更新日: 2026.5.29
「腹式呼吸ダイエット」という言葉、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。芸能人やモデルさんが実践していることでも知られていて、「呼吸だけで本当に変わるの?」と気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
腹式呼吸は、ただゆっくり息をするだけのものではなく、コアマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)にやさしくアプローチできる、私たち女性の身体にぴったりの呼吸法なんです。
今回は、腹式呼吸の基本から、寝ながら行えるやり方、心と身体への嬉しいはたらき、毎日続けるためのコツまで、理学療法士の視点で一緒にのぞいてみましょう。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
YUMICORE インストラクター Sachiko
■プロフィール
総合病院や整形外科で理学療法士として勤務後、結婚、出産後は主婦業に専念。子育てが落ち着いた40歳ごろからフリーのトレーナーとして活動開始。運動指導だけでなく、ダイエットカウンセリングなども手がける。2023年より、YumiCoreBody天神スタジオにトレーナーとして従事。多くの女性が抱える身体の悩みに寄り添っている。
■保有資格
・理学療法士
・BESJピラティスマットワークインストラクター
・臨床栄養医学指導士
・食欲コントロールダイエット協会認定講師
・栄養コンシェルジュ二つ星
■腹式呼吸とは?胸式呼吸と何が違うの?

・腹式呼吸とは?
腹式呼吸は、息を吸うときにお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹をへこませる呼吸法のことです(※参考:日本医師会「腹式呼吸のやり方」)。
普段の呼吸とは少し違って、意識しないとなかなか自然には行えないんですよね。腹式呼吸では、コアマッスルの一つでもある「横隔膜(おうかくまく)」の動きがはっきりと出てきます。意識してゆっくり息を吐くため、心と身体を整えたいときにもおすすめの呼吸法なんですよ。
・腹式呼吸と胸式呼吸の違い
一方の胸式呼吸は、肋骨を上げ下げして肺に空気を取り入れる呼吸法。息を吸うとみぞおちから下の肋骨が左右に広がり、吐くとしぼむような動きをします。お腹の動きだけ見ると、腹式呼吸とはちょうど逆になるんです。
使う筋肉も違っていて、胸式呼吸では肋間筋(ろっかんきん)、腹式呼吸では横隔膜が主役。横隔膜が大きく動くことで肺が広がりやすくなるため、腹式呼吸のほうが取り込める空気の量も多くなると言われています。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
現代の私たちは、忙しさやストレスで知らず知らず呼吸が浅くなりがち。気づくと肩が上がる胸式呼吸ばかりになっている、という方も少なくないんです。お仕事の合間にふと「あ、いま呼吸浅いかも」と感じたら、お腹に手を当ててやさしく腹式呼吸してみてくださいね。
■腹式呼吸で期待できる5つのうれしいはたらき

腹式呼吸を続けることで、私たち女性の身体にはどんな変化が起こると言われているのでしょうか?気になる5つのポイントをご紹介しますね。
①コアマッスルを目覚めさせてぽっこりお腹のケアに
腹式呼吸では、横隔膜のはたらきが活発になります。横隔膜はコアマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)の屋根にあたる大切な筋肉。
横隔膜にアプローチすることで、同じくコアマッスルの腹横筋も連動して使われるため、ぽっこりお腹のケアやくびれづくり、猫背や反り腰などの姿勢の崩れを整えていくサポートになると考えられています。
②基礎代謝のサポートに
横隔膜やコアマッスルが目覚めると、筋肉量が少しずつ整っていきます。筋肉量が保たれると基礎代謝の維持にもつながると言われており、健康的な体づくりのサポートになると考えられているんです。
「無理に運動するのは苦手…」という方でも、呼吸からなら始めやすいですよね。
③自律神経を整えるサポートに
腹式呼吸は、自律神経のはたらきにもアプローチすると言われています。
私たちの身体は、活動モードの「交感神経」と、休息モードの「副交感神経」のバランスで動いています。腹式呼吸でゆっくりと息を吐くと、副交感神経が優位になりやすいと考えられており、心と身体がふんわりとほぐれる感覚を得やすくなるんですよ。
忙しい毎日でゆらぎがちな心を整えたいとき、寝る前のひとときに取り入れてみてくださいね。
④睡眠の質のケアに
副交感神経が優位になることで、寝つきが穏やかになる感覚を持つ方も多いと言われています。なかなか眠れない夜、布団の中で腹式呼吸を5分ほど続けてみるのもおすすめですよ。
⑤お腹まわりの巡りのサポートに
横隔膜が大きく動くと、お腹の中の内臓もやさしくマッサージされるような状態に。お腹まわりの巡りが整い、便秘や下腹のはりが気になる方のセルフケアとしても、寄り添ってくれる呼吸法と考えられています。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
腹式呼吸の魅力は、「身体」と「心」の両方にやさしく寄り添ってくれること。即効性を求めるよりも、毎日の小さな習慣として取り入れていくことで、ふと「最近お腹まわりがすっきりしてきたかも」と感じられる日が来るかもしれません。
■やってみよう!腹式呼吸とユミコア式の呼吸エクササイズ

ここからは、ユミコアおすすめの呼吸エクササイズを順番にご紹介していきますね。いちばんやさしいものから始めて、徐々にステップアップしていきましょう。
・まずは準備から!呼吸が入りやすくなるストレッチ
呼吸を深めるためには、背中や肋骨まわりがふんわりほぐれていることが大切。まずは身体の準備運動から始めましょう。
呼吸が入りやすくなるストレッチのやり方
1.椅子に座って両手を天井に伸ばし、手を組んで手の甲を持ち上げます
2.身体の前で大玉を抱えるように手を前に伸ばし、背骨を丸めます
3.息を吐きながら手の甲を遠くに向かって伸ばします
4.息を吸って手を天井方向に戻し、吐きながら②の体勢になり、手の甲を遠くに伸ばします
5.この体勢のまま息を吸って、背中側に呼吸を入れていきます
6.息を吐きながら、手の甲とみぞおちの裏を引っ張り合うように伸ばします
7.息を吸って手を天井方向に戻し、足を右側にスライドさせ、身体の右斜め前で大玉を抱えるように右手を前に伸ばして背骨を丸めます
8.このときみぞおちを左斜め後ろに引くように丸め、背中の左側を伸ばして呼吸を2〜3回繰り返します
9.反対側も同様に行います
・基本の横隔膜呼吸でコアマッスルを目覚めさせる
腹式呼吸は、横隔膜を主に使う呼吸法。特に肋骨が開いている感じがする方、お腹まわりがゆるんでいると感じる方には、横隔膜のはたらきを引き出すアプローチがおすすめです。
【横隔膜呼吸】
1.両膝を立てて仰向けに寝て、両手をみぞおちの左右に置きます
2.鼻から息を吸って吐いた後、肋骨の上に置いた手で少しだけ肋骨を圧迫してロックします
3.その状態で鼻から吸って、背中側に空気を入れるイメージで呼吸します
4.お腹に入った息を吐き切ります。苦しくなる手前まで吐いたら、1〜2秒その状態をキープ
◎目安回数:5〜10回
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
最初は「背中に空気が入る感覚」がつかみにくいかもしれませんが、大丈夫ですよ。焦らず続けるうちに、少しずつ感覚がわかってきます。最初の数日は「お腹に手を当てる」だけでも、自分の呼吸の癖が見えてきておもしろいかも。
・骨盤底筋を意識した呼吸でお腹の内側を整える
骨盤底筋はコアマッスルの一員で、内臓を下から支えるハンモックのような筋肉。骨盤底筋がうまくはたらかないと、内臓が下がりやすくなり、下腹がぽこっと出る印象につながりやすいと言われています。呼吸と一緒に骨盤底筋にもやさしくアプローチしていきましょう。
【骨盤底筋トレーニング】
1.仰向けになり、軽く両膝を立てます。膝の間にバスタオルなどを挟んでおくと感覚がつかみやすいですよ
2.膣から空気をやさしく吸い上げるイメージで、足の間に挟んだバスタオルも膣から吸い上げるように意識しながら、骨盤を丸めて深呼吸します
3.鼻から息を吸うときにお腹が膨らみ、息を吐くときにお腹がへこむように
◎目安回数:10回
◎ポイント:腹式呼吸に慣れない間は、みぞおちのあたりとお腹(おへそのあたり)に片手ずつ手を当てます。息を吸うときに、お腹に置いた手を押すように意識すると感覚をつかみやすくなりますよ
・膣呼吸を組み合わせて女性のお悩みに寄り添う
腹式呼吸のときに膣から空気をやさしく吸い上げるイメージを持つと、コアマッスルの一員である骨盤底筋にもアプローチできます。骨盤底筋は、私たち女性が年齢やライフステージの変化のなかで「ちょっと気になるな」と感じやすい部分でもあるため、日々のセルフケアとして取り入れる方が増えている呼吸法でもあります。気になる症状がある場合は、お医者さんや婦人科の先生にもご相談くださいね。
膣呼吸のやり方
1.仰向けになり膝を立て、親指を骨盤の前の骨の内側に当てます
2.鼻から息を吸ってお腹をパンパンに膨らませます
3.ゆっくり息を吐きながら、膣をやさしく引き上げます。細く長く息を吐き続けていくと下腹が薄くなります。親指を当てている骨盤の前の骨の内側の筋肉がもりもりとする感覚があればOK(お腹が硬くなっている時は、骨盤底筋が正しく使えていないサインなので、力を抜いてやり直してくださいね)
◎目安回数:5〜10回
・ペットボトルや笛で、もっと感覚をつかみやすく
腹式呼吸でゆっくり息を吐くとき、補助グッズを使うと感覚がつかみやすくなります。たとえばキャップを取ったペットボトルに下唇を当てて、ゆっくり息を吐くと、笛のような音が鳴ります。音が長く出るほど、しっかり息を吐けているサイン。その後にゆったり大きく吸うことができるんです。
呼吸抵抗を生む専用の笛もあります。音が鳴るという「目に見える」目印があると、続けるモチベーションも自然と湧いてきますよね。
■腹式呼吸を行うときの注意点
・やりすぎには注意して
腹式呼吸は身体への負担が軽くやさしいエクササイズですが、慣れないうちからたくさん行うと、めまいや過呼吸を感じる方もいらっしゃいます。最初は5回程度から始めて、慣れてきたら少しずつ回数を増やしていきましょう。
途中で「ちょっとクラクラするな」と感じたら、無理せずお休みしてくださいね。
・食後すぐは避ける
お腹に食べ物がたっぷり入っている状態だと、横隔膜が動きにくく、気持ち悪くなることもあります。食後1〜2時間は空けてから行うのがおすすめです。
・体調が優れない日はお休みを
「今日はちょっと体調が…」という日は、無理せずお休みすることも大切。エクササイズを義務にしてしまうと、続けるのがつらくなってしまいます。私たち女性の身体は日々変化していくものなので、その日の自分にやさしく寄り添ってあげてくださいね。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
妊娠中の方や、呼吸器・循環器の持病をお持ちの方は、始める前にお医者さんや先生にひと言相談してから取り入れてくださいね。安心して続けるための、大切な一歩です。
■腹式呼吸を取り入れるおすすめのタイミング
・朝起きてすぐ
朝の腹式呼吸は、一日のスタートにふんわりとスイッチを入れてくれます。布団の中で仰向けのまま、5分ほどゆっくり呼吸を整えるだけでもOKですよ。
・お風呂上がり
身体が温まってリラックスしている時間は、横隔膜も動きやすい状態。お風呂上がりに5分、自分のための時間として取り入れてみてはいかがでしょうか。
・寝る前
寝る前の腹式呼吸は、副交感神経のはたらきを助け、心と身体を休息モードに導いてくれると考えられています。布団に入って目を閉じて、ゆったりとした呼吸に意識を向けてみましょう。
・呼吸の目安
呼吸のリズムは、「吸う:吐く=1:2」が目安と言われています。たとえば4秒で吸って、8秒かけて吐く。1分間に5〜6回くらいのゆったりしたペースですね。最初は時間にこだわらず、「自分が心地よい」と感じるリズムで大丈夫ですよ。
■腹式呼吸とプラスして生活習慣を整えるとさらにいい感じに

身体の内側から整えていくには、腹式呼吸だけでなく、食事・睡眠・運動の生活リズムをやさしく見直していくことが大切です。
・食事内容の見直しで、内側からふんわり整える
身体を整える基本は、毎日の食事。極端に減らすのではなく、栄養バランスを整える意識が大切なんです。代謝のサポートには、低カロリーで良質なタンパク質を含む食品がおすすめですよ。
【取り入れたい食品:低カロリーでタンパク質が豊富なもの】
・肉類:赤身肉やヒレ肉は脂質が少なめ。鶏肉は全般的に低カロリーですが、皮の部分は脂質が多めです。ささみや胸肉は高タンパクで使いやすい食材ですよ。
・魚介類:白身魚や赤身魚、貝類など。脂が多いサンマやブリ、トロ以外は、軽やかに取り入れやすい食材です。
・卵、乳製品:卵は全卵で大丈夫。乳製品は、生クリームやチーズなど脂質が多いものは控えめに。
・大豆製品:豆腐、納豆、湯葉、豆乳など、植物性タンパク質の代表選手。日々の食事に取り入れやすいですよね。
理学療法士
アドバイスーOne Point Adviceー
「カロリーを減らす」だけにフォーカスすると、筋肉まで一緒に落ちて、かえって基礎代謝が下がってしまうことがあります。私たち女性は特に、タンパク質をしっかりとって筋肉を育てる視点を大切にしたいですね。
・規則正しい生活リズムを整える
腹式呼吸とあわせて意識したいのが、生活リズム。朝決まった時間に起きて、夜も一定の時間に休む。睡眠時間をしっかり確保することは、消化のサポートにもなりますよ。
食事の時間も毎日できるだけ同じに整えると、暴飲暴食を防ぎやすくなります。腹式呼吸の時間や軽い運動を生活に取り入れて、心と身体を整えていきましょう。
・続けることが、いちばんのコツ
腹式呼吸は、負荷が軽く無理なくできる、おうちトレーニングにぴったりの運動。ただ、始めてもすぐにやめてしまうと、なかなか変化を感じにくいかもしれません。
一般的に、変化を実感し始めるまでには3ヶ月程度が目安と言われています(※個人差があります)。焦らず、少しずつ続けていくことを大切にしてみてくださいね。
チェックポイントーCheck Pointー
チェックポイント ーCheck Pointー
「やる気のある日にがんばる」より、「無理なく毎日少しずつ」が続けるコツ。1日5分でも、続けることが何よりの近道です。私たち女性の身体は、急激な変化よりも、やさしい積み重ねを好んでくれるんですよ。
■腹式呼吸ダイエットに関するよくあるご質問
Q1.腹式呼吸はどのくらい続けると変化を感じられますか?
A.個人差はありますが、一般的に変化を実感し始めるまでには3ヶ月程度が目安と言われています。1〜2週間で感覚がつかめてくる方も多いので、まずは「気持ちいいな」と感じる範囲で続けてみてくださいね。
Q2.1日にどのくらいやればいいですか?
A.1日5回程度から始めて、慣れてきたら10〜20回ほどに増やしていくのが一般的な目安です。朝と夜に各5分ずつ取り入れるのもおすすめですよ。やりすぎは禁物なので、無理なく続けられる範囲で行いましょう。
Q3.座ったままでもできますか?
A.もちろんできます。仰向けの姿勢がいちばん横隔膜を動かしやすいですが、お仕事中の合間に椅子に座って行うこともできますよ。背もたれにもたれずに、骨盤をやさしく立てて座ってみてくださいね。
Q4.お腹を膨らませる感覚がうまくつかめません
A.お腹とみぞおちに片手ずつ手を当ててみてください。お腹に置いた手を押すように息を吸うと、感覚がつかみやすくなりますよ。最初はうまくいかなくても、続けるうちに自然とできるようになっていきます。
■まとめ
腹式呼吸は、横隔膜を使ったゆったりとした呼吸法。息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹がへこむ動きが特徴です。
腹式呼吸を続けることで、横隔膜やコアマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)が目覚め、ぽっこりお腹のケアや姿勢の崩れを整えるサポートになると考えられています。さらに、副交感神経のはたらきにアプローチすることで、心と身体をふんわりと整えるサポートも期待されている、ストレスの多い現代の私たち女性に寄り添ってくれる呼吸法なんです。
道具がいらず、おうちで気軽に始められるのも嬉しいポイント。忙しくてジムに通うのが難しい方や、運動が苦手な方でも、無理なく続けられますよ。
腹式呼吸とあわせて、食事や生活リズムをやさしく整えることで、内側からふんわりと整った身体を目指していきましょう。一般的に変化を感じ始めるまでには3ヶ月ほどが目安と言われていますので、焦らず、毎日の小さな積み重ねを大切にしてみてくださいね。
※本記事の内容は一般的な情報であり、効果には個人差があります。妊娠中の方、呼吸器疾患などをお持ちの方は、お医者さんに相談のうえで取り入れてくださいね。
著者: yumicorebody




