冷え性は手足のみ、足先のみ、内臓などさまざまなタイプに分かれます。食事やサプリ、ツボなどで治ったという意見も聞かれますが、原因にあった改善方法を考慮する必要があります。今回は冷え性改善のための食べ物や飲み物、またユミコアがオススメする冷え性のためのエクササイズについても解説します。
■冷え性とは。部位別タイプは大きく4つ
冷え性は医学的には病気ではなく体の状態を表しています。また冷えの起こる部位別に4つのタイプに分けられます。詳しく解説しましょう。
・冷え性は病気ではなく体質を表す言葉
冷え性とは気温がさほど低くないにもかかわらず、体の一部もしくは全てが冷えていると感じることを言います。医学的には冷え性は病気とは考えられていませんが、冷え性は体にさまざまな影響を与えるため早めの対策で改善を試みましょう。
・冷えを感じるのは全身もしくは体の一部
冷えを感じる部位には個人差があり、大きくは次の4タイプに分類されます。(*)
1.四肢末端型:手足のみ、足先だけのように体の末端に冷えを感じるタイプの冷え性です。運動、もしくは栄養不足によって起こることが多く、過度なダイエットなどが原因となるため若い女性に多い傾向があると言われています。また筋肉の量が減ったり運動不足によって体で産生される熱量が減るため、四肢の末端に届くまでに熱が奪われたり、血行が悪くなり末端が冷えるということが起こってしまいます。
2.下半身型:下半身、特にお尻の周りに冷えを感じるタイプの冷え性です。長時間のデスクワークにより、下半身の筋肉が衰え、血行も悪くなることで起こりやすくなります。
3.全身型:体全体が冷えているタイプの冷え性です。運動不足や寝不足などの生活習慣の影響により基礎代謝の低下を引き起こし、体で熱の産生ができなくなっている場合に起こることがあります。甲状腺機能低下症でも同じような倦怠感や疲労感を伴う全身の冷えが起こりますので、改善を試みても長く症状が続く場合には、医師に相談しましょう。
4.内臓型:自分ではなかなか分かりにくいタイプの冷え性です。自律神経の乱れにより内臓の不調を伴い、血管が収縮するため手足などの末端の血行も悪くなり冷えを感じることがあります。
(*引用NHK、健康ch:あなたにオススメのツボやケアは?正しく知る「冷え症対策」 タイプ別セルフチェックと対策)
冷え性のタイプについてさらに詳しく知りたいという方は「【ママ柔整師監修】自宅で簡単!ユミコア流末端冷え性改善トレーニングとは?」をご覧ください。
・部位別タイプによって対処が異なる
部位別のタイプによって冷えの起こる原因は大きく異なります。まずは自分の生活習慣や冷えを感じる部位はどこなのかによって自分の冷え性のタイプを知ることが大切です。そのタイプにより原因の改善を図ると、より効果的に冷え性の改善ができるでしょう。
■冷え性になる原因と症状
冷え性の原因、冷え性による症状はどのようなものか、また男女の差はあるのかについて解説しましょう。
・あなたの冷え性の原因を考えてみよう
冷え性を引き起こす原因はさまざまなものがあります。一つ一つ詳しく解説していきましょう。
1.基礎代謝:運動不足や加齢により基礎代謝は低くなります。
2.筋肉量:運動不足などにより筋肉量が少なくなると、熱産生ができないために冷えの原因となります。また「1.」の基礎代謝の低下につながります。
3.自律神経:生活習慣の乱れや月経、睡眠不足により自律神経の乱れが生じると常に緊張状態となり交感神経が優位に働き、末梢の血管が収縮するために、手足の血行不良が生じて冷たく感じます。
4.食生活:栄養の偏り、無理なダイエットなどにより摂取するエネルギーが減ると体内で熱を産生するときに消費するエネルギーが足りず、体が冷たいと感じます。
5.喫煙:タバコに含まれるニコチンは手足の血管を収縮させる作用があります。手足のような体の末端の血管が収縮することにより、血行が悪くなるため冷えを感じます。
冷え性の原因の大部分は生活習慣に大きく関係しており、効果的に改善するには日常生活の見直しが重要となります。
・男女により発生頻度にも差がある
男性は女性よりも基礎代謝が高く、筋肉量も豊富であり熱産生に優れています。ですから、男性は女性よりも冷え性は問題となりにくく、冷え性にお悩みの方は特に女性に多く見られます。また女性に特有の月経による血流の低下やホルモンバランス、自律神経の乱れなども影響するため冷え性を助長します。つまり女性の方が男性よりも冷え性になりやすいと言えるでしょう。
・当てはまる症状があるかチェック
冷え性に伴って現れる体の不調をセルフチェックすることで冷え性の有無を知ることができます。冷え性かな?とお悩みの方は当てはまる症状があるかどうかチェックしてみてください。
□寒がりである
□手足やお腹を触ると冷たい
□体温が35°c前後である
□貧血気味
□冷えると、むくみやだるさ、関節痛、腹痛が出る
□顔や肌の色が白っぽい
□温かい飲食を好む
□食欲がない
□朝方、下痢気味
□傷が治りにくい
□トイレが近く、尿の色が薄い
□冷房が苦手
□夜間トイレに行く
□午後に体調が悪い
□風邪をひきやすい
□食事量は変わらないが、太ってきた
□人と話すのが億劫
□落ち込みやすい
□不安になりやすい
□家にこもっていたい
これらのチェック項目について、いつもあるという項目が多い方は冷え性の傾向があります。またときどき当てはまるという方でも項目が多ければ注意する必要がありますので、これからご紹介する改善方法も考慮してみてください。
(*引用:冷え性自己チェックリスト 初台クリニック)
冷え性のセルフチェックについてさらに詳しく知りたいという方は「【ママ柔整師監修】自宅で簡単!ユミコア流末端冷え性改善トレーニングとは?」をご覧ください。
■冷え性改善法!食事や飲み物にも注目しよう
自分がどの冷え性のタイプに当てはまるのか、また冷え性の原因についてわかったところで、冷え性の改善法、改善効果があると言われている食事や飲み物などについて解説しましょう。
・冷え性改善にはストレッチなどの運動で血行改善!
冷え性の原因である運動不足を改善することで筋肉量を増やし、熱産生、基礎代謝の亢進を図ることで冷え性の改善につながります。特に加齢を重ねると筋肉量の減少、基礎代謝の低下が現れるので、毎日の生活の中で長く続けられる運動を取り入れるように心がけましょう。ウォーキングやジョギング、ストレッチ、筋トレ、ヨガなどを継続的に行うのがオススメです。自分の興味のある軽い運動から始めてみるのがいいでしょう。
・漢方やツボも冷え性対策に用いられる
冷え性に効果的な漢方薬も冷えの改善に有効だとされています。他にも東洋医学におけるツボなども有効なケースもあるようです。生活習慣の見直しをしてもなかなか改善されない、または試してみたいとお考えの方は、専門の機関で相談されると良いでしょう。
・食事で冷え性を体の中から改善
食事による栄養素やビタミンの摂取は、冷え性の原因である筋肉量の低下や血行不良などにも影響を与えます。また無理なダイエットによりエネルギー源をカットすることで代謝能力の低下、必要な熱産生が行われなくなるため冷え性の改善には食事内容、習慣の見直しは不可欠です。
冷え性の改善に有効な栄養素としては、筋肉を作る上で必要なタンパク質を摂取すること、温かい食事、スパイスや生姜、根菜類など血行が良くなる食材を選ぶのも効果的です。また無理なダイエットはさけ、きちんと3食摂取して血糖値の急激な変化が起きないようにしましょう。運動などでエネルギーが使われることで血糖が低下しますが、空腹状態だと血糖値が低く低血糖に陥りやすくなるために熱産生ができなくなります。また欠食による急激な血糖値の変化は糖尿病の原因にもなるため血管の伸び縮みが困難となり、長期的に手足の冷え性を助長してしまう結果となってしまいます。
・普段口にするちょっとした飲み物で冷え性対策
3食の食事以外に飲み物にも気をつけることが冷え性の改善に有効です。できるだけ冷たい飲料は避けて温かい飲み物を口にするようにしましょう。温かい飲み物といえばお茶やコーヒー、紅茶を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。カフェインは血管を収縮させる効果もありますので、白湯やハーブティー、生姜湯などの温かい飲み物がオススメです。飲み物で体の中から温めて冷え性対策に役立てましょう。
冷え性の改善法についてさらに詳しく知りたいという方は「【ママ柔整師監修】自宅で簡単!ユミコア流末端冷え性改善トレーニングとは?」をご覧ください!
■ユミコア式ストレッチやエクササイズで冷え性改善
ユミコアではコアトレーニングやストレッチを中心に筋肉量の増加、血行の促進、エネルギー消費による熱産生による冷え性の改善法をお勧めしています。冷え性改善効果があるエクササイズで体の調子を整えましょう。
・膣呼吸でコアを鍛えて便秘解消!
【裏もものストレッチ】
1.仰向けになり片足は伸ばし、もう一方の足を天井に上げ、両手で膝の後ろ側を持つ
2.お尻の穴は床の方に向けた状態をキープして足を自分の方にゆっくり5回引き寄せる
3.反対も同様行う
・コアを鍛えて内臓から温めよう
コアマッスルと呼ばれる横隔膜(おうかくまく)、多裂筋(たれつきん)、腹横筋(ふくおうきん)、骨盤底筋(こつばんていきん)を鍛えることで、内臓下垂を予防することもでき、筋肉量を増やすことでお腹周囲の血流を向上させます。
【横隔膜を鍛えて背筋を整えよう】
1.両膝を立てて、仰向けの姿勢で寝ます。
2.おっぱいの下あたりの左右の肋骨に手を置きます。
3.息を吸って吐いた後、手を置いている肋骨をロックするようにして、次に背中に呼吸が入るように息を吸います。
4.息を吐くときも背中側の空気を押し出すように、手を置いた胸の前はロックしたまま行いましょう。
◎目安回数:10回
・骨盤底筋トレーニングで骨盤の歪みを整えて温活しよう
コアマッスルの一つである骨盤底筋は膣や子宮といった女性器を下から支える役割を果たしています。そのため骨盤底筋を鍛えて骨盤の歪みを整えることで、骨盤底筋が正常に働くようになり、女性器の血流が改善し冷え性改善の効果が期待できます。
【骨盤底筋トレーニング】
骨盤底筋はコアマッスルの一つであり、内臓を下から支えるために重要な筋肉です。内臓を支えきれないと内臓が下垂し、ぽっこりお腹の原因の一つとなります。あわせて、呼吸も意識しながらコアマッスルをしっかりと鍛えましょう。
1.仰向けになり、軽く両膝を立てます。膝の間にバスタオルなどを挟んでおくと良いでしょう。
2.膣から空気を吸い上げるように、同時に足の間に挟んだバスタオルも膣から吸い上げるように意識して、骨盤を丸めて深呼吸します。
3.鼻から息を吸ったときにお腹が膨らむように、また息を吐くときにお腹が凹むようにしましょう。
◎目安回数:10回
◎ポイント:腹式呼吸に慣れない間はみぞおちのあたりとお腹(ヘソのあたり)に片方ずつの手を当てます。息を吸うときにお腹で置いた手を押すように意識すると感覚を掴みやすくなります。
■まとめ
冷え性は医学的には病気ではなくても体にさまざまな影響を与える身体の状態を表しています。冷え性には末梢型、全身型、内臓型、下半身型の大きく4つに分けられ、それぞれ原因や症状も異なります。冷え性の主な原因には加齢や運動不足による筋肉量、基礎代謝量の減少、自律神経の乱れ、食生活の乱れや喫煙などの生活習慣によります。また筋肉量や基礎代謝の関係から、冷え性は男性よりも女性に多いことがわかっています。冷え性の改善には運動による熱産生、代謝の促進、良質のタンパク質を摂取することにより筋肉量の増加を図ること、運動習慣と食生活の見直しなど、それぞれの冷え性のタイプや原因に適した改善方法を試してみてください。
YumiCoreBodyオンラインレッスンでは、冷え性の改善に重要な運動不足、コアマッスルの強化による基礎代謝の向上を目的としたさまざまなプログラムをご用意しています。また筋肉が効果的に働くには鍛えるだけではなく、ストレッチなどできちんとほぐして血流を保つことも重要であり、ユミコアではこれらのプログラムにも対応しています。しかもオンラインレッスンなら、ご自分の好きな時間に好きな場所で、時間や場所を選ぶことないため、無理なく継続して行っていただくことが可能です。冷え性にお悩みの方は是非試してみてください。
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投稿者プロフィール
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YumiCoreBody編集部
理学療法専門学校を卒業後、理学療法士として整形、神経内科、脳外科、心臓血管外科など様々な症例を担当する。理学療法士、呼吸療法認定士の資格を保有。