腹筋に代表される体幹トレーニングは、姿勢や腰痛改善、パフォーマンス向上など様々な効果があり、女性、子供、高齢者、アスリートなど多くの方にメリットがあります。体幹部とはどこなのか?という基礎知識とともに、女性におすすめの簡単トレーニングをご紹介します。
■体幹とは?体幹トレーニングの効果もご紹介
体幹とは身体のどの部分なのか、また体幹トレーニングの主な効果についてご説明します。
・体幹とは?
「体幹」の定義は場面によってやや変わりますが、一般的には上肢、下肢、頭部、顔面を除いた身体の部位で、身体の胴体部分、頚部と胸腰部のこと(※1)を指しています。よって、「体幹を安定させる」というと胴体部分がまっすぐ保たれている状態を指します。
一方、体幹を機能面で考えるとき、「腹腔(ふくくう):内臓が入っている空間」を上方から支える「横隔膜」、背側から支える「多裂筋」、前方~側方にかけて支える「腹横筋」、下方から支える「骨盤底筋群」の4つの筋肉をまとめて「体幹」とすることもあります。体幹の機能を高めるためには、これら4つの筋肉がバランスよく機能している必要があります。
(※1)基礎運動学 第4版 中村隆一 斎藤宏 医歯薬出版株式会社より
・【効果その1】姿勢改善
猫背や反り腰といった姿勢は、体幹部の筋肉のバランスが崩れて、姿勢に偏りがでている状態です。体幹トレーニングによって体幹部の筋肉のバランスが整うと、自然に背筋がまっすぐ伸びたよい姿勢になります。
・【効果その2】腰痛予防
腹横筋は、腰痛用のコルセットと同じように肋骨下部から骨盤にかけて胴体に巻きつくような走行をしており、「自家製コルセット」の役割をしています。よって腹横筋がしっかり機能することで、腰痛予防や改善の効果が期待できます。ぎっくり腰を繰り返している方や慢性的な腰痛に悩まされている方には体幹トレーニングが特におすすめです!
・【効果その3】効率のよい動作ができる
同じ重さのものを持ち上げるとき、ぐにゃぐにゃで形が定まらないものを持ち上げるよりも固く小さいものを持ち上げる方が軽く感じるように、身体の中心である体幹部が安定すると、実際の体重が変わっていなくても自分自身の身体が軽く感じられ、身軽になります。また、手や足は体幹部からでているので、基盤となる体幹部が安定することで手足の力も安定して入りやすくなり、日常生活内の様々な動作が楽に行えるようになります。
■女性におすすめ!自宅で簡単体幹トレーニング
力強さやパワーよりもしなやかな美しさを追求したい女性におすすめの体幹トレーニングを、ユミコアオリジナルのエクササイズも含めご紹介します。
・まずは骨盤底の安定を!「膣の引き上げ」
体幹部を身体の下から支える「骨盤底筋」のユミコアオリジナルトレーニングです!
1.仰向けになり膝を立て、親指を骨盤の前の骨の内側に当てます。
2.鼻から息を吸ってお腹をパンパンに膨らませます。
3.ゆっくり息を吐きながらゆっくりと優しく膣を引き上げます。細く長く息を吐き続けていくと下腹が薄くなります。親指を当てている骨盤の前の骨の内側の筋肉がもりもりとする感覚があればOKです(お腹が硬くなっている時は正しく骨盤底筋が使えていないのでNG)。
4.5~10回繰り返し行いましょう。
・ヒップアップにも◎!「ヒップリフト」
背部のインナーマッスルである「多裂筋」を鍛えるトレーニングです。
1.仰向けに寝て両膝を立て、両足は腰幅にします。
2.息を吐きながらゆっくりとお尻を浮かせ、背骨も下から順番に浮かせていきます。
3.身体を横から見たときに、頭から膝までが一直線になる姿勢までお尻を持ち上げたら一旦動きを止め、背骨の上の方から順番にゆっくりと下ろしていきます。
4.5~10回繰り返し行いましょう。
・体幹トレーニングといえば!「プランク」
体幹をよい姿勢で安定させるトレーニングです。正しいフォームを維持するためには、全てのインナーマッスルが機能する必要があります。
1.両手は肩幅に、それぞれの肩の真下に肘、肘は90度に曲げ、左右の肘から手首が平行になるように床につきます。
2.両足は腰幅に開き、つま先だけが床につき、身体を横から見た時に肩から足首までが一直線になるように身体を浮かします。
3.呼吸を止めることなく、その姿勢が崩れないように30秒から60秒(慣れるまでは10秒から)維持します。
肩の余分な力を抜き、お尻が突き出たり腰が反った姿勢にならないように意識してください。
筋力的に姿勢の保持が難しい方は、つま先ではなく膝を床について肩から膝までが一直線になるようにすると難易度が下がります。
・トレーニングに慣れてきた方に!「バードドッグ」
体幹トレーニングに慣れてきた方は、体幹部を安定させた上で手足を動かすこのトレーニングに挑戦しましょう!
1.四つ這いで準備。鳩尾を落とさないように、上半身を床と平行にしておきます。
2.骨盤も平行にキープして、右手と左脚を伸ばします。
3.手足を遠くに伸ばしながら10〜20秒キープします。
◎目安回数
左右交互に2〜3セット
◎ポイント
呼吸を止めないようにして、手足だけでなく頭と坐骨を遠くに伸ばしながら行います。
■体幹トレーニングのポイント
体幹トレーニングをより効果的に行うためにはどのような点に注意すればよいのか、ポイントをご紹介します。
・正確なフォームで行う
体幹トレーニングは、正しいフォームで行うことがとても大切です。フォームが崩れていると使う筋肉も変わってしまい、本来鍛えたいインナーマッスルへの効果が半減してしまいます。正しいフォームをとることが難しいトレーニングは、そのメニュー自体ご自身の状態に合っていないトレーニングということなので、無理矢理進めるのではなく、呼吸を止めず肩の力を抜いても正しいフォームが維持できるトレーニングから行うようにしましょう。
・肩の余分な力を抜く
プランクやバードドッグなど力を要する体幹トレーニングでは、肩に力が入って肩が上がってしまいがちですが、そうするとアウターマッスル優位になり、インナーマッスルが働かなくなってしまいます。肩に力が入りすぎると、肩こりの原因にもなってしまうので、肩の余分な力は抜いてトレーニングをしましょう。
・呼吸を止めない
体幹トレーニング中に絶対に押さえておくべきポイントとして「呼吸」があります。トレーニング中に力を入れようとするとつい呼吸を止めて力んでしまいがちですが、そんなときは必ず身体の外側の大きな筋肉(アウターマッスル)の力が入ってしまいます。体幹トレーニングのポイントは、身体の中心にある小さな筋肉(インナーマッスル)をしっかり効かせて身体を安定させることなので、アウターマッスルに力が入らないためにも呼吸は止めず、ゆっくりとリラックスした呼吸を続けながら行って下さい。
・自重の体幹トレーニングは毎日やってもOK!
一般的に筋トレは、週に2~3回が適切、毎日やると筋肉が壊れてしまうと言われています。しかし、それはアウターマッスルのパワーアップのための激しい筋トレであり、自重の体幹トレーニングは毎日やっても問題ありません!体幹トレーニングの場合、普段使えていない筋肉を刺激してスイッチを入れることで、姿勢を安定させたり引き締めることにつながるため、毎日身体に筋肉の使い方を染み込ませる方がより効果的と言えます!三日坊主にならずしっかり継続しましょう!
■トレーニングが拡がる!体幹トレーニング用グッズをご紹介
基本的な体幹トレーニングに慣れてきた方は、トレーニンググッズを使用することで、自宅で行う体幹トレーニングの幅を拡げることができますのでご紹介します。
・手軽にレベルアップ!バランスディスク
バランスディスクは、プラスティック素材の柔らかい円盤状のツールです。不安定なバランスディスクの上に座ったり、立ったりしてバランスをとることに使います。また、プランクやバードドッグなど先にご紹介したトレーニングをバランスディスクの上に乗って行うと、ふらつきやすくなり格段に難易度が増します!
・より高度に!バランスボード
バランスボードは、バランスディスクよりも少し大きめの木製やプラスティック製のツールです。片面は平らになっており、反対の面は半球になっています。半球になっている方を床につけて平らな面の上に両足または片足で立ち、不安定な状態でエクササイズを行います。
・豊富な使い方!バランスボール
バランスボールは、直径55~75㎝のゴム製ボールです。座って足を軽く浮かしてバランスをとるだけでもかなり体幹に刺激が入ります。また、バランスボールの上に両肘をついてプランクなどの体幹トレーニングを行うこともできます。
■まとめ
今回は、体幹トレーニングの解剖学や効果についてご説明するとともに、しなやかな女性らしい美しさを目指す女性におすすめの体幹トレーニング方法をご紹介しました。女性の場合、出産や加齢によって体幹の機能が低下して、ボディラインだけでなく、失禁や骨盤臓器脱、腰痛などさまざまな変化が起こります。体幹トレーニングはそのようなトラブルを改善するだけでなく、姿勢を整え、日常生活の動き方までしなやかでスマートなものに変化させていきます!トレーニングというと、苦手意識の強い方もいると思いますが、身体の深い部分にあるインナーマッスルを意識したトレーニングなので、一般的な筋トレのようにきつくないトレーニングもたくさんあります。今回ご紹介したトレーニングをできるものから少しずつ行ってみてください!
YumiCoreBodyオンラインレッスンでは、筋肉をほぐしたり鍛えたりすることで姿勢を整えたり、身体を引き締めスタイルアップに効果的なストレッチやエクササイズ、身体のゆがみを整えて肩こりや腰痛の改善に効果のあるトレーニングなど女性がより快適に生活できるようになるレッスンが充実しています。おうちで好きなときに好きなだけ、全身のほぐしやストレッチ、トレーニングのレッスンをわかりやすい動画で受けていただくことができるので、仕事で忙しくなかなか自分のケアに時間を割けない方、小さいお子様がいて自分の時間が取りにくい方もすきま時間で簡単にご自身の身体を整えることができます!!
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投稿者プロフィール
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Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。