更新日: 2026.4.24

産後のぽっこりお腹「もう戻らない…」と諦めていませんか?そのお腹、正しいケアで整えるための土台を作りましょう!
産後から取り組みやすいユミコア式のお腹周りのトレーニングをご紹介します。
なぜ産後も「お腹のたるみ」が戻りにくいの?

産後、体重は戻ったのに、下腹のたるみはそのまま…そんなお悩みを抱えるママは少なくありません。
妊娠・出産という大きな変化を経た女性の身体は、単に体重が増加しただけでなく、ホルモンの変化をはじめ、様々な要因によって体型が変化しています。
産後の体型戻しについて、ケアの効果を高めるためにも、まずはその原因を知っておきましょう。
原因1:出産直後も身体をゆるめるホルモン「リラキシン」が出続ける
妊娠中に卵巣や胎盤などから分泌されるリラキシンは、赤ちゃんが狭い産道を少しでも通りやすくなるように骨盤の関節や靭帯をゆるめる”出産準備ホルモン“として、骨盤まわりを中心に全身の柔軟性を高める作用を持っています。
このリラキシンの分泌量は妊娠後期にピークを迎え、出産後2、3日〜半年をかけて低下していきます。ただし、そのペースには個人差があるため、リラキシンによってゆるんだ関節や靭帯などの柔軟性が妊娠前の状態に戻るペースも人それぞれです。
リラキシンの分泌が落ち着くまでは引き締めを感じにくいことを頭に入れておき、焦らないようにしましょう。
原因2:妊娠&出産による「骨盤のゆがみ」で下腹ぽっこりに

リラキシンが分泌され、関節や靭帯がゆるんでいる間は、骨盤のゆがみも生じやすくなります。
ゆがんだ骨盤が産後にそのまま固まってしまうと、骨盤底筋(こつばんていきん)や腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)といった、下腹部の引き締めに重要なインナーマッスルをいくら鍛えても体型が整いにくくなってしまいます。
原因3:妊娠により引き伸ばされた腹筋と皮膚のゆるみ

妊娠によって大きくなる子宮とともに、腹筋も引き伸ばされてしまうため、妊娠中期以降はお腹に力が入りにくくなります。
腹筋は姿勢維持に重要な筋肉ですが、妊娠中は筋力低下に加え、お腹の重みで重心が変わり、反り腰(骨盤前傾)や猫背といった不良姿勢になりがちです。
出産後も腹筋が低下したままでいると正しい姿勢がとれず、前傾した骨盤によって下腹がぽっこりした姿勢が続いてしまいます。また、妊娠中に伸びた皮膚は筋肉よりも元に戻りにくいため、たるんだ皮膚が下腹にたまることでお腹のたるみが目立ちやすくなるのです。
原因4:妊娠&出産で引き伸ばされた骨盤底筋のゆるみ

妊娠・出産は、骨盤の底にある筋肉の集まり「骨盤底筋群」にも大きな負担をかけます。
骨盤底筋は、ハンモックのような形で子宮や膀胱、直腸などの骨盤内の臓器を支える筋肉のため、ここがゆるむと内臓が下垂しやすくなり、下腹部がぽっこりして見える原因の一つに。
また、骨盤底筋には咳やくしゃみなどの腹圧がかかった拍子に尿がもれないようにする役割もあるため、ゆるむと尿漏れや頻尿などの尿トラブルにもつながりやすくなります。
原因5:腹直筋離開によるお腹の力の入りにくさ
妊娠中にお腹が大きくなると、お腹の前面を縦に走る筋肉「腹直筋」が左右に引き離される状態が生じることがあります。これを腹直筋離開といいます。産後しばらくはお腹の中央に力が入りにくく、「お腹が抜けているような感じがする」と感じる方もいます。
腹直筋離開は多くの場合、時間とともに自然に回復していきますが、この状態のまま無理に強い腹筋運動を行うと、腹圧が高まりすぎて骨盤底筋への負担が増える場合があります。産後のお腹のケアは、まず「鍛える」より「整える」意識から始めましょう。気になる場合は産婦人科や専門家に相談することをおすすめします。
産後の「お腹のたるみ」は自然に戻るの?

たるんだお腹を、何もせずに妊娠前の状態に戻すのは難しいでしょう。しかし、いくら産後のお腹のたるみが気になっていても、何よりも大切なのは心身の回復です。
出産後の約6〜8週間は「産褥期」と呼ばれ、妊娠や出産によって変化した体が元に戻ろうとする大切な期間。この時期は無理にトレーニングを始めるのではなく、まずは十分に休息をとり、体調を整えることを最優先に過ごしましょう。
腹筋のつながりを意識するケアとは?
妊娠中は大きくなったお腹を支えるために、腹筋が長い期間引き伸ばされた状態になります。その影響で、産後しばらくは「お腹に力が入りづらい」と感じる方もいます。
そのため、いきなり強度の高い腹筋運動を行うのではなく、まずはお腹まわりの状態を確認し、呼吸や姿勢とあわせてやさしく筋肉の働きを感じることが大切です。ここでは、腹筋のつながりを意識するための基本的な考え方をみていきましょう。
妊娠中に引き伸ばされたお腹まわりの変化を知る
妊娠中は大きくなる子宮を支えるために、お腹まわりの筋肉が左右にゆっくりと引き伸ばされていきます。
特に、お腹の前面にある筋肉は中央でつながっており、妊娠中はそのつなぎ目の部分が薄く広がりやすくなります。産後しばらくは力が入りにくかったり、お腹の内側がやわらかく感じたりする方も少なくありません。
これは妊娠・出産を経た身体に起こりうる自然な変化の一つです。まずは「筋力が落ちたから戻らない」のではなく、お腹まわりの状態が変わっている可能性があると知ることが大切です。焦らずに、今の自分の身体がどのような状態にあるのかを感じ取ることから始めてみましょう。
呼吸に合わせてお腹の奥がやさしく動く感覚をつかむ
産後は、お腹に力を入れようとしても思うように働かないと感じることがあります。そんなときは、まず深い呼吸とともに、お腹の内側がやさしく動く感覚に意識を向けてみましょう。
鼻からゆっくり息を吸い、肋骨やお腹まわりがふわっと広がるのを感じます。次に、口から細く長く息を吐きながら、おへその奥がそっと内側に戻るような感覚があるかを確かめてみてください。
強く締めようとする必要はありません。呼吸に合わせて自然に反応するお腹の動きを感じ取ることが、腹筋のつながりを意識するための第一歩になります。
背中・骨盤・お腹が一緒に動く姿勢を意識する
お腹まわりの働きを感じやすくするには、腹筋だけに力を入れようとするのではなく、背中や骨盤との連動を意識することが大切です。
たとえば、座っているときに背すじをやさしく伸ばし、骨盤を起こすように整えると、お腹の奥にも自然と支えが生まれやすくなります。一方で、背中が丸まり骨盤が後ろに傾いた姿勢では、お腹まわりの感覚がつかみにくいこともあります。背中・骨盤・お腹が一体となって動く姿勢を心がけることで、日常生活の中でも無理なく体のつながりを意識しやすくなります。
出産前の体型を目指すにはケアとトレーニングが大切

産褥期を安静に過ごし、心身ともに体型を整える準備ができたら、軽い負荷のストレッチやトレーニングを始めましょう。
産後1か月〜半年ごろからお腹まわりのケアをスタート
お腹まわりのケアをスタートするのは、産褥期が終わりに近づく産後1か月〜半年ごろが目安です。
悪露(おろ)と呼ばれる血液が混じったおりものの排出が落ち着き、赤や茶褐色から黄色や白色のおりものに変わってきたタイミングで、そのほかの体調に問題がなければスタートしましょう。ただし、必ず1ヶ月健診で医師に相談・確認してから始めることを大切にしてください。
いきなり負荷の大きい運動を行うと身体が追いつきません。このあとご紹介するトレーニングを、徐々に運動量や負荷を上げていきながら行うようにしましょう。
あくまで自分のペースで”焦らず無理せず”が大切
産後のお腹のケアは、身体をゆるめるホルモン「リラキシン」の影響で骨格や骨盤を動かしやすい1か月〜半年ごろのスタートがよいとされていますが、出産を終えたお母さんの身体の状態や回復度合いは個人によって様々です。
スタートが遅くなったからといって、お腹のたるみが整わないというわけではありません。
焦りは禁物!ご自身と赤ちゃんの体調が整い、少し心の余裕ができてから始めましょう。
腰のケアにも◎「Cat&Dog」で骨盤を自在に動かす
妊娠中はお腹が大きくなることで身体の重心位置や骨盤の傾きが変化します。骨盤を正しい位置に戻すために、骨盤を自由に動かせるようになりましょう。

所用時間:1分30秒
- 四つ這いになり、肩の真下に手を、股関節の真下に膝をつきます。
- おへそをできるだけ床から離すイメージで、おへそをのぞきこむように背中から腰を丸めて骨盤を後傾させます。
- 「2」の体勢をキープしながら、背中を意識して膨らませるように5秒かけて息を吸い、次に10秒かけてゆっくりと息を吐ききります。
- 次に、背骨を一つ一つしならせるイメージで、胸から首、腰からお尻をゆっくりと反らします。このとき顔は天井へと向け、お尻を突き出しながら腰を反らすことで骨盤が前傾していることを確認してください。
- 「4」の体勢をキープしながら、首から肩、そして胸あたりに呼吸が入るイメージで息を吸い、10秒かけてゆっくりと息を吐ききります。
- 「2〜5」の動きを、ゆっくりと3〜5回繰り返します。このとき動作の中心が骨盤であることを意識しながら大きな動きを心がけましょう。
産後のお腹ケアQ&A よくある疑問に答えます
産後のお腹の変化やケアについて、よく寄せられる疑問にお答えします。
Q. 腹筋運動はいつから始めていいの?
産後すぐに強い腹圧がかかる腹筋運動を始めることは、骨盤底筋への負担が大きくなる場合があります。一般的には産後1ヶ月健診で医師から問題ないと確認できてから、軽い腹筋ケアを少しずつ取り入れていくのが目安とされています。産褥期(産後6〜8週)はまず体を休めることを最優先にしましょう。
Q. 産後にきつい腹筋運動を行うと何が起きるの?
産後は腹直筋が左右に引き離れた状態(腹直筋離開)が残っていることがあります。この状態のまま強い腹筋運動を行うと、腹圧が高まりすぎて骨盤底筋に余分な負担がかかる場合があります。腹筋の状態を確認しながら、まずは呼吸を使ったインナーマッスルのケアから段階的に始めましょう。
Q. 産後半年を過ぎてしまったけど、もうケアは遅い?
産後半年を過ぎるとリラキシンの分泌が落ち着き、骨盤が固定されやすくなりますが、その後もケアを続けることでお腹まわりを整えていくことは十分可能です。正しいトレーニングと日常の姿勢改善を地道に続けることが大切です。気になることがあれば、産婦人科や専門のトレーナーに相談しながら進めましょう。
育児中でも取り入れやすい日常の動き習慣
産後の身体を整えるうえで大切なのは、特別な運動だけではありません。実は、抱っこや授乳などの何気ない日常動作が、お腹まわりの筋肉や全身のバランスに大きく影響します。
無理にトレーニング時間を確保しなくても、立ち方や座り方、呼吸の仕方を少し意識するだけで、お腹まわりの筋肉のつながりを感じやすくなるでしょう。ここでは、育児中でも無理なく続けやすい、身体にやさしい動きのポイントを紹介します。
抱っこ中は「お腹を前に突き出さない」立ち方を意識する
赤ちゃんを抱っこすると、重さを支えようとして無意識に腰を反らせ、お腹を前に突き出す姿勢になりやすくなります。これはいわゆる「反り腰」の状態で、腰痛の原因になるだけでなく、お腹の力も入りにくくなります。
お子さんを抱っこするときは、次の3つのポイントを意識してみましょう。
・かかとだけでなく足裏全体で立つ
・お尻を締めすぎず、骨盤をまっすぐ立てる
・息を吐きながら、下腹をふわっと内側に戻す
お腹だけに力を入れるのではなく、背中やお尻も使いながら全身で支える感覚を目安にしてください。毎日の抱っこ時間を、姿勢を整える練習の時間に変えていきましょう。
授乳中は「背中を丸めすぎない」座り方を意識する
授乳中は赤ちゃんの顔をのぞき込む姿勢になりやすく、背中が大きく丸まりがちです。長時間その姿勢が続くと、首や肩、腰に負担がかかるだけでなく、お腹まわりの力も抜けやすくなります。
座りながら授乳する際は、次の3つのポイントを意識してみましょう。
・坐骨(お尻の下の骨)で座面をとらえる
・骨盤を立て、背すじをやさしく伸ばす
・赤ちゃんを胸に引き寄せ、自分が前に倒れすぎない
クッションや授乳枕を上手に使いながら、無理なく上体を起こせる環境を整えることも大切です。丸めすぎない姿勢は、体幹の安定にもつながります。
なお、横になって授乳する「添い乳」はお母さんの身体を休めるという点では有効な方法ですが、姿勢を整える意識はしづらくなります。ご自身の体調や疲れ具合に合わせて、無理のない方法を選びましょう。
呼吸を浅くしないように気をつける
育児中は抱っこや授乳で前かがみになる時間が長く、気づかないうちに呼吸が浅くなりやすいものです。浅い呼吸が続くと体が緊張しやすくなり、お腹まわりや体幹の筋肉がうまく使えなくなります。
1日の中でときどき立ち止まり、次の流れでゆっくり息を整えてみましょう。
・鼻からゆっくり息を吸う
・肋骨やお腹が広がるのを感じる
・口から細く長く息を吐く
吐く息に合わせて下腹がやさしく身体の内側へ戻る感覚があれば十分です。呼吸を整えることは、腹筋のつながりを取り戻すためだけでなく、気持ちを落ち着かせる時間にもなります。
忙しい毎日の中でも、ほんの数回の深呼吸を習慣にすることが、身体を整える土台づくりとなるでしょう。
産後のお腹引き締めに向けて日常生活で気をつけたいこと
日常生活でも姿勢改善やお腹の引き締めを意識することで、産後のぽっこりお腹により効果的にアプローチできます。日常で注意しておきたい4つのポイントをご紹介します。
抱っこや授乳中「猫背姿勢」になってない?

出産後は、赤ちゃんを抱っこしたり、授乳したりする時間がどうしても長くなります。座った状態で下腹部に赤ちゃんを乗せるような体勢での抱っこや、猫背姿勢での授乳は、下腹が出る姿勢を助長してしまい、なかなかぽっこりお腹が元に戻りにくくなります。
ストレッチやトレーニングで整えた骨盤をできるだけ維持するためにも、できる限り日頃の正しい姿勢を意識するようにしましょう。
食事はしっかりが鉄則!産後に過度の食事制限はNG

下腹の余分なお肉を早くなくしたいと思うあまり、過度な食事制限をする方もいますが、産後の食事制限には注意が必要です。
出産後の身体を回復させるためにも、また赤ちゃんへの授乳を続けるためにも、極端なカロリー制限などは避け、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
トレーニングできない時は産後用ガードルでサポート

引き締まったお腹を維持するためにも、たるんだお腹は自分の筋肉でケアしていくことが理想的ですが、忙しい育児の中で毎日トレーニングを続けるのは難しい場合もあるでしょう。
そんなときは、骨盤をサポートしてくれるガードルやベルトを着用するのもよいでしょう。ただし、ガードルなどの使用は骨盤が不安定な時期のサポートを目的としたものです。身体への締め付けが強すぎるものは避け、産後4〜6か月を目安に使用し、その後は自分の筋力でのケアを中心に移行していくことが大切です。
ストレスフリーが一番!育児も産後ケアも無理は禁物
最後に、産後の体型戻しは、あくまで心身の余裕ができてから始め、ストレスになるほど頑張りすぎないようにしましょう。
赤ちゃんのお世話は体力も気力も使ううえに、産後の身体は心身ともにデリケートです。できるだけストレスをためない生活を優先し、お腹のケアは無理のない範囲で取り組みましょう。
帝王切開後の方へ:お腹ケアを始める際の注意点
帝王切開で出産された方は、経腟分娩と比べてお腹の傷口の回復が必要なため、トレーニング開始のタイミングに特に注意が必要です。
傷口が完全に治癒するまでの間は、お腹に力が入るような動作や腹圧がかかる運動は控えましょう。一般的には産後1〜2ヶ月健診で医師から問題ないとされてから、軽い呼吸法や骨盤底筋のケアなど、傷口への負担が少ない動きからスタートするのが目安とされています。
回復のスピードや状態には個人差があります。「どのタイミングで何を始めてよいか」は必ず担当医に確認してから進めるようにしましょう。焦らず、自分のペースで丁寧にケアを重ねることが大切です。
まとめ
女性の身体は、骨格や筋肉、ホルモンバランスなど、様々な変化を経て出産を迎えます。そのため、産後の体型戻しも一般的なダイエットやトレーニングではなかなか変化を感じにくいことがあります。
ご自身の身体の状態を理解し、産褥期の休息を大切にしたうえで正しいケアを続けることが、体型を整えていくための土台づくりにつながります。焦らず、無理なく、自分のペースで進めていきましょう。
著者: 中村倫美




