恥骨筋、長内転筋、大内転筋、これらは全てうち太ももにある「内転筋群」です。内転筋のストレッチは、内ももを引き締めたい、股関節が硬い、腰痛や冷え性に悩む方など多くの女性にうれしい効果があります!今回は身体が硬くてストレッチが苦手な方も痛みなくできる、様々な方法をご紹介します。
■内転筋(ないてんきん)とは?
まずは内転筋がどこにあるのか、どんな役割があるのかということについて分かりやすく説明します。
・内転筋とは「恥骨筋、大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋」の総称
内転筋とは、太ももの内側にある筋肉をいいます。正確には「内転筋」という筋肉は存在しておらず、内ももにある「大内転筋(だいないてんきん)」、「小内転筋(しょうないてんきん)」、「長内転筋(ちょうないてんきん)」、「短内転筋(たんないてんきん)」、「恥骨筋(ちこつきん)」、「薄筋(はっきん)」の6つの筋肉の総称を「内転筋群」と呼んでいます。
・内転筋の役割は「きれいな歩行」
内転筋群の役割は、股関節を内転方向(脚を閉じる方向)に動かすことです。木によじ登ったり、ボールを両脚の間に挟んだりする動作では強く働きますが、実際の日常生活動作の中ではそのように内転筋だけを強く働かせるような機会はあまりありません。
では、内転筋はいつ働いているのでしょうか?
最も内転筋群を使うのは、歩いているときです。股関節の内側に内転筋群があるように、股関節の外側(お尻の外側面)には外転(脚を外に開く)作用のある「中殿筋(ちゅうでんきん)」や「小殿筋(しょうでんきん)」があります。これら外転作用のある筋肉と相反する作用のある内転筋群がバランスよく働くことで、歩行時に身体が傾くことなく左右交互に片方の脚で体重を支えることができます。
・内転筋が硬い原因は姿勢?生活習慣?
内転筋にかかわらず、筋肉は使いすぎても使わな過ぎても硬くなってしまいます。内転筋の場合、多くは姿勢の問題、長時間立ちっぱなしでいることや運動不足、ヒールなど足元が不安定な靴を頻繁に履くことなどの生活習慣によって硬くなってしまいます。一方、先天性股関節脱臼や変形性股関節症により股関節自体が不安定になっている場合なども内転筋の緊張が高まり、硬くなってしまいます。
■脚痩せから腰痛改善まで!?内転筋ストレッチの効果は?
内転筋のストレッチには、女性らしい健康的な美しさが手に入る要素がたくさんつまっています。これを知れば、今日から内転筋ストレッチを始めたくなること間違いなし!
・股関節の柔軟性upで女性らしいしなやかな動きに
股関節は球関節という前後左右、捻りの多様な動きができる関節であり、とても大きくかつ複雑な動きをすることができます。また、上半身と下半身をつなぐ関節であり、歩行、立ち座りを始め、全ての動きの中心になる重要な関節です。内転筋のストレッチによって股関節の動きがよくなり、女性らしい柔軟でしなやかな動きができるようになります。
股関節のストレッチについては、「理学療法士ママが伝授する股関節を柔らかくするストレッチ方法!」にて多数ご紹介しています。是非ご覧ください♪
・内ももすっきり!脚痩せ効果&ダイエット
内もものたるみが気になる方にも内転筋のストレッチが効果的です。内転筋をストレッチすることで内ももの血流が改善、脂肪が燃焼しやすくなり、引き締め効果が期待できます。また、継続的にストレッチを行うことで全身の血流、代謝もアップしてダイエット効果にもつながります。
・女性や高齢者も!腰痛・膝痛改善効果
大きな動きができる股関節に対して、膝関節は屈伸のみが可能な関節、腰は小さな脊椎(せきつい)が積み重なった小さな関節の複合体なので、大きな動きには不向きな関節です。女性や中高年者の多くは膝や腰を傷めてしまいますが、股関節が柔軟になり動きがよくなると、膝や腰への負担が軽減されます。長年の膝痛や腰痛が内転筋のストレッチで改善するということもあります!
腰痛対策については、「【理学療法士解説】ぎっくり腰にはこれ!正しい治し方とストレッチ方法を徹底解説」で詳しく説明しています。
・女性の敵!リンパの流れ改善で冷え性解消
脚のつけ根にはリンパ節があります。内転筋が硬く股関節の動きが悪いと、リンパの流れや血流も悪くなってしまいます。内転筋のストレッチにより股関節周りがほぐれることで、リンパの流れが改善し、脚の冷えや浮腫みといった女性に多い悩みが解消します。
■いつでも簡単!おすすめの内転筋ストレッチ方法
内転筋のストレッチは痛い!というイメージがあって、なかなかできていない方も多いのでは?今回は、様々な姿勢での内転筋ストレッチをご紹介しますので、ご自身が気持ちよく伸ばせるものから始めてみてください!
・高齢者でも無理なくできる!寝ながら簡単「開排ストレッチ」
1.仰向けになり、両膝を立てます。
2.両足の裏をくっつけ、両膝を開くようにゆっくり開排し、内ももに伸張感を感じたところでストップし、そのまま20秒程度静止します。
※股関節の前側など内もも以外に不快な痛みを感じる際は無理をせず中止、もしくは開排の程度を緩めて様子をみながら進めてください。
・椅子で簡単!内転筋ストレッチ
1.椅子に座り、左右の股関節と膝が外に開くように足を広げる。
2.膝の上に手を置き、肩を中に入れ込むように左を向き、股関節と膝を更に外側に開くようにして内転筋をストレッチする。同様に反対も行う。
◎目安:片側30秒から90秒
◎ターゲット:内転筋
◎ポイント:膝が中に入らないようにしっかり股関節と膝を外に開いて行う。
・しっかり伸ばす!開脚内転筋ストレッチ
1.床に座り、右脚は膝を伸ばしてできるだけ外に開き、左脚は膝を曲げて足の裏が右の内ももにつくようにします。
2.おへそを床に近づけるように前に身体を倒します。
3.右の内ももに伸張感を感じたらストップし、そのまま20秒程度静止します。
4.左右の脚を入れ替えて、左の内転筋もストレッチします。
5.余裕がある方は、両脚を開脚してから身体を前に倒し、左右同時にストレッチするとさらにしっかり伸ばせます!
■内転筋ストレッチが痛い方必見!おすすめのグッズも紹介
走ったり踏ん張ったりすると内転筋に痛みがある方、内転筋ストレッチをすると痛い方は、ストレッチだけではなく「ほぐす」ことも内転筋を柔軟にする一つの選択肢です!ストレッチ?ほぐし?の見極め方やほぐしにおすすめのグッズをご紹介します。
・内転筋が痛いのは肉離れかも!?
「内転筋のストレッチをしたいけれど、痛みが強くてうまく伸ばせない」という声をよく聞きます。多くの場合は、筋肉が硬くなっていてうまく伸びないためにストレッチで痛みが出るという状態ですが、ときに、筋肉を傷めていること(肉離れ)によって痛みを伴う場合があります。傷めている筋肉を無理に伸ばすのは、擦り傷をゴシゴシ擦るのと同じで、傷をますますひどくしてしまいます。ストレッチ中のピンと張ったような痛みではなく、ピキッとした鋭い嫌な痛みがある場合やストレッチを続けていても和らがない痛みがある場合は、一旦中止しましょう。
・内転筋ストレッチが痛いときは先にほぐすと◎
普段伸ばしていない筋肉をいきなりストレッチすると、思うように伸びず、痛みばかり感じてしまうことがあります。そんなときは、先に筋肉を軽くマッサージしてみてください。マッサージをすることで周囲の血流がよくなり、筋肉がほぐれて楽にストレッチができるようになります。また、入浴後やウォーキングなど有酸素運動のあとも同じように血流がよくなるため、ストレッチしやすくなります!
・どこでも使える!ストレッチポール
ポールの上に寝転がって背中や腰をほぐす、背骨を整えるという用途でよく使われているストレッチポールですが、内転筋ほぐしにも活躍します。床に置いたストレッチポールの上に内ももがあたるようにし、ゴロゴロと転がしてください。特に痛いところは硬くなっている証拠なので、ゆっくり重点的に行いましょう。
ストレッチポールについてさらに詳しく知りたい方は、ストレッチポール公式HPまで。
・ユミコアおすすめ!「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」
ストレッチ前の内転筋ほぐしにおすすめなのが、ユミコアオリジナルの「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」です。長さが短いので、室内に置いていても場所を取らず、持ち運びも簡単で、いつでもどこでもほぐせます!!
ホグッシーローラーが内ももに対して直角にあたるようにし、体重を適度にかけてころころと転がします。最初にあたると痛かったところが気持ちよく変わってきたらほぐれてきた証拠!この状態でもう一度ストレッチしてみてください!ほぐす前と後では内転筋の伸び方が全然違いますよ♪
YumiCoreBodyではホグッシーローラーの他にも、オリジナルグッズを多数提案しています!興味をもっていただけた方は公式ホームページにもまとめてあるので是非「YumiCoreBodyグッズ」をご覧ください。
■まとめ
今回は、内ももの引き締め第一歩につながる内転筋のストレッチについてご紹介しました。脚痩せ効果だけでなく、腰痛や膝痛、冷え性の改善など健康にも様々なメリットがあり女性におすすめしたいストレッチの一つです!「痛いストレッチ」と敬遠されがちですが、いろんな姿勢でできるので、ご自分が一番やりやすい方法、そして気持ちよく筋肉を伸ばせる方法を見つけてチャレンジしてみてください!
YumiCoreBodyオンラインレッスンでは、内転筋のストレッチやほぐしはもちろん、姿勢や身体のゆがみを整えるストレッチやトレーニング、外側の筋肉(アウターマッスル)をほぐして内側の筋肉(インナーマッスル)を鍛えることでボディラインを引き締め、女性がより健康的に気持ちよく生活できるようなレッスンが充実しています。おうちで好きなときに好きなだけ、全身のほぐしやストレッチ、トレーニングのレッスンをわかりやすい動画で受けていただくことができるので、家事や仕事で忙しくなかなか自分のケアに時間を取りにくい方も、気軽に始めていただくことができます。また、小さなお子様がいて通いのレッスンが難しい方、コロナ感染予防のためにジム通いを控えている方や運動不足気味の方、すきま時間で簡単にご自身の身体を整えることができます!!
まずはここから!YumiCoreBodyオンラインレッスン10月で配信している「時間がないアナタへ。とりあえずこれだけ15分×4」の様子をちょっとだけお見せしちゃいます♪すきま時間の15分でできるおすすめレッスンです!
興味のある方はこちらでその他のサンプル動画がご覧いただけます!ユミコアについても詳しくご説明していますので、是非チェックしてみてください!
投稿者プロフィール
-
Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。