更新日: 2026.9.10
「産後、パートナーと身体を重ねようとしたら、痛みで涙が出そうになった」
そんな経験、ありませんか。
出産という大きな出来事を終えたあと、身体の中ではまだ静かに回復が続いています。うれしいはずの時間のはずなのに、痛みのせいで気持ちが沈んでしまう。「私だけがおかしいのかな」と、誰にも言えずに抱え込んでいる方も少なくないと思います。
この記事では、産後に痛みが起こる身体のしくみと、骨盤底筋の変化のこと、そして呼吸からやさしく整えていく向き合い方まで、寄り添いながらお伝えしていきますね。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
YUMICORE インストラクター Sachiko
■プロフィール
総合病院や整形外科で理学療法士として勤務後、結婚、出産後は主婦業に専念。子育てが落ち着いた40歳ごろからフリーのトレーナーとして活動開始。運動指導だけでなく、ダイエットカウンセリングなども手がける。2023年より、YumiCoreBody天神スタジオにトレーナーとして従事。多くの女性が抱える身体の悩みに寄り添っている。
■保有資格
・理学療法士
・BESJピラティスマットワークインストラクター
・臨床栄養医学指導士
・食欲コントロールダイエット協会認定講師
・栄養コンシェルジュ二つ星
1. 産後にセックスで痛みを感じるのは、なぜ? 今、身体に起きていること

出産は、身体にとって本当に大きな出来事です。赤ちゃんを迎えたよろこびと同時に、身体の中では出産から回復するための変化が、ゆっくりと進んでいます。
会陰の傷、産後のホルモンバランスの変化、慣れない育児による緊張。これらが重なることで、パートナーと身体を重ねようとしたときに痛みを感じる方は、決して少なくありません。
「私の身体、何かおかしいのかな」と不安になる必要はありませんよ。産後の身体は、出産という大きな出来事からまだ回復している途中です。痛みは、身体が「まだ本調子じゃないよ」と教えてくれているサインだと受け取ってみてくださいね。
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2. 痛みの理由をひとつずつ整理してみましょう

「なぜ痛むのか」がわかるだけで、少し安心できることがあります。ここでは、産後の性交痛につながりやすい3つの変化を、ひとつずつ整理していきますね。
会陰の傷と、そのあとに残る「つっぱり感」
経腟分娩の場合、腟口と肛門の間にある会陰が切開されたり、裂けたりすることがあります。傷そのものは産後1か月ごろまでに治るとされていますが、傷あと(瘢痕)が皮膚の下で少し硬く、伸びにくい状態になっていることがあり、これがつっぱるような痛みとして残ることがあります。
授乳中のホルモン変化と腟の乾燥
授乳中は、赤ちゃんに栄養を届けるためのホルモン(プロラクチン)が増える一方で、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が抑えられやすいといわれています。エストロゲンには腟の潤いを保つ働きがあるとされ、この分泌が一時的に少なくなることで、腟がこすれやすくなり、痛みにつながりやすいと考えられています。
心と身体のこわばり
出産の疲れ、慣れない育児、眠れない夜。心も身体も張りつめた状態が続くと、無意識のうちに身体に力が入りやすくなります。「痛いかもしれない」という不安そのものが身体をこわばらせ、痛みを感じやすくすることもあるといわれています。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
会陰の傷、乾燥、緊張。どれかひとつのせいではなく、いくつもの変化が同時に起きていると知るだけで、少し肩の力が抜けるかもしれません。まずはご自身の身体を「責める対象」ではなく「回復している途中の存在」として見てあげてくださいね。
3. 骨盤底筋は「ゆるむ」の? 「硬くなる」の? ふたつの変化をやさしく整理

産後の身体について調べていると、骨盤底筋について「ゆるむ」と書かれているものと「硬くなる」と書かれているものの両方に出会って、戸惑った方もいるのではないでしょうか。実は、このふたつは矛盾していないんです。
分娩によって「ゆるむ」側の変化
骨盤底筋とは、膀胱・子宮・腸などを下からハンモックのように支えてくれている筋肉のグループです。出産では、赤ちゃんが産道を通る際にこの骨盤底筋が大きく引き伸ばされます。分娩によって、一時的に支える力が弱くなることがあるのは、このためです。
緊張から「こわばる」側の変化
一方で、傷の痛みをかばおうとしたり、育児で気を張りつめていたりすると、骨盤底筋やその周辺の筋肉がぎゅっと硬くこわばることもあります。骨盤底筋が硬くこわばった状態では、かえって性交痛が起きやすくなるといわれています。
ふたつは同時に起こりうる
「ゆるみ」と「こわばり」、一見反対に見えるこのふたつは、産後の身体では同時に起こりうるものです。支える力が弱くなっている部分がありながら、緊張で硬くなっている部分もある。だからこそユミコアでは、まず「力を抜いてゆるめる」ことから始めることを大切にしています。強く鍛えることだけを急ぐより、こわばりをほどいてあげることが、回復への近道になることがありますよ。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー 骨盤底筋の変化を整理
・分娩で骨盤底筋の支える力が一時的に弱くなることがある
・傷や緊張によって骨盤底筋が硬くこわばることもある
・ゆるみとこわばりは同時に起こりうる
・まずは呼吸でゆるめることから始めるのがおすすめ
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4. この痛みは、いつまで続くの? 授乳・卒乳との関係

「いつになったら元通りになるの?」という問いに、はっきりした期間をお伝えするのは難しいことです。ただ、傾向として知っておくとよいポイントはあります。
授乳中に見られるエストロゲンの低下は、卒乳とともにゆるやかに戻っていく傾向があるといわれています。授乳の終了に伴って、数か月から1年ほどかけて回復に向かうケースが多いとされていますが、個人差が大きく、断言はできません。会陰の傷あとも、多くは時間とともに柔らかくなっていきますが、こちらも回復のペースには差があります。
「まだ痛むから、自分だけ回復が遅いのかも」と焦らなくて大丈夫です。授乳期間の長さ、育児の状況、体質によっても変わってくるものです。あなたの身体は、あなたのペースで回復しています。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
「いつ治るの」と焦る気持ち、よくわかります。でも身体のペースは、赤ちゃんの成長と同じで一人ひとり違うんです。今日の状態を比べる相手は、昨日の自分だけで十分ですよ。
5. 産後の性生活、いつから再開していい?

「そもそも、いつから再開していいの」という疑問も、よく聞かれます。
一般的な目安としてよくいわれるのが、産後1か月健診です。この健診で子宮の回復が順調と確認され、お医者さんから許可が出てからというのが、ひとつの目安とされています。ただしこれはあくまで目安です。健診で問題ないと言われても、傷が痛む、まだ気持ちの準備ができていないという場合は、無理に再開する必要はありません。
「まわりはもう再開しているのかな」と比べる必要もありません。身体と気持ちの両方が整うタイミングは、人によって異なります。パートナーと、お互いのペースを話し合いながら決めていけると安心ですね。
6. 身体の土台を思い出す|呼吸から骨盤底筋をやさしくゆるめる

骨盤底筋のこわばりをほどいていくために、ユミコアが大切にしているのが「呼吸」です。
骨盤底筋は、横隔膜・腹横筋・多裂筋という筋肉と一緒に働いて、まるでおうちのような構造でお腹まわりを支えています。横隔膜が屋根、骨盤底筋が床、腹横筋が壁、多裂筋が大黒柱というイメージです。
息を吸うと屋根である横隔膜が下がり、それに合わせて床である骨盤底筋もふんわりとゆるみます。息を吐くと横隔膜が上がり、骨盤底筋も自然に引き上がっていきます。産後、傷をかばう姿勢や浅い呼吸が続いていると、この連動が起きにくくなり、骨盤底筋が硬くこわばったままになりやすいのです。
まずは仰向けに寝て両膝を立て、お腹に手をあてて、鼻からゆっくり息を吸い、口から細く長く吐き切ってみてください。息を吐き切るときに、骨盤底筋がふわっとゆるむ感覚を探してみましょう。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
骨盤底筋は、意識したことがなかったという方がほとんどです。でも深い呼吸を続けるだけで、この筋肉はふんわりゆるんでくれます。まずは仰向けで、お腹に空気を届けるようなゆっくりとした呼吸を試してみてくださいね。
チェックポイントーCheck Pointー
YUMICORE公式動画|骨盤底筋の引き上げ〜1分でできる膣の意識〜
1分でできる骨盤底筋の引き上げ。呼吸と連動させながら、こわばりをやさしくゆるめる練習を試してみてください。
7. 「ゆるめる時間」を、日々の習慣に

骨盤底筋は「鍛える」だけでなく「ゆるめる」ことも大切にしたい筋肉です。
産後は育児で気持ちが張りつめやすく、骨盤底筋も硬くこわばったままになりがちです。緊張した筋肉は血流が滞りやすく、感覚も鈍くなりやすいといわれています。1日1分でも、呼吸を意識して身体をゆるめる時間を持つことが、回復のペースを整える助けになることがあります。
授乳の合間、赤ちゃんが眠っている間、お風呂に浸かっているときなど、ほんの短い時間でかまいません。「ちゃんとやらなきゃ」と気負わず、できる日にできる分だけで十分です。ゼロにしないことのほうが、続けるうえでは大切なんですよ。
※変化の感じ方には個人差があり、必ずしも同様の結果を保証するものではありません。
チェックポイントーCheck Pointー
YUMICORE公式動画|骨盤底筋YUMICORE式〜婦人科医監修20分エクササイズ〜
婦人科医監修のYUMICORE式骨盤底筋エクササイズ。呼吸・姿勢・骨盤底筋を一緒に意識しながら、身体の土台をやさしく整えましょう。
8. 保湿・潤滑という選択肢

授乳中の乾燥によるこすれを和らげる方法のひとつが、保湿・潤滑ケアです。
授乳中は腟まわりが乾燥しやすいため、潤滑ゼリーや保湿アイテムを使うことで、こすれによる痛みがやわらぎやすくなることがあります。授乳中に使えるかどうかは商品によって異なるため、パッケージの表示を確認するか、お医者さんや薬剤師さんに相談してから使ってみてくださいね。
こうしたアイテムは、あくまで「痛みをやわらげる選択肢のひとつ」です。使うこと自体に後ろめたさを感じる必要はありません。自分の身体を大切にするためのケアとして、気軽に取り入れてみてくださいね。
※変化の感じ方には個人差があり、必ずしも同様の結果を保証するものではありません。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
保湿や潤滑のアイテムを使うことに、後ろめたさを感じる必要はありません。乾燥した肌に保湿クリームを塗るのと同じ、身体を大切にするためのやさしいケアのひとつですよ。
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9. 「痛い」と言えないあなたへ

痛みそのものよりつらいのは、それを言葉にできない気持ちかもしれません。
「せっかく求めてくれているのに、断るのは申し訳ない」「私が変なのかな」「拒んでいるみたいで嫌だ」。そんな複雑な気持ちを抱えている方も、少なくないと思います。
でも、思い出してほしいんです。この痛みは、あなたの気持ちの問題ではありません。授乳期は、エストロゲンが一時的に少なくなり、身体の状態としては閉経後に近い状態に一時的になるといわれています。腟が乾燥しやすいのも、骨盤底筋がこわばりやすいのも、あなたの意思とは関係のない、ホルモンと組織が回復していく過程で起きていることなんです。
だからこそ、自分を責める必要はありませんし、パートナーを責める必要もありません。「今はまだ本調子じゃないみたい」「もう少し時間がほしいな」。そんなふうに、今の身体の状態をそのまま言葉にして伝えてみるのも、ひとつの向き合い方です。パートナーと一緒に、今の身体を知っていくプロセスとして受け止められると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
「痛い」と言えない気持ち、痛みそのものよりつらいことがありますよね。でもそれは、あなたが冷たいからでも、パートナーを大切に思っていないからでもありません。今の身体の状態を、そのまま伝えてみることから始めてみてくださいね。
10. こんなときは、婦人科や女性泌尿器科の先生へ

セルフケアだけでは難しいと感じるときは、専門の先生に相談することも大切な選択肢です。
痛みが長く続く、出血がある、強い痛みがある、日常生活にも支障が出ている。こうしたときは、我慢せずに婦人科や女性泌尿器科の先生に相談してみてくださいね。「産後だから当たり前」と自己判断せず、専門の先生に診てもらうことで、傷の状態や炎症の有無を確認してもらえます。
「こんなことで相談していいのかな」と思う必要はありません。同じような悩みを抱えて相談に来る方は、決して少なくありません。専門の先生に話すことは、恥ずかしいことではなく、自分の身体を大切にする行動のひとつですよ。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー 受診を考えたいサイン
・痛みが長く続く・出血がある・強い痛みがあるとき
・産後だからと自己判断せず専門の先生に相談する
・同じ悩みを抱える方は少なくない
・相談すること自体が自分を大切にするケアのひとつ
11. 産後の性交痛に関するよくある質問

こちらでは、産後の性交痛について、よく寄せられる疑問にお答えしますね。
Q1. 産後どれくらいで痛みはなくなりますか?
はっきりとした期間をお伝えするのは難しいのですが、授乳の終了とともに、数か月から1年ほどかけて回復に向かう傾向があるといわれています。個人差が大きいので、ご自身のペースを大切にしてくださいね。
Q2. 潤滑ゼリーは授乳中でも使えますか?
商品によって授乳中の使用可否が異なります。パッケージの表示を確認するか、お医者さんや薬剤師さんに相談してから使ってみてくださいね。
Q3. 骨盤底筋は鍛えたほうがいいですか? それともゆるめたほうがいいですか?
産後は、ゆるみとこわばりが同時に起こりうる状態です。まずは息を吸って緩め、息を吐き切りながら優しく膣を引き上げることを少しずつやってみたり、骨盤底筋に意識を向けることから始めてみましょう。感覚が戻ってきたら、少しずつ骨盤底筋を使う練習を取り入れていくことをおすすめします。
Q4. パートナーにどう伝えたらいいかわかりません。
「今はまだ本調子じゃないみたい」というように、今の身体の状態をそのまま言葉にするだけでも十分です。あなたの意思の問題ではなく、身体が回復している途中であることを、一緒に理解してもらえるといいですね。
Q5. 何科に相談すればいいですか?
婦人科、または女性泌尿器科が相談先の目安です。出産した産院で相談できる場合もあります。かかりつけの先生がいれば、まずはそこに相談してみましょう。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー 産後の性交痛Q&Aのポイント
・回復のペースには個人差があり、焦らなくて大丈夫
・潤滑ゼリーは授乳中の使用可否を確認してから使う
・まずは呼吸で骨盤底筋のこわばりをゆるめることから
・相談先は婦人科や女性泌尿器科が目安
12. YUMICOREのオンラインレッスンで、身体の土台を整えていきましょう

「呼吸から骨盤底筋を意識してみたいけど、ひとりでは難しい」
そんな方に、ユミコアのオンラインレッスンをご紹介します。
ユミコアは、呼吸・姿勢・骨盤底筋のつながりを大切にしながら、身体の土台を内側から整えていくレッスンです。「強く鍛える」ではなく「やさしく感覚を取り戻す」をテーマに、産後の身体にも無理なく取り入れていただけます。
YUMICOREの魅力
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー YUMICOREの主な特徴
・呼吸・姿勢・骨盤底筋のつながりを大切にし、内側から整えていく
・骨盤底筋を含むインナーマッスルを、毎日の動作のなかで使いやすい状態へ導く
・強い負荷や激しい動きはなく、感覚を大切にしながら進められる
・年齢や運動経験に関係なく、自分のペースで取り組める
・インストラクターのガイドで「これでいいのかな」を解消できる
自宅で続けたい方には「オンラインレッスン」
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー YUMICOREオンラインレッスンの魅力
・自宅で受講できて、移動や準備の手間がかからない
・1日10分くらいから取り組めて、毎日に取り入れやすい
・呼吸・姿勢・骨盤底筋を一緒に意識しやすい
・インストラクターのガイドを参考にしながら受講できる
・自分のペースで続けやすく、無理なく継続しやすい
YUMICOREオンラインの会員数は、今や15,000人を超えているんです。「忙しくても、自分のペースで続けられる」と、たくさんの女性に選ばれています。
「自分の身体とやさしく向き合いたい」、そう思ったあなたの最初の一歩に、ぜひなれたらうれしいです。
まとめ|あなたのペースが、いちばんの正解です

産後の性交痛は、あなたの身体が回復している途中で起きる、自然なサインです。ゆるみとこわばり、ふたつの変化が同時に起きていることを知るだけでも、気持ちは少し軽くなるかもしれません。
呼吸を深くして、骨盤底筋をふんわりゆるめる。今日からできる小さな一歩を、あなたのペースで始めてみてくださいね。
著者: yumicorebody