猫背などの姿勢の悪さや、それにより起こる肩こりを防止するためには、正しいデスクワーク中の座り方だけでなく、ストレッチやエクササイズによる姿勢改善を行うことも重要です。今回は正しい座り方や、姿勢改善に効果的なストレッチについて解説しましょう。
■デスクワークの姿勢は重要!
まずはデスクワークの姿勢の重要性、姿勢不良による問題などについて詳しく解説します。
・デスクワーク時の姿勢による悪影響
デスクワークの姿勢が悪いと、日常生活にもさまざまな影響を与えます。その例を下に挙げてみましょう。
□腰痛や肩こり
□血行不良による冷えやむくみ
□猫背や反り腰、巻き肩、ストレートネックなどの姿勢不良
□疲労感
デスクワークで長時間座っていると、血行不良や疲労感などを引き起こしやすくなります。また、デスクワーク中だけでなく、日常生活の場面でも運動不足などで筋力が低下していると筋肉のポンプ作用が弱くなり、血行不良を起こしたり、すぐに疲れてしまいます。
姿勢不良に関しても同じように、長時間の同一姿勢によりさまざまな体の不調や痛みやボディラインに大きな影響を与えます。そのため、デスクワークの姿勢不良を改善する必要があるでしょう!
・長時間のデスクワークでなりやすい姿勢不良は?
長時間のデスクワークは、腰痛や肩こり、猫背や反り腰、巻き肩、ストレートネックの原因となり、日常生活でもさまざまな問題を引き起こします。これらの姿勢不良はぽっこりお腹やボディラインが崩れるなど、女性のお悩みにも直結します。
長時間デスクワークをするときは、正しい姿勢を保ち、疲れが出ないよう体勢を変えながら時折ストレッチをするなど、長時間同じ姿勢が続かないように注意しましょう。また、こまめに休憩を挟み、気分転換をすることも大切です。
・長時間のPC操作やスマホも姿勢に注意!
長時間のPC操作やスマホの使用は、頭が下がり、うつむいた姿勢になりがちです。このような姿勢は、ストレートネックや巻き肩、猫背などの原因になるため、注意する必要があります。
■デスクワークの正しい姿勢とは?
デスクワークの時に気をつけたい、姿勢保持のポイントについて解説します。
・上半身の正しいポジション
デスクワークの上半身の正しい姿勢は、背もたれの位置と肘の位置がポイントです。背もたれの調整はリクライニングの角度と、肘置きの位置調整が重要になります。
1.背もたれが100−110度に傾くように調整する
2.(肘置きがある場合)肘が90度になるようにする。肩幅に合わせて内側と外側の調整をする
・足のポジションに注意!
足のポジションは一見、デスクワーク中の姿勢には影響を与えないように感じますが、重要な要素の一つです。
1.両足の裏が床につく
2.椅子の深くに腰掛ける
3.座面の高さは膝が90度になるように設定する
4.太ももと座面が設置する面積をできるだけ大きくなるものを選ぶ
この4点に注意して、椅子を選ぶようにしましょう。もし、膝が90度になるように設定し足の裏が床につかない場合には、フットレストを足元に置くなど、調整するといいでしょう。
・PCやスマホなどデバイスの最適な位置
PCやスマホのデバイスを低い位置に置くと、うつむきがちの姿勢になり、首や肩、背骨の歪みの原因となります。PCやスマホを適切な位置に置くことも、姿勢不良を避けるための重要なポイントの一つです。
デスクやキーボードに手を置いたときに、肘の角度が自然と90度になる高さにしましょう。身体とキーボードの距離も、肘の角度が90度を保てる位置にすると良いでしょう。
■デスクワークの姿勢改善におすすめのストレッチとエクササイズ!
デスクワークの姿勢不良を改善するための、ストレッチやエクササイズについて解説します。
・背骨のほぐしで背骨の周りを柔らかくしよう
背骨の柔軟性が失われると、腰や背中、首の動きが悪くなり、姿勢不良の原因となります。姿勢不良はデスクワーク中の姿勢にも悪影響を及ぼします。
【背骨のストレッチ】
1.四つ這いで膝は大体肩幅に開き、両手は肩の下あたりに着くようにする。
2.お尻の穴が下に向くように背骨を丸め、みぞおちを内側にしまうように両手で床を押すようにする。
3.背骨とみぞおちを天井に突き上げるようにして、背中に呼吸が入るように息を吸う。
4.次に息を吐きながら、股下を覗き込むようにしてさらに息を吐く。
◎目安回数:5回程度
・首の筒を立てて背骨も首もストレッチ
は、スマホやPCの位置にもよりますがデスクワークにおいて負担のかかる部位の一つです。しっかりとストレッチしましょう。
1.正座の姿勢から上体を前に倒し、床に肘をつく。両肘は肩の真下につくようにする。
2.お尻を丸めたまま、両肘で床を押す。この時背中を伸ばしみぞおちをしまう。
3.鎖骨を真横に伸ばすイメージで、両鎖骨と胸骨を上に向けて持ち上げる。鎖骨の真裏、肩甲骨の上角のラインの背骨に効いている感覚があればOK。
4.首と背骨が一直線になる位置に戻しリラックスする。
◎目安回数:5回程度
・ 肋骨から骨盤部分をほぐして柔らかくしよう
肋骨から骨盤にかけての部分が硬くなると背骨の可動性をなかなか得ることができません。横腹あたりもしっかりとストレッチしましょう。
【肋骨から骨盤にかけてのストレッチ】
1.足を左右に開き、座って左の膝だけを曲げ、踵は身体の中心に来るように座る。
2.左手を右の内ももに置き、右手は頭の後ろにします。
3.ゆっくりと上半身を左側に倒します。息を吐きながらもう1ミリ倒すようにする。
◎目安回数:左右共に5回ずつ
・姿勢改善には腸腰筋のストレッチ!
股関節の前に位置している腸腰筋が硬くなると骨盤の傾きに影響を与え、結果的に背骨の柔軟性や弯曲に不具合が生じて姿勢が悪くなる可能性があります。姿勢不良の改善には、腸腰筋のストレッチもしっかりと行いましょう。
【腸腰筋ストレッチ】
1.膝立ちから左足を立てる。
2.左足を外側に1歩移動する。
3.お尻の穴を前に向けるように骨盤を丸める。
4.右手を天井に伸ばし呼吸をして身体を左に倒す。
5.左右それぞれ5回行う。
■姿勢改善のための家具や椅子、グッズをご紹介
根本的に姿勢を改善するにはストレッチやエクササイズがおすすめですが、エクササイズ時に併用すると良いグッズや、デスクワーク時の姿勢保持をサポートする椅子などもあります。
・姿勢改善ストレッチにホグッシーローラー
背中などの手の届かない大きな筋肉のストレッチは「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」を使ってストレッチすると効果的です。「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」は、体の表面を転がすとマッサージ効果を得ることもできます。
背中をほぐす時は、ローラーの上に乗って身体を反らして使用します。背中部分にローラーを当てることにより、床との間に緩やかな段差ができ、しなやかに背骨を動かすことが可能です。
・姿勢保持の椅子や家具もある
姿勢保持に特化した椅子は、背骨のカーブに合わせた背もたれのデザインをしているため、背骨の位置を良好に保つことが可能です。
他にも、昇降が可能なデスクを導入することによってデバイスの位置を良い状態にキープしてデスクワークの姿勢を正しく保持することができます。エクササイズやストレッチなどで背骨や骨盤、肩の位置などを位置を調整し、椅子や家具で正しい姿勢保持をサポートすると良いでしょう。
・姿勢矯正のクッションで正しい姿勢を保持
背骨の腰部分の弯曲のサポートするタイプのクッションなどで猫背や反り腰、巻き肩、反り腰などの予防に効果が得られることがあります。エクササイズやストレッチなどで背骨の歪みや柔軟性の改善を図り、クッションなど良い姿勢を長く保つようにするなど、組み合わせて使うのも良いでしょう。
■まとめ
デスクワーク時の姿勢は、日常生活上の姿勢にも大きく影響を及ぼすため、大きな問題となりかねません。姿勢不良は腰痛や肩こり、むくみ、疲労感などの体の不調だけでなく、ぽっこりお腹やウエストラインの乱れといった女性らしい美しいボディラインを保つ上でも妨げとなります。デスクワークをする上での正しい姿勢は、背もたれや肘の角度、足の設置や肘の角度などの全身の姿勢保持だけではなく、PCやスマホといったデバイスの位置の調整なども関わります。デスクワーク時の姿勢不良でお悩みの方は是非、正しい姿勢を試してみてください。
正しい姿勢を保持するには、しなやかな体の動きが重要です。ユミコアでは、正しい姿勢保持と共に背骨や首、肩甲骨、股関節などの体のライン、姿勢の保持に重要な部分のストレッチやエクササイズを合わせて行うことをお勧めしています。ストレッチやエクササイズによって背骨やその周囲の柔軟性を得ることで効果的にデスクワークの姿勢を整えることが可能です。
YumiCoreBodyオンラインレッスンでは、経験豊富な講師がデスクワークの姿勢保持に重要な背骨やその周囲のストレッチやエクササイズのレッスンを配信しています。
ご自分の好きな時間に好きな場所で行うことができるため、無理なく継続して行うことが可能です。「デスクワークの時の姿勢を正しく、美しくしたい!」と思っている方は、是非試してみてください!
「Yumi Core Bodyオンラインレッスン」はこちらから!
投稿者プロフィール
-
YumiCoreBody編集部
理学療法専門学校を卒業後、理学療法士として整形、神経内科、脳外科、心臓血管外科など様々な症例を担当する。理学療法士、呼吸療法認定士の資格を保有。