姿勢を良くすると、外見の美しさだけでなく心や身体の状態も改善します。自分の姿勢をチェックする方法、ストレッチやトレーニングなど姿勢の治し方に加え、正しい座り方、立ち方、寝る姿勢の作り方までポイントを詳しくご説明します。
■正しい姿勢とは?自宅で簡単チェック方法もご紹介
正しい姿勢を知るために必要な骨盤と背骨の関係、正しい姿勢のポイント、自分で簡単にできる姿勢チェックの方法についてご紹介します。
・正しい姿勢とは
姿勢を整える上で最も大切なのは、身体の中心にある骨盤とその上に乗っている背骨の位置です。骨盤と背骨は連動して動いており、骨盤が後ろに傾いていると、自然と背中や腰は丸まり、骨盤が前に傾いていると反り腰になります。なので、まず骨盤の傾きをまっすぐにして姿勢の土台を整えることが正しい姿勢への第一歩になります。
【骨盤の正しい傾き】
ウエストよりやや下方の骨盤左右前面で触れる骨の突起(上前腸骨棘:じょうぜんちょうこつきょく)と恥骨を結ぶ三角形に手を当て、床と直角になるようにします。これが骨盤の正しい傾きになります。
その上で、身体を横から見たとき、後ろから見たときに次に示すポイントが一直線に並ぶようにすると正しい姿勢が出来上がります!
【横から見たとき】
耳垂(耳の後ろ)、肩峰(肩の厚みの真ん中)、大転子(股関節を内外に捻ると股関節外側から触れることのできる骨の隆起)、膝蓋骨後面(お皿の骨の少し後ろ)、外果(外くるぶし)
【後ろから見たとき】
後頭隆起(後頭部の中心)、棘突起(背骨を体表から触れることのできる突起の並び)、殿裂(お尻の割れ目)、両くるぶしの中間
・自宅で簡単!壁を使って姿勢チェック!
前にあげたポイントを全て自分でチェックするのは難しいので、壁さえあれば自分でも簡単に姿勢をチェックできる方法をご紹介します。
1.両脚を閉じて、壁に、踵、ふくらはぎ、お尻、背中、後頭部の5点を全てつけて立ちます。
2.この時点でその姿勢が難しい方は、意識してもよい姿勢がとりにくいということです。
3.また、この姿勢をとったときに、壁と腰の間に手を入れてみましょう。手のひら一枚分程度のすき間があればよい姿勢、拳1個程度もすき間があるようであれば腰が反りすぎているということになります。
■姿勢が悪くなる原因とデメリット
姿勢が悪いと、見た目だけでなく心身の健康にもデメリットがあります。姿勢が悪くなる主な原因と不良姿勢がもたらす様々なデメリットについて知り、姿勢改善に対するモチベーションにつなげましょう!
・スマホ&パソコンが悪い姿勢を作る!
私たちの姿勢に最も悪影響を及ぼしているといっても過言ではないのが、スマホやパソコンの使用です。スマホやパソコンを見たり操作しているとき、私たちの顔はまず間違いなく身体よりも前に突出しています。そして、手が前にでるため背中が丸まり、肩のラインも前方に出ます。不良姿勢の代表とも言える、猫背姿勢が完全に出来上がってしまいます。この姿勢を長時間続けると、胸や首の前側の筋肉は縮まり、正しい姿勢に戻そうとしても戻らなくなってしまいます。
スマホやパソコンが原因で起こる「スマホ首」については、「自分でできる!ストレートネック(スマホ首)の治し方を理学療法士が徹底解説」で詳しく解説しています。是非ご覧ください!
・【デメリット1】肩こり・腰痛といえば姿勢
私たちがスマホやパソコンを使っているとき、背中や腰は丸まった猫背姿勢になります。そのとき、頭のつけ根から肩甲骨に向けて走行し、「肩こり筋」と言われる僧帽筋(そうぼうきん)も、背骨に沿って両側に走行する脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)も引き伸ばされたまま首や腰を支えている状態になります。その状態が長く続くと、筋肉が疲労を起こし、肩こりや腰痛を引き起こします。
・【デメリット2】顔デカ&もっこり背中&たれ尻の残念なスタイルまっしぐら!
背中や腰が丸まると、首や顔が前に突出し、顔が大きく見えます。胸骨(きょうこつ:胸の谷間にある骨)は下を向くのでバストも下向きになり、下垂してしまいます。また、肩甲骨の内側にある筋肉も使っていないので、背中に脂肪が溜まりやすくなります。腰が丸まって骨盤が後傾すると、お尻の筋肉もうまく使えていない状態になるので、だらんと下に垂れたお尻になってしまいます。このように、不良姿勢になることで健康的で美しいボディとは程遠い残念なスタイルになってしまいます。
顔が大きくなる原因や対策については、他にも「効果絶大!本当に小顔になれる正しいマッサージ・トレーニング法とは?」で取り上げています。気になる方は是非!
・【デメリット3】疲れやすさやストレスにも
姿勢が悪いと肩や腰の筋肉の疲労とともに全身の血流が悪くなります。また、胸が下がっていると肺に空気が入りにくく、呼吸が浅くなってしまいます。そういったことが疲れやすさやストレスの原因になり、身体だけでなく心の健康も損なわれてしまいます。
■ストレッチから筋トレまで!姿勢の治し方
姿勢不良が原因で硬くなった筋肉をほぐすことから、正しい姿勢をとるために必要な体幹のトレーニングまで姿勢修正に必要なエクササイズを丸ごとご紹介します。
・背骨ほぐしで柔軟性アップ
1.胸の後ろにローラーをあてて、両手を頭の後ろで組んでセットします。
2.お尻を浮かせて、頭とお尻が平行になるようにしたまま肩から肩甲骨の下辺りまでをコロコロ転がします。
◎ポイント:背中を丸めすぎると、背骨に当たって痛いので注意してください。
◎目安:1分〜1分半くらい行います。
今回背骨ほぐしに使用しているのが、YumiCoreBodyオリジナルアイテム「HoggsyRoller(ホグッシーローラー)」です!筋肉ほぐしに単品で使用するほか、両側に筋膜リリースボール「Hoggsy(ホグッシー)」をぴったりとはめこむ部分があり、あわせてお使いいただく事によって、より負荷をかけ深い部分の筋膜リリースがしやすくなります。是非お試しください☆
他にも1月のオンラインレッスン「まずはこれから!基本のほぐし」では、全身をしっかりほぐす方法をご紹介していますので、全身がかたまっていると感じる方、是非ご覧ください!
・骨盤を正しい位置に「キャッツ&カウ」
身体の中心である骨盤は、姿勢を決める中心となる部分です。骨盤の傾きが悪いと、その上の背骨も全てずれてしまうので、まずは骨盤を自由に動かし、正しい位置にセットする練習をしましょう。
1.四つ這いで両手は肩幅にし、肩の真下に手のひらをつきます。足は骨盤の幅にし、股関節と膝関節どちらも直角になるように股関節の真下に膝をつきます。
2.背中と腰を丸めておへそを天井に突き上げ、頭は丸めておへそをのぞきこみます。
3.いっぱいまで丸まったら、反対に腰と背中を反らしておへそを床に近づけるように、顔は天井を向きます。
4.「2.」と「3.」の動きをゆっくりできるだけ大きく繰り返します。
・正しい姿勢をキープする体幹力には「プランク」
正しい姿勢をキープするためには、姿勢を維持するために働く腹横筋や多裂筋といったインナーマッスルの持久性を高めなければなりません。姿勢保持に必要な筋肉をバランスよく鍛えるためにはプランクトレーニングがおすすめです!
1.両手は肩幅に、それぞれの肩の真下に肘、肘は90度に曲げ、左右の肘から手首が平行になるように床につきます。
2.両足は腰幅に開き、つま先だけを床につき、身体を横から見た時に肩から足首までが一直線になるように身体を浮かします。
3.呼吸を止めることなく、その姿勢が崩れないように30秒から60秒(慣れるまでは10秒から)維持します。
肩の余分な力を抜き、お尻がつきでたり腰が反った姿勢にならないように注意してください。
筋力的に姿勢の保持が難しい方は、つま先ではなく膝を床について肩から膝までが一直線になるようにすると難易度が下がります。
・動いても崩れないためには「スクワット」
立ち姿勢や座り姿勢でよい姿勢が作れても、動いたとたんに姿勢が崩れてしまうのでは十分とは言えません。正しい姿勢をキープしたまま動く練習には、スクワットがおすすめです。
1.足は腰幅に開き、つま先は進行方向またはやや外向きにして立ちます。
2.頭からお尻を一直線にしたまま、膝と股関節を曲げてゆっくり腰を落とします。このとき、膝がつま先と同じ向きになるように注意しましょう。
3.腰を落としては上げるを繰り返します。
■これで完璧!シーン別姿勢の注意点
ここまで、主に立ち姿勢についてポイントをご紹介してきましたが、日常生活内で姿勢が崩れがちな座位や寝る姿勢でも気を付けたいポイントがありますのでご紹介します。
・正しい座り方のカギは骨盤を立てること!
デスクワークなど座ったままの時間が長い方は、座位姿勢が大切です。最も気を付けたいのは、「骨盤を立てること」です。左右のお尻の下に手をあてると触れる坐骨の突起が座面に直角に立つこと、ウエストやや下で骨盤の左右前面に触れる骨の突起(上前腸骨棘:じょうぜんちょうこつきょく)と恥骨を結ぶ三角形が座面に直角になっていることを目安に骨盤を起こしましょう。ただし、骨盤を立てたよい姿勢をキープしたまま長時間座っているのも、腰や背中の筋肉が疲れてしまいます。正しい姿勢をベースにしながらもこまめに骨盤を動かして腰を丸めたり反らしたり(座ったままキャッツ&カウの動きです!)して筋肉を休ませてあげましょう。
・車の運転中はクッションで姿勢をキープ!
車のシートは背もたれまでが深く、後ろに少し傾いている場合が多いので、どうしても骨盤が後傾して腰が落ち込み、腰痛の起きやすい姿勢になってしまいます。運転中の腰痛に悩む方、長時間の運転で疲れる方は座面の後ろの方にクッションまたはバスタオルを丸めたものを入れ、お尻の後ろ半分に敷くことがおすすめです。骨盤の後傾を防ぎ、椅子に座るような直角な姿勢が作りやすくなります。また、背もたれが後ろに傾きすぎている場合も姿勢崩れの原因になりますので、調整してできるだけよい姿勢が保てるようにしましょう。
・こだわるなら寝る姿勢は「仰向け」がベスト!
寝るときは横向きと仰向けどっちがいいの?という質問をよく受けます。どちら向きで寝てもほとんどの方は寝ている間に何度も寝がえりをうっているので、実際には寝始める体勢は関係ありません。ただし、横向きに寝ると腰がベッド面に沈むことで背骨は側弯(横に弯曲)する上、肩が前に出て背中が丸まりやすくなります。気になる方は、仰向けで寝るのがベストです。
■まとめ
今回は正しい姿勢のポイント、姿勢を治すストレッチやトレーニングについてご紹介しました。今まで姿勢を治そうと意識をしてみたり、腹筋や背筋を鍛えてみたけれど変わらなかった方、長続きしなかった方、YumiCoreBodyでは、硬くなったところをほぐして正しい姿勢を維持するために必要な筋肉を刺激し、自然に正しい姿勢がとれるように促していきます。1月のオンラインレッスンでは、姿勢改善にもおすすめの「まずはこれから!基本のほぐし」できついトレーニングは苦手!という方にも優しい内容になっています。正しい姿勢は外見の美しさだけでなく、心や身体の健康にもつながる大切な要素なので、是非YumiCoreBodyで一緒に姿勢を改善していきましょう!!
YumiCoreBodyオンラインレッスンでは、他にも姿勢や身体のゆがみを整えて肩こりや腰痛の改善に効果的なストレッチやトレーニングを始め、筋肉をほぐしたり鍛えたりすることでボディラインを引き締め、女性がより健康的に気持ちよく生活するためのレッスンが充実しています。おうちで好きなときに好きなだけ、全身のほぐしやストレッチ、トレーニングのレッスンをわかりやすい動画で受けていただくことができるので、家事や仕事で忙しくなかなか自分のケアに時間を取りにくい方も、気軽に始めていただくことができます。また、小さなお子様がいて通いのレッスンが難しい方、コロナ感染予防のためにジム通いを控えている方や運動不足気味の方、すきま時間で簡単にご自身の身体を整えることができます!!
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投稿者プロフィール
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Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。