寝起きや朝起きたら背中が痛くて困っている、首から背中にかけて痛みがあるなど、背中の痛みの原因は個人の姿勢や負担がかかっている部位などによっても異なります。今回は背中の痛みの原因、ストレッチ法について、背中の部位別に分けて解説します。あなたの痛みの原因にあったストレッチ法を是非見つけてください。
■背中の痛みの原因、ストレッチとの関係は?
背中の痛みの原因、痛みに対してストレッチは効果があるのかについても解説しましょう。
・背中の痛みの原因は?
背中の痛みの原因の多くは筋肉のこりによる筋緊張性の痛みである可能性が高いです。例えば長時間のデスクワークやスマホの使用による慢性的な姿勢不良は背骨周囲や首、肩甲骨、肩、腰と言った背中全体の筋肉の可動性や筋緊張に悪い影響を与えます。つまり同じ前屈みの姿勢を長時間とることにより、背骨や肩甲骨が猫背のような姿勢で固まってしまい筋肉がうまく使えなくなるため、筋肉の張りを痛みとして感じてしまうのです。
・ガチガチ、コリコリの原因は筋肉の硬さにあり!
背中の痛みとして感じるガチガチ、コリコリなどの症状の多くは筋肉の張りつまり固くなっている状態と言えます。筋肉が常に緊張した状態で緩むことがないため、筋肉が固く張り詰めたように感じ、しなやかな動きができなくなります。張り詰めたようなコリコリ感や動きがしなやかにできない筋肉の張ったガチガチ感が背中の痛みとして感じられるのです。
・ストレッチは背中の痛みに効果的!
筋肉が張ったようなガチガチ、ゴリゴリした背中の痛みに効果的な対策法は筋肉のストレッチです。背中の筋肉をストレッチすることで筋肉の伸長性を回復し、血行を良くして筋肉の固さをほぐしてくれます。他にもストレッチにより筋肉の柔軟性が得られることで、関節の可動性も良くなるために姿勢不良も補正しやすくなり、姿勢不良から起こるさまざまな問題も解決することができます。つまり背中の痛みに対するストレッチは、痛みの軽減だけではなく姿勢不良も改善することが可能なのです。
■背中の痛みはどの部分?痛みの部位に関連した症状とは
背中は面積も大きく痛みの部位によっても原因やそれらに関連した症状も異なります。今回は上・中・下の3つに分けて解説しましょう。
・首に近い上部の背中の痛みはストレートネックが原因!
背中の上部、首に近い部分の痛みはストレートネックによって起こる可能性が高く、長時間のデスクワークやPC、スマホ操作が原因となっていることが多いです。本来であれは背骨の首の部分は前に凸に弯曲しているのですが、スマホの使用などでうつむき気味な姿勢が多くなると首の弯曲が少なくなり真っ直ぐになってしまう「ストレートネック」になってしまいます。ストレートネックは背骨の上部の可動性が悪くなるため首の周囲の筋肉の緊張が高くなって痛みにつながってしまうのです。
・肩甲骨周辺の痛みは巻き肩や猫背が関与
背中の真ん中部分、肩甲骨周囲の痛みにお困りの方は猫背や巻き肩といった姿勢不良が大きな影響を及ぼしている可能性があります。肩甲骨周囲の痛みは肩甲骨や肩関節、その周囲の背骨の動きが制限されることにより、筋肉もスムーズに動かなくなるため、筋肉にコリが生じます。そのコリがあると筋肉がつっぱったような痛みに感じてしまうのです。寒さが続く冬は肩をすくめるような猫背の姿勢をとる方も多いため、肩甲骨や肩周囲の痛みがさらに悪化することも多くなる時期です。
・下部の背中の痛みは腰痛や反り腰などの影響を受ける
肩甲骨の下から腰に近い部分の痛みは反り腰などの姿勢不良の影響を受けやすく、姿勢不良によっても腰痛が引き起こされるため背中の下部の痛みにも関係があります。反り腰などは腰椎の動きが制限されたり、弯曲が強くなってしまうために背中部分の筋肉や背骨についている棘筋(きょくきん)にも影響を与え、痛みを生じるのです。
■ユミコア流背中の痛みの部位別ストレッチ3選!
背中の上部、肩甲骨付近、腰に近い部分に効く選りすぐりのストレッチ法3つをご紹介しましょう!
・ユミコアオススメ!胸鎖乳突筋ストレッチ!
まずは背中の上部、首周りの部分の痛みにお困りの方におすすめしたいのが、首の前方にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のストレッチです。胸鎖乳突筋をストレッチすることにより首がスムーズに動くようになります。
【二の腕と首のストレッチ】
1.一方の手を肩の高さに上げて腕はまっすぐ伸ばしておく。
2.反対の手を側頭部に当てて、上げている手と反対方向へ倒す。
3.上げている手を後ろに引く
◎目安回数:両側10回ほど手を後ろに引く
・肩甲骨と背骨を同時にストレッチ
次に背中の真ん中部分に痛みを感じる人には肩甲骨と背骨を重点的にストレッチすると良いでしょう。肩甲骨の動きが悪くなると背中の痛みだけではなく、肩の動きを制限したり呼吸も浅くなりがちです。今回は気になる肩甲骨も背骨も同時にストレッチできる方法をご紹介しましょう。
1.正座の姿勢で座り、床に両肘をつける。この時、両肘は肩よりも少し前に出す。
2.両方の手のひらを天井に向けて肩の骨を外側にねじり、両肘をマットに固定する。
3.肘で肘の下のマットを手前に引き寄せるように、鎖骨を斜め前に押し出す。
4.手の甲をマットにつき、肘を軽く浮かせて上半身を反らせて、10秒間キープする。
◎目安:10秒ずつを2回
・寝ながら可能!縮まった背中と腰をストレッチ
最後に背中の下の方、肩甲骨の下から腰に近い部分に痛みがある方に寝ながらできるストレッチ法をご紹介しましょう。背中と腰に明確な境界はありませんが、周囲にある筋肉が固くなってしまうと前屈みの姿勢となりコアマッスルも働きにくくなりぽっこりお腹の原因にもなります。ストレッチで痛みと姿勢不良を改善していきましょう!
【背骨と肋骨をねじってストレッチ】
1.折りたたんだバスタオルを用意して頭の下に敷き、横向きに寝る。
2.上の足を前に90度、下になっている足を後ろに90度曲げ、卍のように足を曲げる。上の手で下の足のつま先を掴み、下の手で前の足の膝を掴む。
3.上の肩を後ろに倒す。その後また元の位置に戻す。
◎目安回数:5回ずつ
背中のストレッチについてもっと詳しく知りたい方は「理学療法士ママ解説!ガチガチ背中を柔らかくするストレッチ方法とは?」をご覧ください!
■背中の痛みはグッズを使ったほぐし、ストレッチを組み合わせるとさらに効果的に!
ここで、ユミコアがオススメするグッズを使った背中のほぐし、さらに組み合わせると良い効果的なストレッチについてもご紹介しましょう。
・ホグッシーボールで肩甲骨周囲をほぐそう!
自分の手が届きにくい背中のストレッチには筋膜リリースボール「Hoggsy(ホグッシー)」がおすすめです。特に深層にある肩甲骨周囲の筋肉は「Hoggsy(ホグッシー)」で筋肉をほぐして痛みに対処しましょう。「Hoggsy(ホグッシー)」を対象となる筋肉に当てて、ご自身の体重をかけて転がすことで表面の硬さの違いを利用して筋肉をマッサージする効果もあり、効果的に筋肉をほぐすことができます。肩甲骨周囲の筋肉をしっかりとほぐしておくことで背中全体のストレッチも効果的に行うことができ、また姿勢不良改善にも十分な効果を発揮してくれます。是非試してみてください!
・ユミコア流、背骨をローラーでストレッチ!
手が届きにくい背骨のストレッチはローラーを使うことで簡単に効果的に行うことができます。
・背骨のストレッチ
1.ローラーを左斜め前に縦に置き、左手は床、右手はローラーの上にチョップの形で乗せる。
2.右手と背中を遠ざけるように右の背中を丸め、右の背中を膨らませるように呼吸を入れる。
3.息を吐きながら、右手と背中を遠くに放すように背中を伸ばしていく。
4.緩めた時に背中を膨らませるように呼吸します。
◎目安回数「3.」の動きを左右3~5回繰り返しましょう。
・マッサージ機や低周波治療器などは注意して使おう
背中のように手の届きにくい面積の広い筋肉には、マッサージ機や低周波治療器といったアイテムで痛みの緩和を試みる方もいらっしゃるでしょう。マッサージ機の場合はタイプにもよりますが、筋肉に高い圧力がかかり、後日に痛みが出てしまうケースもあります。翌日にもみ返しのような痛みがある場合には、マッサージの圧などを調整されるといいでしょう。低周波治療器は筋肉を収縮させた後に起こる筋肉の緩みを得ることで張りを改善させることを目的としています。マッサージ機と同様に翌日に痛みが強い場合には強度を調節するようにしましょう。
■まとめ
背中の痛みにはその対象範囲が大きいことからその場所によってさまざまな要因と症状があります。背中の上、部首に近い部分であればストレートネック、肩や肩甲骨に近い中部であれば猫背や巻き肩、下部の腰に近い部分であれば反り腰や腰痛など姿勢不良が及ぼす影響が大きく、特に長時間のデスクワークやPC操作、スマホの使用、日頃の癖で同じ脚ばかり組んでいるなどが主な要因です。自分の背中の痛みがどのあたりなのかを理解しておくことで、それぞれにあったストレッチ方法を試してみるのが良いでしょう。背中の痛みでお困りの方は是非、自分の痛みの部位と照らし合わせて部位別のストレッチ法を試してみてください。
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投稿者プロフィール
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YumiCoreBody編集部
理学療法専門学校を卒業後、理学療法士として整形、神経内科、脳外科、心臓血管外科など様々な症例を担当する。理学療法士、呼吸療法認定士の資格を保有。