広背筋を鍛えると、姿勢改善や腰痛予防、背中の引き締めなど様々なメリットがあります。引き締まった美しい背中を手に入れたい女性におすすめの自宅でできる広背筋トレーニング方法とストレッチ方法を併せてご紹介します。
■広背筋とは?鍛えるメリットもご紹介
まずは、広背筋についての基礎知識と広背筋のトレーニングを行うメリットについてご紹介します。
・「広背筋」は最強の背筋
広背筋は、一般的に「背筋」と総称される背中から腰にかけてあるたくさんの筋肉の中で最も広い面積を占める筋肉です。重たいものを持ち上げるときなどに、大きな筋力を発揮します。
広背筋がどこからどこまで走行しているのか(起始、停止)、またどんな働きがあるのかを専門用語も含め、詳しく説明すると以下のようになります。
【起始】第6胸椎~第5腰椎の棘突起(体表から触れることのできる背中中央に並ぶ突起)、下部肋骨、腸骨稜(お尻上方で、骨盤の骨の上縁)、肩甲骨下角
【停止】上腕骨小結節稜(肩関節の前面)
【働き】肩関節の伸展(腕を後ろに引く)、内転(横に広げた腕を体側につける)、内旋(腕を内側に捻る)
・【メリット1】姿勢改善
広背筋のトレーニングを行うと、自然と背筋が伸びて胸の張れたよい姿勢になります。腰や背中が丸まった円背、巻き肩といった不良姿勢を修正することができます。
・【メリット2】肩こり・腰痛予防
広背筋をトレーニングすることで背筋が伸びて姿勢が改善されるため、不良姿勢が原因で起こる肩こりや腰痛の予防にもつながります。広背筋がしっかり背骨を支えることで、重たいものを持った時に起こりがちな「ぎっくり腰」も予防することができます。
・【メリット3】代謝アップでダイエット効果
広背筋は、大きな面積を占める筋肉です。大きな筋肉をトレーニングすることで周囲の血流が促され、代謝がアップします。また、筋肉量が増えると基礎代謝(安静にしていて消費されるエネルギー)もアップするので、太りにくい体質になり、ダイエット効果につながります。
■【美しくなりたい女性おすすめ】自宅で簡単!広背筋の鍛え方
広背筋のトレーニングは、チューブやダンベル、マシンを使ったハードなものがたくさんありますが、今回は、筋肥大やパワーアップよりも姿勢修正や背中引き締めで美しくなりたい女性向けの広背筋トレーニングをピックアップしてご紹介します!
・初心者はここから!タオルで「ラットプルダウン」
1.フェイスタオルの両端をそれぞれの手で持ちます。
2.背筋を伸ばしながらバンザイをします。
3.バンザイからタオルを頭の後ろに下ろし、胸を張ります。
4.「2.」と「3.」を10回繰り返し行います。
※腕や肩よりも肩甲骨を動かす意識を持つことがポイントです。
・器具なしでOK!「バックエクステンション」
1.うつ伏せになり、頭の後ろに両手を組みます。
2.足や骨盤は床につけたまま、反動をつけずにゆっくり上半身を浮かせて下ろします。
3.「2.」を10~15回繰り返します。
※腰痛のある方は無理をしないように注意して行って下さい。
・自重ならこれ!「リバースプランク」
1.床に足を伸ばして座り、肩の真下に両手をつきます。
2.両手と踵だけで身体を支え、ゆっくりとお尻を持ち上げます。
3.足から頭が一直線になるところまで持ち上げたらその姿勢を30秒間キープして、ゆっくりお尻を下ろします。このとき、目線は天井を見たままにしましょう。
4.できる方は、「2.」と「3.」を3セット行います。
※姿勢の維持が難しい方は、呼吸を止めずに正しい姿勢を維持できる時間内で行うようにしてください。
・チューブで簡単!「チューブローイング」
1.床に足を伸ばして座り、トレーニング用のゴムチューブを両足の裏に引っかけて、両端をそれぞれ手で持ちます。
2.骨盤を起こして上半身を床と直角にしたら脇をしめ、上半身の位置をキープしたままでチューブを引きます。
3.手が脇腹にくるところまでチューブを引いたら、ゆっくり元の位置に戻します。
4.「2.」と「3.」を10~15回繰り返します。
※身体が硬く、膝を伸ばして直角に座ることが難しい方は、軽く膝を曲げてもかまいません。
■広背筋トレーニングのポイント
広背筋のトレーニングをより効果的にするために、トレーニング中に押さえておくべきポイントを解説します。
・ゆっくり正しいフォームで行う
広背筋のトレーニングは体幹部(胴体部分)を固定して肩や腕を動かすトレーニングが多くあります。トレーニング中に背中や腰が丸まっていたり、ぐらぐら動いて不安定な状態だと、広背筋にきちんと刺激が入らず、腕や肩の筋肉を代用して動かしてしまうことがあります。また、動く範囲が中途半端になってしまうと広背筋への刺激が十分に入りません。トレーニングは、正しいフォームでゆっくり大きく、最終域までしっかり動くようにしましょう。
・肩や腕の力を入れすぎず背中を意識する
広背筋のトレーニングは、肩や腕の動きを伴うため、肩や腕の筋肉を使って動かしてしまいがちです。それでは、広背筋の働きが不十分になり肩や腕の筋トレになってしまうので、肩や腕の力は入れすぎず、広背筋である背中の筋肉を動かしている意識をしっかり持ちましょう。どこの筋肉を使っているかを意識してトレーニングすることで、より効果を高めることができます。
・呼吸を止めない
トレーニング中は力を入れようとするとつい呼吸を止めて力んでしまいがちですが、そうすると必ず身体の外側の大きな筋肉(アウターマッスル)の力が入ってしまいます。体幹トレーニングのポイントは、身体の中心にある小さな筋肉(インナーマッスル)をしっかり効かせて身体を安定させることなので、アウターマッスルに力が入らないためにも呼吸は止めず、ゆっくりとリラックスした呼吸を続けながら行って下さい。
・筋トレ前後はストレッチを!
広背筋トレーニングでは、普段使っていないような方法で筋肉を刺激するため、トレーニング後に筋肉痛になることがあります。また、広背筋は腰痛の原因にもなり得る筋肉なので、準備運動や整理運動なくトレーニングを行うと、腰痛を引き起こしてしまう可能性もあります。広背筋のトレーニング前後は、入念に広背筋のストレッチを行い、ケガや疲労蓄積の予防に努めましょう。広背筋のストレッチ方法についてはこの後ご紹介します!
■腰痛予防にもおすすめ!広背筋ストレッチのやり方
広背筋トレーニングを行う際は、ストレッチも同時に行うと、より効果的にしなやかな筋肉を手に入れることができます。ストレッチを行うべき理由とともに、おすすめのストレッチ方法をご紹介します。
・ストレッチで筋トレ中のケガを予防!
トレーニング中は、筋肉を繰り返し伸縮させます。筋肉が硬く、伸び縮みしにくいと、トレーニング中に肉離れなどのケガをしたり、トレーニング後に筋肉痛になりやすくなってしまいます。筋トレ前後にしっかりストレッチをしておくことで、周囲の血流を促して伸び縮みしやすい筋肉にしたり、疲労物質の代謝を促すので、ケガや筋肉痛の予防につながります。
・しなやかな筋肉を作るためにはトレーニング&ストレッチが◎
トレーニングによってしっかり力を発揮し、機能する筋肉を作ることも大切ですが、日常生活の動作では、力が入るだけでなく、必要に応じてしなやかに伸びる筋肉であることもとても大切です。トレーニングとともに日頃からしっかりとストレッチを行うことで、思い通りのしなやかな動きを作り上げることができるようになります。
・いつでもできる!座ったままストレッチ
1.ローラーを左斜め前に縦に置き、左手は床、右手はローラーの上にチョップの形で乗せる。
2.右手と背中を遠ざけるように右の背中を丸め、右の背中を膨らませるように呼吸を入れる。
3.息を吐きながら、右手と背中を遠くに放すように背中を伸ばしていく。
4.緩めた時に背中を膨らませるように呼吸します。
◎目安回数「3.」の動きを左右3~5回繰り返しましょう。
・しっかり伸ばしたい方は!床に伏せてストレッチ
1.四つ這いになり、お尻は後ろに引き、両手は床につけたまま前に遠く伸ばすようにします。
2.胸を床に近づけるようにし、脇腹から背中にかけて伸張感を感じたらそのまま15~20秒姿勢を保持します。
3.さらに両手を右斜め前にずらしていって左脇腹、左斜め前にずらして右脇腹と片方ずつしっかりストレッチし、それぞれ15~20秒ずつ伸ばしましょう。
他にも、広背筋ストレッチの方法を「痛みが出る広背筋のストレッチや筋トレはNG!おうちで簡単にできるほぐしとトレーニングを動画付きでご紹介!」でご紹介しています。是非ご覧ください!
■まとめ
今回は、背中の大きな面積を占める「広背筋」について、トレーニングを行うメリットやおすすめのトレーニング方法、ストレッチ方法をご紹介しました。広背筋は、男性らしい逆三角形の背中を作るために必要な筋肉ですが、女性らしい引き締まった背中になるためにも必要です。ただし、トレーニングは一般的なキツい筋トレとは異なり、今回ご紹介したような軽い負荷で大きく筋肉を動かして刺激を入れるというものになりますので、トレーニングに慣れていない女性でも気持ちよく続けられると思います。
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投稿者プロフィール
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Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。