更新日: 2026.5.29
「浮き輪肉」と呼ばれる、お腹や腰まわりにふんわりとついたお肉。鏡を見るたびに「最近ちょっと気になってきたな…」と感じている方は多いのではないでしょうか。
特に30代後半から40代以降になると、「体重はそこまで変わっていないのに、なぜかお腹周りだけ厚みが増した気がする」と感じる方も少なくないと思います。
浮き輪肉は、ただの脂肪ではなく、女性の身体の変化や姿勢、コアマッスルのはたらきと深く関わっています。
今回は、浮き輪肉ができる原因と、私たち女性の身体に合わせたケアの考え方を、理学療法士の視点でのぞいてみましょう。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
YUMICORE インストラクター Sachiko
■プロフィール
総合病院や整形外科で理学療法士として勤務後、結婚、出産後は主婦業に専念。子育てが落ち着いた40歳ごろからフリーのトレーナーとして活動開始。運動指導だけでなく、ダイエットカウンセリングなども手がける。2023年より、YumiCoreBody天神スタジオにトレーナーとして従事。多くの女性が抱える身体の悩みに寄り添っている。
■保有資格
・理学療法士
・BESJピラティスマットワークインストラクター
・臨床栄養医学指導士
・食欲コントロールダイエット協会認定講師
・栄養コンシェルジュ二つ星
■浮き輪肉とは?まずはその正体を知ろう

・浮き輪肉の正体は「皮下脂肪」
浮き輪肉とは、お腹から腰まわりにかけてぐるりと一周するようにつく、いわゆるぜい肉のこと。この正体は、皮膚のすぐ下にある「皮下脂肪」と言われています。手でつまむことができ、内臓のまわりにつく「内臓脂肪」とは性質が異なるんです。
皮下脂肪は、身体を冷えや衝撃から守るクッションのような役割を持つ大切な組織でもあります。だからこそ、一度蓄積するとなかなか落ちにくい性質があると言われているんですね。
・女性に皮下脂肪がつきやすい理由
女性は男性に比べて皮下脂肪がつきやすい身体の特徴があると言われています。これは女性ホルモンである「エストロゲン」のはたらきと関係しており、妊娠・出産に備えて骨盤まわりや下腹部に脂肪を蓄えやすい仕組みになっているためです。
つまり浮き輪肉は、私たち女性にとってある意味で自然な現象とも言える存在。だからこそ「無理に削ぎ落とす」よりも、「身体のはたらきを整えてあげる」発想で向き合っていきたいですよね。
・浮き輪肉と「下腹ぽっこり」の違い
浮き輪肉とよく混同されがちなのが「下腹ぽっこり」。両方ともお腹まわりの悩みですが、原因が少し違うんです。
- 浮き輪肉:腰まわりをぐるりと囲むようにつく皮下脂肪
- 下腹ぽっこり:内臓の位置、骨盤の傾き、コアマッスルの機能低下などが関係
どちらも姿勢やコアマッスルのはたらきが深く関わっているので、ケアの方向性は重なる部分も多いんですよ。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
「お腹をつまめるかどうか」が、皮下脂肪か内臓脂肪かを見分ける目安になります。柔らかくつまめるなら皮下脂肪、お腹がパンと張ったように硬いタイプは内臓脂肪が多めかもしれません。両方が混在していることも多いので、ご自身のお腹の状態をやさしく観察してみてくださいね。
■浮き輪肉がつく原因
・その1:皮下脂肪の蓄積
浮き輪肉は皮下脂肪が蓄積された状態。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、余ったエネルギーが脂肪細胞にためられ、皮下脂肪として身体にとどまります。特にお腹まわりは脂肪がつきやすい部位なので、運動不足や食生活の乱れ、冷えによる巡りの低下が積み重なることで、少しずつお肉がつきやすくなると言われています。
・その2:筋力の低下
加齢とともに、私たち女性は筋肉量が少しずつ減りやすくなります。筋肉量が減ると基礎代謝も下がりやすく、同じ生活をしていてもお肉がつきやすい状態に。
特にお腹まわりのコアマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)は、日常生活ではなかなか意識して使わない筋肉なんです。気づかないうちにおサボりがちになると、お腹まわりがゆるんでしまう原因にもなります。
・その3:姿勢の崩れ
猫背や反り腰、巻き肩などの姿勢の崩れがあると、コアマッスルが本来のはたらきを発揮しにくくなります。
姿勢のバランスを取ろうとして骨盤が前後に傾くと、お腹の筋肉がうまく使えなくなり、結果としてお腹まわりにお肉がつきやすい状態に。鏡で見たときに「お腹だけポコッと出ている」と感じる方は、姿勢の見直しが大きなヒントになるかもしれません。
・その4:女性ホルモンの変化
40代以降になると、女性ホルモンの「エストロゲン」が少しずつ減っていきます。エストロゲンには内臓脂肪をたまりにくくするはたらきがあるため、減ってくるとお腹まわりに脂肪がつきやすい体質に変化していくと言われているんです。
「若い頃と同じように食べているのに、なんだか変わってきた…」と感じるのは、決してあなただけではありません。私たち女性の身体は、ライフステージに合わせて自然に変化していくものなんですよ。
・その5:巡りの低下
長時間のデスクワークや冷えによって、腰まわりの巡りが滞ると、老廃物がたまりやすくなり、お腹まわりに厚みを感じやすくなることも。脂肪の量は変わっていないのに、なんとなくサイズアップした気がする…という方は、巡りのケアもポイントです。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
浮き輪肉は、「脂肪」「筋肉」「姿勢」「ホルモン」「巡り」という5つの要素が複雑に絡み合ってできるもの。だからこそ、ひとつの方法だけで一気に変えようとせず、いくつかの方向からやさしくアプローチしていくことが大切なんです。
■浮き輪肉が落ちにくいと言われるのはなぜ?

「お腹のお肉だけがどうしても残ってしまう」というお声をよくいただきます。これには理由があるんです。
・皮下脂肪は分解されにくい性質がある
皮下脂肪は、内臓脂肪と比べて分解にかかわる細胞が少ないと言われています。そのため、ダイエットを始めるとまず内臓脂肪から減っていき、皮下脂肪が最後に残りやすいと考えられているんですね。
「すぐに結果が出ない」のは、頑張りが足りないからではなく、皮下脂肪そのものの性質によるところが大きいんです。だから、焦らず中長期的に向き合っていく姿勢がとても大切。
・腰まわりは筋肉が薄い部位
下腹や脇腹は、もともと筋肉が薄い部位。筋肉が少ないところは血流も少なく、脂肪が分解されにくい環境になりがちなんです。だからこそ、腹斜筋などお腹まわりの筋肉をやさしく動かしてあげることが、巡りを整える助けになります。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
変化を感じるまでには、一般的に2〜3ヶ月程度の継続が目安と言われています(※個人差があります)。即効性を求めるよりも、「気づいたら少しずつスッキリしてきたな」と感じられる毎日の積み重ねを大切にしてみてくださいね。
■浮き輪肉ケアの3つの柱

浮き輪肉のケアで意識したいのは、「①運動」「②食事」「③姿勢」の3つ。どれか一つに偏らず、バランスよく整えていくことが、私たち女性の身体にとって心地よいアプローチなんです。
①運動を生活にやさしく取り入れる
運動は大きく分けて、有酸素運動と無酸素運動があります。
有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など。比較的長時間続けられる、身体への負担がやさしい運動です。エネルギー源として酸素と糖、脂肪を使うため、健康的な体づくりにつながると考えられています。脈拍数120〜130程度が目安と言われています。
無酸素運動:筋トレなど短時間で強い負荷をかける運動。脈拍数140以上が目安です。筋肉量の維持・向上に役立つと考えられています。
どちらも大切ですが、忙しい毎日の中では、まずは「歩く時間を少し増やす」「エレベーターを階段に変えてみる」など、続けやすいものから始めるのがおすすめですよ。
②食生活を見直す
運動でエネルギーを消費しても、食事のバランスが偏っていると、なかなか身体は変わりにくいものです。極端な食事制限ではなく、栄養バランスを整える意識が大切です。
【タンパク質を多く含む食品】
・肉類:赤身肉やヒレ肉は脂質が少なめ。鶏のささみや胸肉は、高タンパクで低カロリーな食材として知られています。
・魚介類:白身魚や赤身魚、貝類など。脂が多いサンマやブリ、トロ以外は、比較的軽やかに取り入れやすい食材です。
・卵、乳製品:卵は全卵で取り入れて大丈夫。乳製品は、生クリームやチーズなど脂質が多いものは控えめに。
・大豆製品:豆腐、納豆、湯葉、豆乳など、植物性タンパク質を補える優秀食材。日々の食事に取り入れやすいですよね。
食事の時間も、できるだけ規則正しくしてあげると、身体のリズムが整いやすくなりますよ。夜遅い時間の食事は消化に負担がかかりやすいので、お腹に負担をかけない時間帯を意識してみてくださいね。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
「カロリーを減らす」ことだけにフォーカスすると、筋肉まで一緒に落ちてしまい、かえって基礎代謝が下がってしまうことがあります。私たち女性は特に、タンパク質をしっかり取って、筋肉を育てる視点を大切にしたいですね。
③姿勢を整える
そして、ユミコアがいちばん大切にしているのが「姿勢」の見直し。
姿勢の崩れがあると、コアマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)が正しくはたらかず、お腹がゆるんで見える原因に。逆に、姿勢が整うと、特別な筋トレをしなくてもお腹まわりが自然と引き締まって見えることもあるんです。
姿勢を整えるためには、股関節や背骨、肩甲骨、骨盤まわりの柔軟性がカギ。柔軟性が失われると、筋肉が正しく動けず、重心も乱れてしまいます。
日常の中で、ふと立ち止まったときに「肩が丸まっていないかな?」「お腹が前に突き出ていないかな?」と、やさしく自分の姿勢をのぞいてみてあげてくださいね。
■浮き輪肉ケアにおすすめのストレッチ&エクササイズ

ここからは、ユミコア式のストレッチ&エクササイズをご紹介します。背骨・股関節・コアマッスルにアプローチして、お腹まわりを内側から整えていきましょう。
・背骨をほぐして姿勢を整える
【背骨のストレッチ】
【背骨のストレッチ】のやり方
1.ローラーを横向きにセットし、おっぱいの裏側(肩甲骨の下あたり)に当てます
2.腰が反らないように腰を少し丸めるイメージで、骨盤の向きを調整。膝は曲げて、肩幅より広めに足を広げておきます
3.手で後頭部をやさしく支え、背骨をまっすぐ伸ばします。息を吸って、吐きながらおへそをのぞき込むように背骨を丸めます
4.息を吐きながら、頭が遠くを通るイメージで背骨の上側を反らせ、頭を下ろします
◎目安回数:10回程度
・股関節をやさしく開く
【股関節のストレッチ】
【股関節のストレッチ】のやり方
1.膝立ちから片足を横に開き、開いた足裏は床につけます
2.肘を床につけたら、息を吸って、吐きながらお尻を後ろに引いて内ももを伸ばします
◎目安回数:左右10回ずつ
・コアマッスルを呼吸で目覚めさせる
肋骨を整えてお腹まわりをすっきり見せるには、コアマッスルである横隔膜のはたらきがカギになります。ユミコアおすすめの呼吸エクササイズをご紹介しますね。
【横隔膜呼吸】
1.両膝を立てて仰向けに寝て、両手をみぞおちの左右に置きます
2.鼻から息を吸って吐いた後、肋骨の上に置いた手で少しだけ肋骨を圧迫してロックします
3.その状態で鼻から吸って、背中側に空気を入れるイメージで呼吸します
4.お腹に入った息を吐き切ります。苦しくなる手前まで吐いたら、1〜2秒その状態をキープ
◎目安回数:5〜10回程度
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
横隔膜呼吸は、コアマッスルの中でも特に大切な「呼吸の筋肉」を目覚めさせるエクササイズです。最初は息が入りにくく感じるかもしれませんが、続けるうちに少しずつ感覚がつかめてきますよ。寝る前や朝起きたあとなど、リラックスできる時間に行ってみてくださいね。
・骨盤底筋を意識して体幹を引き締める
お腹まわりを内側から整えるには、骨盤の底にハンモック状にある「骨盤底筋」のはたらきも欠かせません。骨盤底筋は、骨盤内臓器を下から支えてくれている大切な筋肉。コアマッスルの一員として、姿勢の安定にも関わっています。
骨盤底筋がうまくはたらくと、お腹の奥がふんわりと引き上がる感覚が生まれ、お腹まわりの印象もすっきりと変わってきますよ。
【1分でできる!膣の引き上げエクササイズ】
■毎日続けるためのちょっとしたコツ
・「ちょっとだけ」を積み重ねる
大切なのは、無理なく続けられる範囲で習慣にしていくこと。1日5分でも、毎日続けることが何よりの近道です。私たち女性の身体は、急に変えようとするより、やさしく整えていくほうが結果につながりやすいんですよ。
・身体の声を聞いてあげる
「今日はちょっと疲れているな」という日は、無理せずお休みすることも大切。エクササイズを義務にしてしまうと、続けるのがつらくなってしまいます。ゆらぎがちな心と身体に、寄り添うように向き合っていきましょう。
・お医者さんへの相談も選択肢に
急激な体重変化や、お腹のはり、生理周期の変化など、気になる症状がある場合は、お医者さんや先生に相談してみてくださいね。ホルモンの変化が大きく関わっている場合もあるので、専門家のアドバイスをもらうのも安心です。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
浮き輪肉のケアは、「やる気がある日にがんばる」より「無理なく毎日少しずつ」が続けるコツ。私たち女性の身体は、急激な変化よりも、やさしい積み重ねを好んでくれるんです。
■浮き輪肉ケアに関するよくあるご質問
Q1.どのくらいの期間で変化を感じられますか?
A.個人差はありますが、食事と運動を整えた場合、一般的に1〜2ヶ月で身体の感覚に変化を感じ始め、見た目の変化を実感するには3ヶ月程度の継続が目安と言われています。焦らず、ゆっくり向き合っていきましょう。
Q2.腹筋運動だけしていれば浮き輪肉は落ちますか?
A.お腹まわりだけの筋トレで、その部分の脂肪だけが落ちるわけではないと言われています(部分痩せの限界)。コアマッスル全体を整え、姿勢を見直し、食事も含めて整えていくのがおすすめです。
Q3.40代以降でも変化は期待できますか?
A.もちろんです。確かに女性ホルモンの変化で身体は変わっていきますが、姿勢や筋肉のはたらきを整えていくことで、年齢に関わらず身体の感覚は変わっていきますよ。今日からやさしく始めてみてくださいね。
■まとめ
浮き輪肉と呼ばれるお腹まわりの皮下脂肪は、私たち女性にとって自然な身体の変化と関わっているもの。だからこそ、「無理に削ぎ落とす」のではなく、「身体の内側から整える」考え方が大切です。
浮き輪肉の原因は、皮下脂肪の蓄積だけでなく、筋力の低下、姿勢の崩れ、女性ホルモンの変化、巡りの低下など、いくつかの要素が絡み合っています。
ケアのポイントは、運動・食事・姿勢の3つをやさしくバランスよく整えること。特に姿勢を整えてコアマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)のはたらきを引き出すことが、ユミコアが大切にしているアプローチなんです。
背骨・肩甲骨・骨盤・股関節のストレッチに加えて、横隔膜呼吸や骨盤底筋エクササイズを生活に取り入れて、内側からふんわりと整った身体を目指していきましょう。
※本記事の内容は一般的な情報であり、効果には個人差があります。気になる症状がある場合は、医師にご相談ください。
著者: yumicorebody


