肩こり、首の痛み、頭痛といった多くの方の悩ましい症状に効くストレッチ、肩甲骨はがしの方法を詳しくご紹介します!
また対症療法だけでなく、根本解決のために知っておきたいストレートネックや巻き肩など姿勢との関係もご説明します。
■ひどい肩こり症状の原因を徹底解説!
肩こりを解消するために、まずは肩こりの主な原因を知り、ご自身にあてはまるものがないか思い出してみてください。
・巻き肩は肩こりの最大の敵!
「巻き肩」は左右の肩が前方に突出して、身体が内側に巻いたようになっている姿勢のことをいいます。そのような姿勢では、背中にある肩甲骨が本来の位置よりも外側に流れてしまいます。肩こりの主な原因となる「僧帽筋(そうぼうきん)」や「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」は首から肩甲骨に向けて走行しています。そのため、肩甲骨の位置が悪くなると筋肉がいつも引き伸ばされた状態になり、肩こりや首の痛みにつながってしまいます。「巻き肩」、「猫背」といわれる姿勢からはサヨナラし、背筋を伸ばし胸を張ったよい姿勢をこころがけることが肩こり解消の近道です!
・スマホやPCで肩甲骨はガチガチに!
私たちは、今やスマホやPCとは切っても切れない生活をしています。特にそれらのツールを利用する時間が長い方は、前に述べたような「巻き肩」や「猫背」の姿勢になりがちです。その上、集中していると肩がこっていることにも気づず、長時間姿勢を変えずに作業を続けているなんてこともあるのではないでしょうか。筋肉は適度に動かすことによってよい緊張、硬さが保たれます。長時間同じ姿勢を続けること、運動不足になることで筋肉の血流を低下させてしまうことは、肩こりや首の痛みの大きな原因になります。
・首こり/首が痛いのはストレートネックが原因⁉
私たちの背骨を横から見ると、軽いS字カーブを描いており、これを「生理的弯曲(せいりてきわんきょく)」と言います。「頸椎(けいつい):首の部分」は前に凸の「前弯(ぜんわん)」になっているのが通常ですが、中にはほぼまっすぐの「ストレートネック」の方もおられます(これは個人差なので、異常ではありません!)。弯曲があることで適度なたわみを持たせ、背骨にかかる衝撃を吸収したり、姿勢のバランスがとりやすくなりますが、ストレートネックの方はそれがうまくできません。その代わりに周りの筋肉が頑張って首や頭を支えるため、筋肉が疲労状態になってしまいます。
背骨の構造や筋肉についてもっと知りたい方は、「理学療法士ママ解説!ガチガチ背中を柔らかくするストレッチ方法とは?」をご覧ください!
・妊婦さんの肩こり
肩こりや腰痛は、ほとんどの妊婦さんが通るマイナートラブルです。妊婦さんのお腹は赤ちゃんが大きくなるにつれて重くなり、身体の重心が前に引っ張られてしまうため、バランスをとるために姿勢が変化していきます。お腹が重くなって腰が前に引っ張られて「反り腰」になり、その分バランスをとるため背中は後ろに丸まって「巻き肩」になってしまいます。そうした姿勢の変化が肩こりにつながります。
また、妊娠中はホルモンバランスが変化し、血流を促すような自律神経の働きが低下してしまいます。血流が滞ることも妊婦さんの肩こりが起こりやすい原因になります。
■肩こり解消に効くおすすめの対処法
肩こり解消に効果的な対処法をご紹介します。いくつかの対処法を組み合わせるのもよし、ご自身に合う方法を見つけてみてください!
・自宅で簡単!ストレッチ
最も短時間で手軽にできるセルフケアがストレッチです。ストレッチはほぐしたい筋肉を伸ばす姿勢をとり、ゆっくり20秒程度続けることで緊張して短縮した筋肉を伸ばし、血流をよくする方法です。身体一つあれば自宅でもオフィスでも簡単にケアできます。
・自分でもできる!マッサージ
マッサージというと、マッサージ店や治療院に行ってほぐしてもらうというイメージが強いかもしれませんが、実は自分でも肩や首をほぐすことはできます!ほぐしたい側と反対の手の第2~5指を肩に押しあてて圧迫したり、両手をグーにして円を描くように首筋を両側からほぐすなど、やり方次第ではピンポイントで自分のほぐしたい場所をほぐすことができるのでおすすめです♪
・定期的な入浴&有酸素運動で全身リラックス
ストレッチやマッサージで肩や首だけをほぐしても一時的な効果だけですぐに元に戻ってしまうということが多々あります。そんなときは、全身の血流をよくして全身をほぐすことがおすすめです。具体的には、適度な温度のお風呂に少し長めに浸かって全身をリラックスさせながら温めること、15~20分以上のウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動で全身の血の巡りをよくすることがあります。よく腕を動かして歩いたり泳いだりすることで肩や首周りの血流もよくなり、効果が長持ちします。
・背筋の筋トレ
肩こりの原因の一つは重たい頭を支えたり、長時間同じ作業を続けることで肩回りの筋肉が疲れてしまう「筋疲労」です。脚の筋力が弱い人が歩くと早く疲れてしまうように、肩回りの筋力も低下していると、早く疲れて痛みがでてしまいます。ストレッチやマッサージなど筋肉の緊張を緩和するようなケアも大切ですが、負担に耐えられるだけの筋力をつけることもときには大切です。このときにポイントとなるのが、やみくもに背筋のアウターマッスルを鍛えるのではなく、姿勢を保つインナーマッスルをまずは鍛えることです。色々やってみてもなかなか効果がないと感じるときは肩から背中にかけてのインナーマッスルの筋トレにも挑戦してみましょう(ただし、休ませるべき筋肉をさらにトレーニングしてしまうと、痛みが増悪してしまうこともありますので、筋トレを行う場合は、軽いものから、またトレーニング後に症状の悪化がないか確認しながら行って下さい)。
ここまで、様々な対処法をご紹介しましたが、ご自身の肩こりの原因となる生活習慣が分かっている場合は、その原因を取り除くことが一番です。直せる習慣は改善し、仕事などで長時間同じ姿勢を保つことなどがやむを得ない場合は間に休憩をとったり、少しでも量を減らすなどできる範囲で改善しましょう。
■オフィスでも寝る前にも!肩こりにおすすめのストレッチ方法
座ったままでどこでもできる、肩こり解消の効果的なストレッチ方法をご紹介します。
・僧帽筋ストレッチ
「肩甲挙筋」とともに肩こりの大きな原因となる「僧帽筋」のストレッチ方法をご紹介します。
1.座って背筋をまっすぐ伸ばします。
2.うなずくように頭を下げ、伸ばすのと反対側に首を傾け、そこから伸ばす側の天井をのぞくように軽く捻ります。
3.伸ばすのと反対側の手を頭の上に軽く乗せ、首筋から肩にかけて伸張感を感じながら20秒程度伸ばし続けます。
※肩甲挙筋、僧帽筋ストレッチとも、手で無理に首を曲げようとすると首周りの筋肉や関節を傷めてしまう可能性がありますので、頭に手の重さを乗せるだけにしてください。inflatable obstacle course
・菱形筋ストレッチ
肩甲骨の内側で左右対称に走行する「菱形筋」のストレッチをご紹介します。
1.座って両手を身体の前で組み肘を伸ばして肩の高さに、手のひらは自分の方に向くようにします。
2.背中を丸めながら後ろに引っ張り、組んだ両手は前に引っ張り、手と身体の間の空間をできるだけ広げるようにします。
3.左右肩甲骨の内側に伸張感を感じながら20秒程度伸ばし続けます。
ここでご紹介した肩~背中周りの筋肉の解剖についてもう少し詳しく知りたい肩は「理学療法士ママ解説!ガチガチ背中を柔らかくするストレッチ方法とは?」をご一読ください★
・肩甲骨はがし
本来のストレッチとは少し異なりますが、今話題の「肩甲骨はがし」も肩こり解消に効果的です。
肩甲骨は、肋骨の背中側の面に張り付くように存在し、肋骨の表面を滑るように上下左右に動きます。多くの骨と骨のような関節部分での強固なつながりがない分、筋肉によって肋骨と繋がっています。それらの筋肉や筋肉を包む筋膜(きんまく)が癒着を起こしてしまうと、肩甲骨の動きが悪くなり、肩もこりやすくなってしまいます。
「肩甲骨はがし」をして、肩甲骨周りの癒着をとると、肩甲骨が動かしやすくなり、周りの筋肉の緊張も緩和します。
肩甲骨はがしの詳しいやり方を知りたい方は「肩こりを楽にする簡単メソッド!今話題の“肩甲骨はがし”って?」まで。
・オフィスでも寝る前にも!肩こりにおすすめのストレッチ
あぐらをかいて座り、右手は左の頭の横、左手は少し遠目の床をタッチしておく。息を吸って背骨伸ばして、吐きながら右手の手の重さで頭を倒していく。気持ちよく左の首が伸びるように、脱力しながらおこなう。
◎目安回数
10秒伸ばしてリラックス。左右交互に2〜3セット
◎ポイント
手で頭を押しすぎないよう注意
■肩こり解消におすすめのグッズ
なかなか解消しない肩こりをケアするためには、自分に合ったツールを使用することも一つの方法です。ここでは、肩こり解消におすすめのグッズをご紹介します。
・リラックス効果抜群!ストレッチポール
ストレッチポールは長さ約1ⅿ、直径約15㎝のポールです。このポールの上に頭からお尻までを乗せて横になり、軽く揺れたり背骨の周りをごろごろとほぐすことで、肩甲骨周りをほぐしつつ、巻き肩を修正し、胸の開けた理想的な姿勢を作ることができます。リラックス効果もあり、医療現場からアスリートまで様々な場面で広く使用されています。身体のケアがなかなか続かない、、という方でも毎日数分程度この上に乗ってころころするだけでも効果があるので続けやすい!と人気のグッズです。
ストレッチポールについてさらに詳しく知りたい方は、ストレッチポール公式HPまで。
・フェイスタオルが優秀!
特別なグッズではありませんが、フェイスタオルはとても優秀なツールに変身するのでここでご紹介します。
肩こりに悩む方の多くは、肩こり筋である僧帽筋や肩甲挙筋が緊張しています。そのため、固まった肩甲骨をとにかく動かすことが、肩こり解消には重要です。
1.椅子に座り、両手でフェイスタオルの端をそれぞれ持ちます。
2.背筋を伸ばしてバンザイをしながら、骨盤を起こすように意識をします。
3.背筋を伸ばしたまま両手をゆっくり下げ、頭の後ろにタオルをおろします。このとき、左右の肩甲骨を寄せる意識を持ちます。
4.「2.」「3.」の動きをゆっくり繰り返します。
こってしまった筋肉をほぐすストレッチではなく、肩甲骨の位置を戻して姿勢を改善させる、肩こりの根本解決につながる体操なので、ストレッチに加えて是非やってみてください♪
・ユミコアオリジナル商品「Hoggsy(ホグッシー)」
YumiCoreBodyが筋膜リリース(はがし)のツールとして作ったオリジナル商品が「Hoggsy」です。直径7㎝のボールで、青い部分は少し硬めに、白い部分は少し柔らかめに作ってあるので、ボールが変形して身体の深部まで入り込み、より高い筋膜リリースの効果が期待できます。自分でマッサージしようとしてもなかなか手の届かない肩甲骨の内側から首筋まで丁寧にほぐすことができますので是非お試しください☆
また「Hoggsy」に続き、大きな筋肉やより強い刺激を入れたい部位をほぐすのに最適な「HoggsyPLUS」も登場しました!
「Hoggsy」をはじめ、YumiCoreBodyのオリジナルグッズに興味をもっていただけた方は公式ホームページにもまとめてあるので是非「YumiCoreBodyグッズ」をご覧ください。
■まとめ
今回は、肩こりの主な原因と症状解消に効果的なストレッチをご紹介しました。痛みやコリのある筋肉に対してストレッチやマッサージなどの対症療法を行ってうまく付き合っていくことも一つですが、原因をきちんと取り除くことでさらに気持ちよく生活することができます。これを機に是非みなさんも肩こり、首痛の根本治癒を目指してみてはいかがでしょうか?
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投稿者プロフィール
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Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。