太もも裏の大きな筋肉「ハムストリングス」は腰痛や膝痛、姿勢に大きく影響する筋肉です。ストレッチ効果や期間を解説するとともに、ハムストリングスのストレッチ方法(寝ながらから立ってまで)、またユミコア式のマッサージ方法も伝授します。
■ハムストリングスって?硬い原因やチェック方法をご紹介
ハムストリングスの部位や特徴など知っておきたい基礎知識を説明するとともに、ハムストリングスが硬くなる原因や柔軟性のチェック方法も解説します。
・ハムストリングスは太もも裏の筋肉
ハムストリングスは、太ももの裏にある大きな筋肉です。座ったときに左右のお尻の下に触れる骨の突起「坐骨結節(ざこつけっせつ)」から太ももの裏を通って、膝裏に付着しています。多くの筋肉はそれぞれ一つの関節を動かす役目を持っていますが、ハムストリングスは股関節と膝関節の二つにまたがって走行しているので、膝を曲げる働きとともに、股関節を後ろに引く役割も持っています。歩いたり走ること、立ち座りの動作はどれも膝関節と股関節が連動して動くので、ハムストリングスが大切な働きをしています。
・【原因その1】ハムストリングスは姿勢が悪いと硬くなる!
ハムストリングスが付着している坐骨結節は、骨盤の骨の一部です。腰や背中が丸まって骨盤が後傾した不良姿勢になると、ハムストリングスがいつも縮まった状態になってしまいます。姿勢が悪くなるとハムストリングスが縮んで硬くなり、ハムストリングスが硬くなると骨盤が起こしにくくなって姿勢がさらに悪くなるといった悪循環に陥ってしまいます。
・【原因その2】座りっぱなしでハムストリングスがガチガチに!
ハムストリングスは太ももの裏にあるので、椅子に座ると圧迫された状態になります。長時間圧迫された筋肉は血流が悪くなって硬くなってしまいます。長時間座って過ごすことが多い方は、適度に立ち上がって体勢を変え、太もも裏のマッサージやストレッチをするとよいでしょう。
・ハムストリングスの硬さチェック!
ハムストリングスの柔軟性が十分か簡単にチェックしてみましょう!どのチェック方法も反動をつけて動くと筋肉を傷める原因になりますので、ゆっくり動くように注意してください。
【立ってチェック✓】
両足を閉じて立ち、ゆっくりと前屈します。手のひらが床に完全に付く方は、ハムストリングスの柔軟性が十分にあります。なんとか手の先が床に付く方はもう一歩、手の先が全く床に届かない方はかなり硬くなっています。
【座ってチェック✓】
両足を閉じて床の上に膝を伸ばして座ります。ゆっくり身体を前に倒し、つま先を手でしっかり掴めたら十分な柔軟性、つま先に手がなんとか届く方はもう一歩、届かない方は硬くなっています。
【寝てチェック✓】
腰が沈まない硬めのベッドまたは床の上に足を伸ばして仰向けに寝ます。膝を伸ばしたまま片足を天井に向けて持ち上げます。膝を曲げずにほぼ90度まで持ち上げることができたら、十分な柔軟性です。
■ハムストリングストレッチの効果&メリット
ハムストリングスのストレッチによって得られる様々なメリット、効果についてご説明します。
・姿勢改善
前の項でも述べたように、ハムストリングスと姿勢はとても大きな関係があります。ハムストリングスが柔らかいと骨盤が立てやすくなるので、よい姿勢をとりやすくなります。
姿勢改善については、「【理学療法士おすすめ動画も】姿勢を良くする方法を徹底解説!美しい背筋を手に入れよう!」で詳しく説明していますので、是非参考にしてください!
・腰痛&膝痛解消
ハムストリングスが硬くなると膝が伸びにくくなり、膝痛の原因になります。また、骨盤が後傾して姿勢が悪くなりやすいので、腰痛にもつながります。ハムストリングスを柔らかくしておくことでこれらのことが解消され、膝痛や腰痛の予防や改善につながります!
・肉離れの予防
ハムストリングスは走ったり、重たいものを持ち上げるなどちょっとしたことで肉離れを起こしやすい筋肉です。日頃からハムストリングスのストレッチをして、柔軟性を高めておくと肉離れの予防につながります。
・代謝アップでダイエット効果
ハムストリングスやお尻の筋肉は身体の中で大きな筋肉です。ストレッチや筋トレで大きな筋肉の血流がよくなると代謝がアップするので、痩せやすく太りにくい体質になりダイエット効果が期待できます。
■ハムストリングスのストレッチ方法
ハムストリングスのストレッチ方法はとてもたくさんあります。今回は様々な体勢でできるストレッチや、硬い方でも続けやすく、効果のあるストレッチ方法を厳選してご紹介します!
・寝ながらできる足上げストレッチ
1.仰向けになり、片足の裏にフェイスタオルを引っかけて足を上げます。
2.上げた方の膝をゆっくり伸ばせるところまで伸ばし、太ももの裏に伸張感が出たらそのまま20秒程度静止します。
3.上げた足をゆっくり下ろし、左右を入れ替えて同じように反対の足もストレッチします。
・座ってゆっくりストレッチ
1.床の上にあぐらをかくように座り、片方の足を前に投げ出すように膝を伸ばします。
2.一度腰を伸ばしてから前方にゆっくり身体を倒します。
3.持てる方はつま先を、難しい方は足首などを持ち、伸ばした足の太ももの裏に伸張感が出たらそのまま20秒程度静止します。
4.ゆっくり身体を起こし、左右を入れ替えて同じように反対の足もストレッチします。
・立ったままできるジャックナイフストレッチ
1.しゃがんで両手で左右の足首を持ちます。
2.足首を持ち、太ももに胸をつけたままゆっくりと立ち上がり、膝を伸ばしていきます。
3.これ以上膝が伸ばせないと感じるところまできたら5秒キープし、またしゃがみます。
4.「2.」、「3.」の動きを5回繰り返します。
・ストレッチが痛いときはほぐしから始めるのも◎
ストレッチが痛くて続かない方に、YumiCoreBodyオリジナルアイテム「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」を使用した筋肉ほぐしをご紹介します。
1.片足を伸ばしてお尻の骨を横向きにセットしたローラーに乗せて座ります。
2.お尻を後ろにずらしてお尻の骨の前にローラーを当てます。
3.太ももの付け根から上半身を前に倒していきます。この時背中が丸まらないように注意しましょう。
4.両手を横について息を吸って吐きながら、さらに上半身を前に倒していきます。
5.この体勢をキープしたまま、足の付け根から内側・外側に2~3回ほど回します。
6.足を正面に戻したらお尻を後ろに移動させお尻よりも下側にローラーをあて「3.」~「5.」の動きを繰り返します。
7.反対の足も同様に行いましょう。
今回ほぐしに使用している「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」は、筋肉ほぐしに単品で使用するほか、両側に筋膜リリースボール「Hoggsy(ホグッシー)」をぴったりとはめこむ部分があり、あわせてお使いいただく事によって、より負荷をかけ深い部分の筋膜リリースがしやすくなります。是非お試しください!
ハムストリングスのストレッチ方法については、「硬いハムストリングスをお家でほぐそう!効果的なストレッチを理学療法士が解説します!」でもご紹介しています。是非ご覧ください!
■ハムストリングスストレッチで効果を出すポイント
ハムストリングスのストレッチをより効果的に行うために注意したいポイントや、ストレッチを行うタイミングなどをご紹介します。
・ストレッチは入浴後がおすすめ!
入浴後は、筋肉が温まって血流がよくなっているため、いつもよりも伸びやすい状態になっています。ストレッチは痛い、うまくできないから苦手という方は特に入浴後に行うと伸ばしやすい上に痛みを感じにくく、長続きするかもしれません!
・「痛い」はNG!痛気持ちいいポジションが◎!
ストレッチは痛くても我慢して伸ばさないと効果がないと思われがちですが、大きな間違いです!痛みがあると、筋肉は自分を守るために力が入ってしまい、しっかりストレッチすることができません。ストレッチは痛気持ちいい程度のポジションで止めるようにし、決して無理をしないようにしましょう。
・反動はつけず20秒はキープ
伸ばしにくい筋肉を伸ばすとき、どうしても反動をつけてしっかり伸ばしたいと思いがちですが、反動をつける動きでは一瞬筋肉が伸びるだけで、本来の伸張性は得られていないのでNGです。ストレッチを行うときは、呼吸をしながら20秒程度はストレッチの姿勢をキープするようにしましょう。
・毎日できずともとにかく続ける!
ストレッチの効果は、何日も持続するわけではなく、一晩寝て起きたらまた元に戻ってしまいます。しかし、それを何日も続けているうちに、徐々に長期的な効果が見られるようになってきます。ストレッチのような地道なケアは、三日坊主になってしまう方が多いですが、毎日でなくても、長期間続けてコツコツと行うことが大切です。忘れてしまう日があってもあきらめず、続けるようにしましょう。
■まとめ
今回は、姿勢や腰痛に大きく関与するハムストリングスについてストレッチの効果や方法、ポイントをご紹介しました。腰痛や膝痛の予防だけでなく姿勢改善のためにもとても効果があり、健康や美容のためには必ず伸ばしておくべき筋肉です。ストレッチ中の痛みが苦手で続かない方が多いストレッチの一つでもありますが、いろんな姿勢でできるので、ご自分が一番やりやすい方法、そして気持ちよく筋肉を伸ばせる方法を見つけて継続しましょう!
YumiCoreBodyオンラインレッスンでは、姿勢改善やスタイルアップに効果的なストレッチやエクササイズ、身体のゆがみを整えて肩こりや腰痛の改善に効果のあるトレーニング、筋肉をほぐしたり鍛えたりすることで身体を引き締め健康的に気持ちよく生活するためのレッスンが充実しています。
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投稿者プロフィール
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Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。