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更年期障害は、40歳を過ぎた頃からみられる心身の不調の総称です。女性の場合には、閉経前後の約10年ほどのぼせ・火照り・発汗、乾燥肌、背部痛や腰痛、関節の痛みなど、さまざまな症状が起こります。今回は、かかとの痛みと更年期障害の関係や原因、対処法やエクササイズについて解説します。
■更年期にかかとが痛くなる原因
更年期障害で起こりうる症状や、かかとの痛みと更年期障害の関係、それらの原因について解説します。
・加齢による体の変化
年齢を重ねると、加齢による身体の機能低下と共に、40〜50代前後の女性に関しては、閉経に伴うホルモンバランスの変化も影響して関節の痛みや身体のこわばりなどの症状が現れます。これを更年期障害と呼びます。
身体の痛みだけでなく、のぼせや発汗、冷えや精神的に不安定でうつ傾向になるなど症状はさまざまです。男性にも更年期障害はありますが、閉経前後の約10年間は中年女性の身体にさまざまな不調が現れるでしょう。また、この時期から基礎代謝も低くなるため、体重増加などの問題も生じます。
・ホルモンバランスや筋力低下が原因の場合がある
更年期には、閉経前後を境に女性ホルモン(主にエストロゲン)の分泌量が低下するため、ホルモンバランスの変化によるさまざまな症状が現れます。エストロゲンの減少は、以下の不調を引き起こします。
・自律神経の乱れ
・コラーゲン産出を促がされず、肌が荒れる
・血管、骨、関節、脳などを健康に保てない
ホルモンバランスの変化は関節の柔軟性の低下につながり、かかとの痛みを生じる可能性があるでしょう。かかとの周囲にはたくさんの靭帯や筋肉が付着しており、それらが硬くなることが原因と考えられます。
もう一つの原因としては、加齢により筋力が低下することで起こるかかとの痛みです。股関節、膝の周囲や足の裏などの筋力低下により、かかとの関節や靭帯に大きな負担がかかるため、かかとに付着する靭帯や関節の内部に炎症を引き起こしたりして痛みを生じることもあります。
・更年期以外の病気との鑑別は?
更年期によるかかとの痛みがある場合には、関節リウマチなどの他の病気が隠れていないか鑑別が必要となります。更年期障害により朝のこわばりや関節痛が現れますが、関節リウマチも同様の症状が現れます。しかし、関節リウマチの場合には関節に炎症が起こるため、朝のこわばりが1時間以上続く、関節の腫れがひどく、徐々に進行して関節の変形が見られるという特徴があります。他には関節炎や筋肉の付着部の炎症などの可能性もあるでしょう。
■更年期のかかとの痛みは放置するとどうなる?かかるなら何科?
更年期によるかかとの痛みは、放っておくとさらなる不調につながる可能性があります。かかとの痛みと時間的な経過との関連、かかとの痛みをケアしないとどのような不調を引き起こしてしまうのかについて解説します。
・放置すると慢性化する
かかとは、立っている時や歩いている時などに体重がかかる関節なので、放置すると痛みは軽くならずに長引いたり、時には重症化することがあります。痛みが慢性化する前に適切な対処を行いましょう。
・早めに対処してしっかりとケアしよう
かかとの痛みを感じたら、ひどくなる前にケアをしましょう。かかとは身体を支える重要な部分なので、痛みが強くなると日常生活に支障をきたすだけではなく、痛みをかばうことで腰痛や膝関節痛、股関節痛などの原因にもなります。これらの体の不調は姿勢不良などさらなる不調の原因となるため、早めの対処をおすすめします。
・長引くかかとの痛みには早めに診察を
かかとの痛みには、更年期障害によるものを含めさまざまな原因が考えられますが、痛みが長期間にわたって持続する場合には、更年期障害以外の原因である可能性もあります。長引くかかとの痛みは我慢せずに、整形外科への受診をおすすめします。更年期障害の可能性が高い場合には、婦人科や内科などを受診するのが良いでしょう。
■更年期のかかとの痛みへの対処法
ここで、更年期のかかとの痛みへの対処法について解説します。かかとの痛みに対して運動やストレッチを行うことは非常に重要であり、それと共に姿勢不良を正すことでかかとの痛みの軽減を図ることができるでしょう。
・ストレッチやエクササイズでかかとへの負担を減らそう
股関節の柔軟性の低下や筋力低下、膝関節より下のアンバランスなどがあると、立ったり歩いたりする時にかかとに大きな負担がかかってしまいます。特に歩行はかかとから床に接地して、かかとで体重を支える必要があるため、股関節や膝の筋力が弱くなると正しい位置に体重が乗らず、かかとの痛みの原因となります。かかとへの負担を減らすためにも、ストレッチやエクササイズなどを日常的に取り入れるようにしましょう。
・姿勢不良を改善して負担を減らそう
股関節や膝関節など下肢の筋肉が効率よく働くためには、姿勢不良を正す必要があります。猫背や反り腰といった体幹部の姿勢不良があると、重心の位置が前方もしくは後ろに移動してしまうため、歩く時や立っている時にかかとに重心がのらず、足全体の筋肉が働きにくくなります。また、ストレートネックや巻き肩といった姿勢不良は猫背や反り腰の原因にもなります。ストレッチやエクササイズと合わせて姿勢不良を改善することも、かかとの痛みには効果的です。
・それでもダメなら薬やインソールなどを考慮
ストレッチやエクササイズ、姿勢を改善してもかかとの痛みが良くならない場合には、痛み止めなどの薬やインソールなどの装具でかかとの負担を取り除くことも考慮すると良いでしょう。しかし、これらは痛みを軽減するための対処療法でしかないため、ストレッチやエクササイズによるかかとの痛みへの対処法と合わせて行うと良いでしょう。
■更年期のかかとの痛みにオススメのエクササイズ
更年期障害のかかとの痛みは、痛みの部位であるかかとだけでなく、姿勢や足、コアマッスルにアプローチすることが重要です。4つのエクササイズを動画も使って解説します。
・まずは、脛とふくらはぎをほぐそう!
ふくらはぎや脛の筋肉が硬くなりアンバランスになると、かかとの痛みが生じることがあります。まずは、膝から下の筋肉をしっかりとほぐしましょう。
1.四つ這いになり、右膝の裏にボールを挟む。
2.右膝のお皿の真下あたりにある、飛び出している骨にローラーに乗せる。左膝は、ローラーの真横に移動する。
3.右膝を右斜め上、つま先を左斜め下に向け、右のすねの外側の際にローラを当てる。
4.ローラーを前後に動かして筋肉をほぐす。
・股関節の柔軟性も大切!
股関節の柔軟性が低下すると、骨盤の傾きや姿勢不良に影響を与えます。股関節の前面に位置している腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチを行って、正しい歩き方を手に入れましょう!
1.膝立ちから左足を立てる。
2.左足を外側に1歩移動する。
3.お尻の穴を前に向けるように骨盤を丸める。
4.右手を天井に伸ばし呼吸をして身体を左に倒す。
5.左右それぞれ5回行う。
・骨盤底筋のエクササイズでコアを鍛えて姿勢を整えよう
姿勢不良があると、かかとにも大きな負担がかかるため、かかとの痛みが長引いたり、痛みを助長したりします。骨盤底筋を含むコアマッスルを鍛えることで姿勢を整えることができます。今回は骨盤底筋を鍛えるコアトレーニングをご紹介しましょう。
【コアのトレーニング】
1.肩の下に手首、お尻の下に足首で四つ這いになる。
肘は軽くゆるめおき、脇をしめてマットを押す。
※頭は落とさないように鼻先を後ろに押す
2.息を吸ってお腹に呼吸をいれ、内ももを膣の中に引き込むように息を吐く。
3.下腹が締まった感覚が入ったら、下腹を締めたままお尻の穴を天井に少し向ける。
※みぞおちが落ちてしまったら、もう一度マットを押し、脇をしめる
4.下腹と骨盤が締まる感覚をキープしたまま右手をマットから浮かす
5.反対も同様に行う
・ふくらはぎのインナーエクササイズ
ふくらはぎの筋肉の一部はかかとの骨に付着しているため、ふくらはぎのエクササイズはかかとの痛みを軽減する上で大変重要です。ふくらはぎを柔らかく保ちましょう。
【ふくらはぎインナーエクササイズ】
1.両膝を立てて三角座りの姿勢で座る。この時足首は90度、両足の親指の横はそろえてキープする。
2.両足の小指を扇が開くように動かす。
3.20回繰り返す。
■まとめ
更年期障害とは、40〜50代の男性や女性に起こるさまざまな身体の不調のことをいいます。特に閉経の前後約10年間は、ほてりや発汗、関節や身体のさまざまな部分の痛みなどが起きることが知られています。かかとの痛みも更年期障害で起こりますが、最初は原因がわからず、心配になってしまう方もいるのではないでしょうか。かかとの痛みは筋力低下やホルモンバランスの乱れによる関節や靭帯が硬くなることも原因の一つですが、姿勢不良があるとさらにかかとへの負担が大きくなるためストレッチやエクササイズを行うことがオススメです。痛みが長引いたり、手足の変形が伴う場合などは他の原因が隠れている可能性もあるため、専門家の診察を受けることをおすすめします。
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ご自分の好きな時間に好きな場所で行うことができるため、無理なく継続して行うことが可能です。更年期による不調やかかとの痛みをなくしたいと思っている方は、是非試してみてください!
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