【理学療法士が解説】更年期などによる生理不順に骨盤周囲の血流改善が効果的!ストレッチやほぐしで体を整えよう!

生理不順とはストレスや女性特有の病気、過度なダイエットにより、月経周期が乱れることを指します。高校生などの比較的若い年齢に起こると思われがちですが、中高年の閉経前の女性にも起こり、さまざまな症状をもたらします。今回は生理不順について解説していくことにしましょう。

■生理不順とは?

生理不順とは?生理不順は月経の周期が乱れることを言います。まずは生理とはどんなものか、生理の周期は通常どのくらいなのか、生理不順の定義などについてお話ししていくことにしましょう。

・生理とは排卵のプロセス、受精の準備を身体がしているということ

女性の体は卵巣から定期的に卵子を排出し、子宮内がいつでも受精卵を受け入れられる、つまり妊娠できるように子宮の膜を厚くして準備します。しかし、その期間に妊娠しないとその膜を体の外に排除します。これが生理(月経)です。つまり生理があるということは、女性の体がいつでも妊娠に備えて準備を繰り返しているということになります。

・通常の生理周期はどのぐらい?

通常の生理周期は25−38日と人により個体差がありますが、大体1ヶ月周期のサイクルを繰り返します。毎回一定でなくても6日以内の前後は誤差範囲と言われています。生理周期には生理後から排卵までをプロゲステロン(黄体ホルモン)、排卵から生理までをエストロゲン(卵巣ホルモン)という2つの女性ホルモンの分泌が関わっています。これらの女性ホルモンは脳からの指令により排出されており、女性ホルモンをコントロールする脳や、脳からの指示を受けて作用する卵巣や子宮などの女性器に何らかの異常があると正常に生理が起こらないこともあります。

・生理不順とは?どんなこと?

生理不順は規則的に生理が来ないこと、またはその持続期間により判断されます。

✔️25−38日の周期より外れる場合

✔️変動周期が6日以上の場合

✔️持続期間が3−5日より長い、もしくは短い場合

このうち1つでも当てはまる場合には生理不順と呼びます。もちろん生理がこない、月により生理周期にばらつきがある、周期が乱れている場合も生理不順と呼ばれます。

 

■生理不順の原因、起こりやすい年代

生理不順の原因、年代

生理不順が起こる原因はさまざまですが、生活習慣やダイエットなど個人の生活によって起こるもの、病気が引き起こすもの、年齢による閉経により起こり得るものなどがあります。

・ホルモンバランスの乱れが原因!ストレスや過度なダイエットに注意!

生理不順の原因としてよく挙げられるものに、ストレスと過度のダイエットがあります。これら2つはホルモンバランスを崩させ、生理周期に影響を与えます。

【ストレス】

生理に関連するプロゲステロンとエストロゲンの2つの女性ホルモンは、脳の視床下部(ししょうかぶ)と呼ばれる部分から卵巣を刺激するホルモンを出し、その刺激により卵巣から放出されます。この視床下部にはさまざまなホルモンに関わる司令塔のような場所で、人間がストレスを感じると興奮を落ち着かせるように自律神経に作用するホルモンを分泌したり、ストレスを処理しようと身体の中の臓器の働きを抑制するように働きます。そのため、ストレスを感じると刺激される視床下部から、女性ホルモンの分泌を抑えるように指令が出され生理不順になります。ストレス解消法などを見つけて対処しましょう!

【過度のダイエット】

無理な食事制限によるダイエットや一時的に著しく体重が減少する過度なダイエットは、卵巣へ届けられるべき栄養が不十分となり、生理が止まってしまうことがあります。また体重が著しく減ってしまうと、脳がホルモンの排出をしないほうがいいと判断して女性ホルモンの分泌を停止してしまい、生理が止まってしまうこともあります。過度のダイエットで体重の減りが著しく生理不順となった場合には、かかりつけ医や産婦人科医に相談されることをお勧めします。また過度なダイエットはしないようにしましょう。

・こんな症状もあるなら注意!病気による生理不順は医師に相談

まず生理がなくなってしまう原因の1つは妊娠です。これはもちろん病気ではなく、女性の体が準備をしてきた結果が実を結んだことですね!しかし妊娠の覚えがなく、生理不順が起こった場合には子宮や卵巣などの生殖器に何らかの障害や病気がある可能性があります。甲状腺の病気である甲状腺機能低下症では、甲状腺のホルモンを分泌するために脳からの刺激で甲状腺ホルモンを出すように刺激されます。その甲状腺ホルモンは妊娠中に母乳の分泌を刺激するホルモンでもあり、身体が妊娠していると認識してしまうために生理が起こるのに必要な女性ホルモンの分泌を抑え生理不順になってしまうと言われています。生理不順の他に、高体温、脈が早い、疲れやすい、暑い、情緒不安定など甲状腺の機能障害の兆候があれば、かかりつけ医に相談されることをお勧めいたします。

若い人だけじゃない!更年期でも生理不順は起こる!

もう一つ、初潮から間もない頃や閉経が近づくにつれて生理不順となることがあります。初潮が始まって3年以内の若い世代では生理不順が起こってもおかしくありませんが、20歳ごろより安定します。また女性は35歳ぐらいから卵巣の機能が徐々に低下し、更年期と呼ばれる40歳前後より、生理不順になったり、経血が減少することがあります。55歳までにはほとんどの女性は閉経を迎え、生理がなくなります。

 

■生理不順に伴う症状

生理不順 症状

生理不順があるとどのような症状を伴うのでしょうか?

・妊娠しにくいって本当?!

生理不順は女性ホルモンの働きが乱れていることが疑われる症状です。女性の体内で起こっている2つの女性ホルモンの働く過程のどの部分に障害があっても妊娠する事ができません。そのため、生理不順の場合には、女性の体内での変化に何らかの異常や障害があり、妊娠しにくくなります。

また妊娠しなかった場合には、子宮内の粘膜は排出されますが、その過程に障害があると子宮内の粘膜は厚くなって、妊娠しにくいだけではなくがんの原因となることがあります。そのため生理不順は女性の生殖機能と共に身体的にも重要な問題なのです。

・女性ホルモン不足により、情緒が不安定になったりむくみや肌荒れの原因にも

女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンがきちんと働くための指令を出している脳の視床下部(ししょうかぶ)と呼ばれるところからは、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンなどのコントロールも司っているため、女性ホルモンのバランスが乱れると同じ場所から刺激を受けるセロトニンの作用不足により情緒が不安定になるのではないかと言われています。

また、女性ホルモンエストロゲンはお肌の調子を整える作用がありますが、生理不順の場合には女性ホルモンが乱れるため肌が荒れる場合もあります。また同様にホルモンバランスの乱れから自律神経の働きにも影響を与え、むくみが生じることもあります。

・40代の女性なら更年期の症状も!

生理不順は閉経間近の女性にも起こりやすく、個人により差はありますが大体45歳前後から更年期障害が起こると言われています。その少し前より、閉経に向けて生理の周期が乱れたり、経血が少なくなって月経期間が短くなったりと生理不順となります。更年期障害の症状としては、肩こり、頭痛、のぼせ、腰痛、不眠、多汗、情緒不安定、動悸、めまいがあり、生理不順と共に現れることがあります。症状がひどい場合には、かかりつけ医や産婦人科医に相談してください。

 

■生理不順の改善法

生理不順 改善法

では生理不順を改善するには、何をすればいいのでしょうか?

・ストレス解消と規則正しい生活が大切!

先ほども話したように、ストレスは生理不順の大敵です。ストレスが溜まると脳内にもその情報が伝達されて、女性ホルモンの分泌をコントロールする脳の部分に伝わります。女性ホルモンの分泌が抑制されると、体が妊娠の準備ができなくなるため、生理も止まってしまったり乱れたりして生理不順となります。

また生活習慣の乱れはストレスや体調不良を引き起こし、ホルモンバランスを崩す原因にもなります。過度のダイエットは先にもお話ししたように生理不順の大きな原因の一つです。食生活の見直し、規則正しい生活を送る、十分な睡眠をとるなど生活習慣にも気をつけましょう!

・生理不順には骨盤の歪みを整え、子宮内の血流を改善させよう!

生理不順を引き起こす女性ホルモンのバランスの乱れは、ストレスなどが脳に働きかけるだけではなく、脳からの指令を受ける卵巣も連携しているため、子宮や卵巣の状態も整えることも生理不順を改善させることがあります。

例えば骨盤の歪みにより骨盤周囲の筋肉が凝り固まってしまうと、子宮や卵巣に十分な血液が送れず女性ホルモンの分泌にも影響をもたらす可能性があります。また冷えなども血流低下の原因になりますので、骨盤の歪みを整えたり、軽く運動することで生理不順が改善することもありますので、心当たりのある方は是非試してみてください!

ほぐし セットポジション

1.仰向けになり仙骨の左側にボールをセット。

仙腸関節 ほぐし

2.左足を胸に引き寄せ上下に揺れる。

3.次に股関節を外に捻る、戻すを繰り返す。

◎目安時間:30秒から1分

◎ターゲット:仙腸関節

◎ポイント:骨盤がぐらぐらしないようにこていしながら股関節を動かす。

・投薬や漢方薬なども◎

生理不順にはさまざまな原因がありますが、ホルモンバランスの乱れはピルの投与やホルモン療法などの薬物療法も効果があります。長期にわたる無月経や月経困難症を伴っている場合、妊娠などを希望している、他にも何らかの婦人科疾患が疑わしい場合には、産婦人科医の診察を受けることをお勧めします。

更年期障害も疑わしい場合には、漢方薬が生理不順と伴う更年期症状をやわらげてくれることがあります。かかりつけの医師や薬剤師さんに相談して服用するようにしましょう。

 

■まとめ

生理不順は女性の生殖機能に関わる症状ですが、肌荒れや情緒不安定など身体的にも精神的にも女性を悩ませるものです。特に生理は女性の体が妊娠に備えて準備をしているという印であるため、生理周期が乱れると妊娠の希望がある人にとっては大きな心配となるでしょう。

生理不順は過度なダイエットやストレスが大きな原因となりますが、他にも更年期障害や甲状腺疾患でも起こります。また卵巣や子宮、骨盤周囲の筋肉の血流が悪くなってしまっても女性ホルモンの分泌がうまくいかないこともあります。

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