更新日: 2025.9.19
基礎代謝を上げると、健康的な生活習慣のサポートになったり、太りにくさを意識した身体づくりの補助となったり、女性の健康や美容にたくさんのメリットがあります。筋トレやストレッチなどの運動、食事の工夫など、基礎代謝を維持するために役立つとされる生活習慣や方法をご紹介します。
■基礎代謝とは?

基礎代謝とは何か、その他の代謝と比較しながら解説し、基礎代謝の算出方法についてもご説明します。
・基礎代謝とは
人間の身体は、「基礎代謝」、「活動代謝」、「食事誘発性熱産生」の3種類の代謝を行っています。
【基礎代謝】
私たちの身体は、横になって安静にしていても、呼吸や心臓の動きだけでエネルギーを消費します。基礎代謝とは、そのような生命維持に最低限必要なエネルギーのことをいい、総エネルギー消費のうち、約60%を占めています。基礎代謝は、性別や体重によっても異なりますが、10代が最も高く、その後は年齢とともに下がっていきます。
【活動代謝】
活動代謝は、名前の通り、日常生活動作や運動など身体を動かしたことによって消費されるエネルギーのことです。総エネルギー量の約30%を占めています。
【食事誘発性熱産生】
私たちの身体は、食べ物を口にすると安静にしていても代謝が上がり、身体が温まってきます。これを食事誘発性熱産生といい、総エネルギー消費のうち、約10%を占めます。食事誘発性熱産生によって消費するエネルギーは、口にしたものの栄養素によっても異なり、たんぱく質では摂取エネルギーの約30%、炭水化物では約6%、脂質では約4%になります。(※1)
(※1)厚生労働省:「食事誘発性熱産生 / DIT(しょくじゆうはつせいねつさんせい)」より
・基礎代謝の算出方法
基礎代謝は、年齢、身長、体重を元に算出します。一般的に使用されるものにハリス-ベネディクトの式があり、次のように計算します(単位はキロカロリー)。
男性:(13.397×体重kg)+(4.799×身長cm)−(5.677×年齢)+88,362
女性:(9.247×体重kg)+(3.098×身長cm)−(4.33×年齢)+447.593
ただし、この式はかなり複雑なので、もう少し簡単に知りたい方は、ご自分の年齢と体重をあてはめて次の式を計算してみてください(単位はキロカロリー)(※2)。
男性(18~29歳):23.7×体重㎏
男性(30~49歳):22.5×体重㎏
男性(50~64歳):21.8×体重㎏
女性(18~29歳):22.1×体重㎏
女性(30~49歳):21.9×体重㎏
女性(50歳以上):20.7×体重㎏
(※2)日本医師会 1日に必要なカロリー 推定エネルギー必要量 より
■基礎代謝が下がる要因

基礎代謝は生活習慣や活動量によって大きく変化します。ここでは、基礎代謝を下げてしまう主な要因をご紹介します。
・加齢
私たちの身体は、加齢とともに基礎代謝が下がる傾向にあります。主な原因に、維持に大きなエネルギーを消費する筋肉量が減ること、また臓器などの代謝が低下することが挙げられます。体重あたりの基礎代謝量を比べると、70歳以上は小学生低学年の半分になります。(※2)
(※2)厚生労働省:「加齢とエネルギー代謝」より
・運動不足
運動不足になると、筋肉量が減ってしまうので、基礎代謝が下がります。運動不足になることで活動によるエネルギー消費が減る上に、筋肉量の減少で基礎代謝が下がるので、太りやすく痩せにくい体質に変化していきます。
・不規則な生活
睡眠不足や食生活の偏りなど、不規則な生活をしていると自律神経の乱れが生じ、基礎代謝が下がります。特に、睡眠中は成長ホルモンが分泌され、その間に代謝が促進されるため、日中エネルギーを消費しやすい身体が作られます。反対に、睡眠不足になると成長ホルモンが十分に分泌されず、代謝が落ちてしまいます。良質な睡眠、バランスの取れた食生活、適度な運動が自律神経を整えるために大切です。
・過度な食事制限
ダイエットなど過度な食事制限をすると、筋肉の元になるたんぱく質の摂取が不足するため、筋肉量が減り、基礎代謝が下がってしまいます。また、体内でエネルギー不足のサインが出るため、身体を守るために代謝を下げ、エネルギー消費を抑えようとします。その結果、食事制限を始めたときは一時的に体重が減りますが、しばらくすると食べる量を減らしたのに痩せない、痩せないからさらに食べる量を減らす、というような循環に陥ってしまいます。過度な食事制限は、基礎代謝が下がるだけでなく、摂食障害の危険を伴うこともありますので、注意が必要です。
■基礎代謝を上げるメリット


基礎代謝を上げると健康面や美容面にどのようなメリットがあるのかご紹介します。
・食べても太りにくい体質に
基礎代謝によるエネルギー消費は、活動によるエネルギー消費よりも遥かに多く、全体の60%を占めています。基礎代謝が高いと、ちょっと食べ過ぎ飲み過ぎになったり、運動不足の日があってもしっかりとエネルギーを消費してくれるので、太りにくさを意識した身体づくりの補助になります。体重が気になっている方は、日々の体重増減が少なくなり、一喜一憂しなくてよくなるので、精神的にも安定します。
・新陳代謝アップで肌や髪質もアップ
基礎代謝が高まると血流も良くなり、健やかな毎日をサポートし、いきいきとした肌や髪へと繋がります。
・血流アップで冷え性や肩こりケア
基礎代謝が上がると、血行が促進され、肩ケアなどにもつながります。
■基礎代謝を維持するために役立つとされる方法

ここでは基礎代謝を維持するために役立つとされる生活習慣や方法をご紹介します。
・筋トレで筋肉量アップ
基礎代謝を上げる方法として、最も分かりやすいのが、筋肉量を増やすことです。エクササイズで筋肉を刺激すると、筋肉量が増えるだけでなく、身体が引き締まり、体重や皮下脂肪量以上にスッキリした身体になります。筋トレでより効果的に基礎代謝を上げるためには、次のポイントに注意しましょう。
✓太ももやお尻、腹筋など大きな筋肉を刺激する。
✓毎回同じ筋肉や部位ばかり刺激せず、全身まんべんなくトレーニングを行う。
基礎代謝アップにおすすめの筋トレは、「部位別シェイプアップを動画で徹底解説!ユミコア流引き締めボディに」でいくつかご紹介しています。室内でできるおすすめ有酸素運動について詳しく説明しています。健康維持を目指す方に役立つ内容ですので、ご参考ください。
・有酸素運動
ストレッチやヨガ、ウォーキング、ジョギング、エアロビクス、水泳のように軽度から中程度の運動で一定時間以上続けられるものを有酸素運動と言います。有酸素運動を行うと、運動中やその後に血流
が促される場合があり、一定時間エネルギー消費が高まることが期待されます。
有酸素運動の具体的なやり方については、「【理学療法士絶賛!】室内でできるおすすめ有酸素運動でダイエット成功!」でご紹介していますので、是非ご覧ください!
・膣呼吸でインナーマッスルを刺激
骨盤底筋(こつばんていきん)、腹横筋(ふくおうきん)、多裂筋(たれつきん)など体幹部(身体の胴体部分)の深部にある筋肉をインナーマッスルと言い、主に姿勢を支える役割をしています。エクササイズによってインナーマッスルを刺激すると、立っているときにもインナーマッスルが自然と働くことがあります。その結果、通常時のエネルギー消費が増えることが期待されます。
・身体を温める食物を摂る
しょうが、にんじん、ごぼう、かぼちゃなど根菜類を中心とした野菜は、身体を温める効果があります。胃腸が温まることで内臓の代謝が高まるほか、全身の血流がよくなり、基礎代謝が上がります。白湯やホットミルクなど、温かい飲み物を飲む習慣も効果的です。
■まとめ
今回は、基礎代謝を上げるメリットや方法、反対に基礎代謝が下がってしまう原因についてご紹介しました。日常生活のちょっとしたことの積み重ねで基礎代謝が上がると、太りにくい身体になるだけでなく、冷え性や肩こりの改善、さらにはお肌や髪の毛の状態もよくなり、全身を若く健康的な状態に保つことができます!今回ご紹介したように、基礎代謝を上げる方法はたくさんありますので、ご自身が無理なく続けられる方法で、基礎代謝アップを図ってみてください!
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著者: 中村倫美