそれ、背中を大きく覆う「広背筋(こうはいきん)」のはたらきが鈍くなっているサインかもしれません。
ジムでガッツリ筋トレをしなくても、おうちでやさしくアプローチできる方法があるんですよ。今回は、私たち女性の身体にぴったりの広背筋ケアを、理学療法士の視点で一緒にのぞいてみましょう。
■広背筋ってどんな筋肉?場所とはたらきをやさしく解説

・広背筋ってどこにあるの?

広背筋は、背中から脇、腰までを大きく覆う逆三角形の筋肉。脇の下から上腕骨(じょうわんこつ・腕の骨)まで伸びていて、肩甲骨の下から腰のあたりまで、本当に広い範囲についている大きな筋肉なんです。
骨盤や腰椎にも一部つながっているため、上半身の動きだけでなく、姿勢全体を支える縁の下の力持ちのような存在でもあります。
・広背筋のはたらき
広背筋は、こんな場面で活躍しています。
広背筋のはたらき
・腕を使って物を引き寄せる動き(カバンを引き寄せる、引き戸を開けるなど)
・脇を締める動作
・懸垂や腕立て伏せのときに身体を支える
・咳をするときにお腹や胸を安定させる
・呼吸を助ける「呼吸補助筋」としてのはたらき
意外と幅広い場面で活躍してくれているんですよね。
・広背筋がうまくはたらかないとどうなる?
広背筋は上腕骨につながっているため、腕を動かすときに肩甲骨を肋骨にしっかり押さえておく役割もあります。広背筋が弱くなると、背中や首、肩まわりの筋肉が連動しにくくなり、肩こりや姿勢の崩れにつながりやすいと考えられています。
また、脇の下からウエストにかけてのボディラインも、ふんわりとぼやけた印象になりやすいんです。だからこそ、私たち女性らしい背中を整えるためには、広背筋にやさしくアプローチしていきたいですね。
広背筋のストレッチやほぐし方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてのぞいてみてくださいね。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
広背筋は、日常生活ではあまり大きく使う場面が少ない筋肉。デスクワークやスマホ操作が中心の毎日だと、知らず知らずに広背筋が「おサボり状態」になりがちなんです。鍛える前に、まず「動かしてあげる」感覚を取り戻すことから始めてみてくださいね。
■広背筋が硬くなる・弱くなる原因
・長時間のデスクワーク
パソコン作業を続けていると、腕が前に出っぱなしの状態に。背中側の広背筋はほとんど使われず、知らず知らずのうちに硬くなっていきます。
・スマホの長時間使用
スマホを長時間見ていると、頭が前に出て肩が丸まりやすくなります。この姿勢が続くと巻き肩・猫背になり、広背筋もどんどん使われない状態に。
・運動不足
広背筋は「腕を引く」動きで使われる筋肉。日常生活でこの動きをすることが少ないと、自然と筋力が落ちていきやすいんです。
・姿勢の崩れ
猫背や反り腰、巻き肩などの姿勢の崩れがあると、広背筋がうまく伸び縮みできず、ガチガチに硬くなったり、はたらきが鈍くなったりします。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
「鍛える」より先に、まずは「硬くなった広背筋をほぐす」のがユミコア流。柔軟性を取り戻してから動かすことで、筋肉のはたらきがスムーズになり、姿勢のサポートにもつながっていくんですよ。
■広背筋を整えるとうれしい4つの変化

①姿勢の崩れを整えるサポートに
広背筋にやさしくアプローチすると、背中や肩、首まわりの筋肉が連動して使われるようになり、肩甲骨が安定しやすくなります。ストレートネックや巻き肩、猫背といった姿勢の崩れを整えるサポートにつながると考えられています。
②脇やバストまわりのもたつき感のケアに
広背筋は脇の下を通って上腕骨につながっています。広背筋が整うと、脇やバストの後ろ側、脇腹のあたりが引き締まった印象になりやすいんです。私たち女性が気になりやすい「ブラ周りのハミ肉」や「もたつき感」のケアにも、寄り添ってくれる筋肉なんですよ。
③ウエストラインのケアに
広背筋は腰椎や骨盤にもつながっています。だから広背筋を整えていくと、ウエストや腰まわりのラインがすっきり見える印象につながると考えられているんです。
④肩こり・首こりのケアにも
肩甲骨が安定し、背中や肩まわりの筋肉が連動して動くようになると、肩こりや首こりが気になりにくくなる方も多いと言われています。デスクワーク中心の日々を送る私たちには、見逃せないポイントですよね。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
広背筋の魅力は、「鍛えるとムキムキになる」のではなく、整えることで「ふんわりと若々しい印象の背中」に近づけるところ。私たち女性は、ガッツリ筋トレで太くするより、しなやかに使えるようにしてあげるのが正解なんですよ。
■広背筋のトレーニング、ジムと自宅どちらがいいの?

・器具を使ったトレーニング
ジムにあるマシンやダンベル、バーベルなどを使ったトレーニングは、大きな負荷をかけられるのが特徴。筋肉に強い刺激を与えられるため、しっかり鍛えたい方には向いている方法です。
ただ、負荷が大きい分、筋肉が太く発達しやすいので、「女性らしいしなやかな背中」を目指したい方には、少しイメージと違うかもしれません。
・自重トレーニング
自重トレーニングは、自分の身体の重みを使って行う方法。器具がいらないので場所を選ばず、おうちで気軽に始められるのが嬉しいポイントです。
負荷が穏やかなので、筋肉が急激に太ることもなく、筋肉痛などの負担も軽め。私たち女性が「しなやかな背中」を目指すのにぴったりの方法と言えますね。
・ジムと自宅、それぞれのメリット
ジムトレ:大きな負荷をかけられる/一緒に頑張る仲間ができる/専門スタッフに相談できる
家トレ:場所と時間を選ばない/リラックスして取り組める/継続しやすい/初心者でも始めやすい
忙しい毎日の中で長く続けるなら、おうちトレーニングのほうが向いている方も多いんですよ。「思い立ったその日から始められる」のは、家トレならではの大きな魅力ですよね。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
「ジムに通わないと変わらない」と思っていませんか?実は、自重トレーニングをコツコツ続けるほうが、私たち女性のしなやかな身体づくりには合っているんです。「無理なく続ける」が、いちばんの近道ですよ。
■女性にうれしい!ユミコア式・おうちでできる広背筋ケア

ここからは、おうちで気軽にできる広背筋ケアを順番にご紹介していきますね。ユミコアでは、「まずほぐして、それから動かす」を基本にしています。
・STEP1:硬くなった広背筋をやさしくほぐす
広背筋を鍛える前に、まずは硬くなった筋肉をふんわりとほぐしてあげましょう。筋肉が硬い状態だと、伸び縮みがしにくく、はたらきが鈍くなってしまうんです。
【広背筋ストレッチ】
1.両手をついて四つ這いになります。お尻の穴を床に向けて、みぞおちの裏側を天井に向けて高くなるように、両手で床を押します
2.背中側に空気が入るイメージで息を吸います
3.次は息を吐きながら、股を覗き込むようにして身体を丸めます
◎目安回数:5回程度
・STEP2:テレビを見ながらできる!座ったまま広背筋トレーニング
おうちトレーニングの嬉しいところは、リラックスした自宅で気軽にできること。「ながらトレーニング」として、テレビを見ながらでも続けられる広背筋エクササイズをご紹介しますね。
「座ったまま広背筋トレーニング」のやり方
1.椅子に座って両手を前に突き出します(大きく前に習えの姿勢)。このとき、肘は伸ばして、腕は肩の高さに保ちます
2.両手で紐を引くイメージで、肘を曲げて、上腕(力こぶの裏側)でしっかり脇を締めながら、物を引き寄せるように動かします
◎目安回数:10〜20回程度
◎ポイント:肩がすくまないように、肩の力を抜いて。「肘で背中を寄せる」イメージで動かすと、広背筋に意識が向きやすくなりますよ
・STEP3:肩甲骨を大きく動かして広背筋もすっきり
肩甲骨を大きく動かすトレーニングのやり方
1.ローラーを縦向きにセットし、後頭部をローラーの上部に乗せて仰向けになります
2.両手を天井に向かって伸ばし、肩甲骨から持ち上げて指先までしっかり伸ばしたら、頭の横に手を上げます
3.指先が床を添うように大きく円を描きます。腕が真横になったところで、手のひらを床に返します
4.お尻の横まできたら、「2.」から同様に繰り返します
◎目安回数:5〜10回程度
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
広背筋のエクササイズで大切なのは、「肩がすくまないこと」と「肩甲骨から動かすこと」。回数を頑張るより、丁寧に1回1回行うほうが、ずっと意味のある時間になります。鏡で姿を見ながら、肩がギュッと上がっていないかチェックしてみてくださいね。
■広背筋ケアを続けるためのちょっとしたコツ
・1日5分から始める
「やる気のある日にがんばる」より、「無理なく毎日少しずつ」のほうが、ずっと続けやすいんです。最初は1日5分でも大丈夫。気づけば自然と習慣になっていますよ。
・「ほぐす日」と「動かす日」を分けてもOK
毎日同じことをするのが苦手な方は、「今日はストレッチだけ」「今日は肩甲骨を動かそう」と日替わりにするのもおすすめ。気分に合わせて選べると、続けやすくなりますよ。
・お風呂上がりや寝る前のすきま時間に
身体が温まっているお風呂上がりや、リラックスしている寝る前は、広背筋がほぐれやすいゴールデンタイム。テレビを見ながら、音楽を聴きながら、自分のための時間として取り入れてみてくださいね。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
続けるコツは「完璧を目指さないこと」。できない日があっても自分を責めず、できた日に「よくやったね」と褒めてあげる。私たち女性のゆらぎがちな心と身体に、やさしく寄り添うことが、いちばん大切なんです。
■広背筋トレーニングに関するよくあるご質問
Q1.どのくらいで変化を感じられますか?
A.個人差はありますが、姿勢のしなやかさや背中の動きやすさは、1〜2週間ほどで感じる方が多いと言われています。見た目の変化を実感するには、3ヶ月程度の継続が目安です。焦らず、毎日の積み重ねを大切にしてくださいね。
Q2.筋肉痛が来ないと効果がないの?
A.筋肉痛は強い負荷がかかったサインで、必ずしも「効いていない=意味がない」ではありません。むしろ、自重トレーニングでは筋肉痛が出にくいことが普通。負荷を強くするより、正しいフォームで丁寧に動かすほうが大切ですよ。
Q3.筋トレで背中がムキムキになりませんか?
A.自重トレーニングや適切な負荷のエクササイズであれば、女性が筋肉質な背中になることは少ないと言われています。ホルモンの違いもあり、私たち女性はガッチリ太くなりにくいので、ご安心くださいね。
Q4.猫背がひどいのですが、広背筋トレーニングだけで治りますか?
A.猫背の原因はさまざまで、広背筋だけでなく、胸の筋肉の硬さや、骨盤の傾き、コアマッスルのはたらきも関係しています。広背筋のケアと一緒に、胸や肩甲骨まわりのストレッチもあわせて取り入れてみると、姿勢の整えがスムーズに進みやすいですよ。
■まとめ
広背筋は、腰から肩甲骨の下、腕まで広がる逆三角形の大きな筋肉。腕で物を引いたり、脇を締めたり、姿勢を支えたり、私たちの日常を陰で支えてくれている存在です。
広背筋のはたらきが鈍くなると、背中や脇のラインがふんわりとぼやけたり、肩こりや姿勢の崩れにつながりやすいと考えられています。だからこそ、私たち女性らしい背中を目指すなら、広背筋にやさしくアプローチしていきたいですね。
広背筋ケアには、ジムでの器具トレーニングだけでなく、おうちでできる自重トレーニングもあります。自重なら強い負荷がかからないため、筋肉質な印象になりにくく、しなやかで女性らしい背中を目指せると考えられています。器具がいらず、ご自宅で気軽に始められるので、初心者さんやお忙しい方にもぴったりですよ。
1日5分の積み重ねから、ふんわりと整った背中を一緒に目指していきましょう。
※本記事の内容は一般的な情報であり、効果には個人差があります。痛みや違和感がある場合は無理せず、お医者さんにご相談ください。
著者: yumicorebody


