更新日: 2025.9.17

産後のぽっこりお腹「もう戻らない...」と諦めていませんか?そのお腹、正しいケアで戻るための土台を作りましょう!
産後から始められるユミコア式のお腹周りのトレーニングをご紹介します。
なぜ産後も「お腹のたるみ」が戻らないの?

産後、体重は戻ったのに、下腹のたるみはそのまま…そんなお悩みを抱えるママは少なくありません。
妊娠・出産という大きな変化を経た女性の身体は、単に体重が増加しただけでなく、ホルモンの変化をはじめ、様々な要因によって体型が変化しています。
産後の体型戻しについて、トレーニングの効果を高めるためにも、まずはその原因を知っておきましょう。
原因1:出産直後も身体をゆるめるホルモン「リラキシン」が出続ける
妊娠中に卵巣や胎盤などから分泌されるリラキシンは、赤ちゃんが狭い産道を少しでも通りやすくなるように骨盤の関節や靭帯をゆるめる“出産準備ホルモン”として、骨盤まわりを中心に、全身の柔軟性を高める作用を持っています。
このリラキシンの分泌量は、妊娠後期にピークを迎え、出産後2、3日〜半年をかけて低下していきます。ただし、そのペースには個人差があるため、リラキシンによってゆるんだ関節や靭帯などの柔軟性が妊娠前の状態に戻るペースも人それぞれです。
リラキシンの分泌が落ち着くまでは引き締めは難しいことを頭に入れておき、焦らないようにしましょう。
原因2:妊娠&出産による「骨盤のゆがみ」で下腹ぽっこりに

リラキシンが分泌され、関節や靭帯がゆるんでいる間は、骨盤のゆがみも生じやすくなります。
ゆがんだ骨盤が、産後にそのまま固まってしまうと、骨盤底筋(こつばんていきん)や腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)といった、下腹部の引き締めに重要なインナーマッスルをいくら鍛えても産前の体型には戻りにくくなってしまいます。
原因3:妊娠により弱くなった腹筋と伸びたお腹の皮膚

妊娠によって大きくなる子宮とともに、腹筋も引き伸ばされてしまうため、妊娠中期以降は、お腹に力が入りにくくなります。
腹筋は姿勢維持に重要な筋肉ですが、妊娠中は筋力低下に加え、お腹の重みで重心が変わり、反り腰(骨盤前傾)や猫背といった不良姿勢になりがちです。
出産後も腹筋が低下したままでいると、正しい姿勢がとれず、前傾した骨盤によって下腹がぽっこりした姿勢が続いてしまいます。また、妊娠中に伸びた皮膚は、筋肉よりも元に戻りにくいため、たるんだ皮膚が下腹にたまることでお腹のたるみが目立ちやすくなるのです。
原因4:妊娠&出産で引き伸ばされた骨盤底筋のゆるみ

妊娠・出産は、骨盤の底にある筋肉の集まり「骨盤底筋群」にも大きな負担をかけます。
骨盤底筋は、ハンモックのような形で子宮や膀胱、直腸などの骨盤内の臓器を支える筋肉のため、ここがゆるむと内臓が下垂しやすくなり、下腹部がぽっこりして見える原因の一つに。
また、骨盤底筋には、咳やくしゃみなどの腹圧がかかった拍子に尿がもれないようにする役割もあるため、ゆるむと尿漏れや頻尿などの尿トラブルにもつながります。
産後の「お腹のたるみ」は自然に戻るの?

たるんだお腹を、何もせずに妊娠前の状態に戻すのは難しいでしょう。しかし、いくら産後のお腹のたるみが気になっていても、何よりも大切なのは心身の回復です。
出産後の約6〜8週間は「産褥期」と呼ばれ、妊娠や出産によって変化した体が元に戻ろうとする大切な期間。産後のたるんだお腹を引き締めるには、個人にあった産後ケアが必要ですが、この時期は、無理にトレーニングを始めるのではなく、まずは十分に休息をとり、体調を整えることを最優先に過ごしましょう。
出産前の体型を目指すにはトレーニングが必須

産褥期を安静に過ごし、心身ともに体型を戻す準備ができたら、軽い負荷のストレッチやトレーニングを始めましょう。
産後1か月~半年がすぎたら産後のたるみ引き締め運動をスタート!
お腹引き締めをスタートするのは、産褥期が終わりに近づく産後1か月~半年ごろがおすすめです。
悪露(おろ)と呼ばれる、血液が混じったおりものの排出が落ち着き、赤や茶褐色から黄色や白色のおりものに変わってきたタイミングで、そのほかの体調に問題がなければスタートしましょう。
ただし、いきなり負荷の大きい運動を行うと身体が追いつきません。このあとご紹介するトレーニングを、徐々に運動量や負荷を上げていきながら行うようにしましょう。
あくまで自分のペースで“焦らず無理せず”が大切
産後のお腹の引き締めは、身体をゆるめるホルモン「リラキシン」の影響で骨格や骨盤を動かしやすい1か月~半年ごろのスタートがよいとされていますが、出産を終えたお母さんの身体の状態や回復度合いは個人によって様々です。
スタートが遅くなったからといって、お腹のたるみが戻らないというわけではありません。
焦りは禁物!ご自身と赤ちゃんの体調が整い、少し心の余裕ができてから始めましょう。
腰のケアにも◎「Cat&Dog」で骨盤を自在に動かす
妊娠中はお腹が大きくなることで身体の重心位置や骨盤の傾きが変化します。骨盤を正しい位置に戻すために、骨盤を自由に動かせるようになりましょう。

所用時間:1分30秒
- 四つ這いになり、肩の真下に手を、股関節の真下に膝をつきます。
- おへそをできるだけ床から離すイメージで、おへそをのぞきこむように背中から腰を丸めて骨盤を後傾させます。
- 「2」の体勢をキープしながら、背中を意識して膨らませるように5秒かけて息を吸い、次に10秒かけてゆっくりと息を吐ききります。
- 次に、背骨を一つ一つしならせるイメージで、胸から首、腰からお尻をゆっくりと反らします。このとき顔は天井へと向け、お尻を突き出しながら腰を反らすことで骨盤が前傾していることを確認してください。
- 「4」の体勢をキープしながら、首から肩、そして胸あたりに呼吸が入るイメージで息を吸い、10秒かけてゆっくりと息を吐ききります。
- 「2〜5」の動きを、ゆっくりと3〜5回繰り返します。このとき動作の中心が骨盤であることを意識しながら大きな動きを心がけましょう。
産後のお腹引き締めに向けて日常生活で気をつけたいこと
日常生活でも姿勢改善やお腹の引き締めを意識することで、産後のぽっこりお腹を、より早く引き締めることができます。日常で注意しておきたい4つのポイントをご紹介します。
抱っこや授乳中「猫背姿勢」になってない?

出産後は、赤ちゃんを抱っこしたり、授乳したりする時間がどうしても長くなります。このときに、座った状態で下腹部に赤ちゃんを乗せるような体制で抱っこしたり、猫背姿勢での授乳は、下腹が出る姿勢を助長してしまい、なかなかぽっこりお腹が元に戻りません。
トレーニングやストレッチで整えた骨盤をできるだけ維持するためにも、できる限り日頃の正しい姿勢を意識するようにしましょう。
食事はしっかりが鉄則!産後に過度の食事制限はNG

下腹の余分なお肉を早くなくしたいと思うあまり、過度な食事制限をする方もいますが、産後の食事制限には注意が必要です。
出産後の身体を回復させるためにも、赤ちゃんに栄養豊富な母乳をあげるためにも、極端なカロリー制限などは避け、栄養バランスのよい食事をするようにしましょう。
トレーニングできない時は産後用ガードルでサポート

引き締まったお腹を維持するためにも、たるんだお腹は自分の筋肉で引き締めることが理想的ですが、忙しい育児の中で毎日トレーニングを続けるのは難しい場合もあるでしょう。
そんなときは、着用している間、骨盤を正しい位置でしっかり締めてくれるガードルやベルトを着用するのもよいでしょう。ただし、ガードルなどの使用は、あくまで産後の骨盤が不安定な期間に、骨盤がゆるんだ状態のまま固まることを予防するためのものとして、産後4〜6か月までの使用にとどめておくのがおすすめです。
ストレスフリーが一番!育児も産後ダイエットも無理は禁物
最後に、産後の体型戻しは、あくまで心身の余裕ができてから始め、ストレスになるほど頑張りすぎないようにしましょう。
赤ちゃんのお世話は体力も気力も使ううえに、産後の身体は心身共にデリケートです。できるだけストレスをためない生活を優先し、お腹の引き締めは無理のない範囲で取り組みましょう。
まとめ
女性の身体は、骨格や筋肉、ホルモンバランスなど、様々な変化を経て出産を迎えます。そのため、産後の体型戻しも一般的なダイエットやトレーニングではなかなか効果が得られません。
それでも、ご自身の身体を理解し、正しいトレーニングを続けることで、妊娠前の体型を目指すための土台作りができます!
著者: 中村倫美