股関節を曲げたり捻った時に感じる「つまり」感とはどのようなものなのか、分かりやすくご説明します。また、「つまり」感の原因と症状を改善するために必要な股関節周りのストレッチや、ほぐしのやり方についてもご紹介します。
■股関節のつまりとは?
まずは、股関節のつまりを理解するために、股関節の構造や動き方について解説します。
・股関節は球関節
股関節は、左右の脚のつけ根にある関節です。骨盤の骨「腸骨(ちょうこつ)」の外側にある窪み「臼蓋(きゅうがい)」に太ももの骨の上端にある球状の部分「大腿骨頭(だいたいこっとう)」がはまる形で関節をなしています。この構造状の特徴から股関節は「球(きゅう)関節」という種類に分類されます。
・股関節は色々な動きができる万能関節!
球関節である股関節は、膝や肘関節のように曲げ伸ばしだけができる構造とは異なり、前後(屈曲/伸展)、左右「内転(ないてん)」/「外転(がいてん)」、捻り「内旋(ないせん)」/「外旋(がいせん)」と、たくさんの方向や種類の動きが可能で、とても自由度の高い関節です。それらの動きを組み合わせてぐるぐると回す「分回し(ぶんまわし)運動」というとても大きな運動も行うことができます。
一方で、球関節は運動の幅が広いために脱臼(関節がはずれること)のリスクもあります。きちんと関節がはまった状態でないと、十分な可動域が得られず、周りの筋肉も力を十分に発揮することができません。
・股関節のつまりとは?
「股関節のつまり」感とは、股関節の運動時に鼠径部(そけいぶ:股関節のつけ根前面)に違和感や痛み、ひっかかり感を覚える状態をいいます。しゃがむなど股関節を深く曲げる動作や、座ったまま上半身を捻るなど股関節の捻り動作を行うときに多く、つまり感の強い場合は車の乗り降りや階段昇降など、軽い股関節の曲げ伸ばしでもつまりを感じることがあります。
このつまり感は、主に股関節周囲の筋肉が硬くなっていることによって起こります。球関節である股関節の周りには、様々な動きに対応できるように前後内外にたくさんの筋肉があり、股関節の動きに合わせて柔軟に伸び縮みします。しかし、筋肉が硬くなってしまうと、股関節の動きが崩れ、スムーズに動かせなくなってしまい、つまり感につながります。つまり感の原因として多いのは、お尻の筋肉や鼠径部の筋肉の硬さです。
■股関節のつまりの原因は?
股関節のつまりの主な原因は、股関節周囲の筋肉の硬さです。筋肉が硬くなってしまう原因について解説します。
・姿勢不良
骨盤が後傾し、腰が落ちた不良姿勢は、お尻やもも裏の筋肉が短縮した肢位になる上に、後方重心になってそれらの筋肉に負担をかけるため、筋肉が硬くなりやすくなります。骨盤の前後傾が整ったまっすぐな姿勢にすることが大切です。
・運動不足
座りっぱなしのデスクワークが多い方や、普段から歩いたり股関節を動かすことが少なく運動不足になりがちの方は、筋肉が硬くなりやすく、股関節のつまりにつながります。できるだけ歩きや自転車で移動するように心がけたり、朝や夜寝る前に簡単なストレッチをして股関節周りの筋肉をほぐす習慣をつけると、つまり改善につながります。
・立ちっぱなしなど股関節の負担が大きい
立ちっぱなしが長時間続いたり、重いものを持ち上げることが多いなど股関節への負担が大きすぎると、周りの筋肉が疲労して硬くなってしまい、股関節のつまりにつながります。お仕事の事情などで負担を軽減できないなどやむを得ない場合は、筋疲労を取り除くために、日々のストレッチなど適切なケアが必要です。
・股関節の筋力不足
加齢や運動不足により、股関節周りの筋力が低下してくると、少ない筋力で股関節の動きを支えることになるため、筋力が十分な状態に比べてお尻や鼠蹊部の筋肉にかかる負担が大きくなります。筋肉が常に頑張りすぎることで硬くなり、つまり感の原因になります。ストレッチやほぐしなど、筋肉を柔らかくするためのケアとともに、筋力を維持するための適度な運動も行いましょう。
■股関節を緩めてつまりを解消するメリットは?
股関節を緩めると、つまりの解消以外にも様々なメリットがありますのでご紹介します。
・股関節痛・変形性股関節症を予防する
球関節であり、大きな動きが可能である股関節が十分に動かせると、その分腰や膝といった周りの関節への負担が軽減します。ぎっくり腰や一時的な膝痛はもちろん、長期的には変形性膝関節症、変形性腰椎症、変形性股関節症の予防にもつながります。
・歩幅アップ!股関節が大きく動かせる
股関節が大きく動かせると歩幅がアップするため、健康的で効率の良い歩き方ができます。跨いだり、しゃがんだりと日常生活の様々な動きも無理なくスマートにこなせるようになるでしょう。動きに無理がないので膝や腰などのケガもしにくく、女性らしいしなやかな動きになります。
・下半身の冷えや浮腫み解消
股関節周りの筋肉を柔らかくすると、その周囲はもちろん、下半身を中心に血流が改善し、冷えや浮腫みの改善につながります。また、代謝もアップするので脂肪が燃焼しやすく、下半身痩せにつながります。お尻やももなど気になる部位は、特に重点的に筋肉を緩めるとよいでしょう。
■自分でできる!股関節を緩める方法
股関節のつまりを解消するために、股関節周りの筋肉を緩める方法と、股関節を上手く使うための簡単なエクササイズをご紹介します。
・まずはボールでお尻ほぐし
1.Hogssy(ホグッシー)(テニスボールなどでも代用可)が骨盤の真横に当たるようににボールに乗り、肩の真下に肘がくように床に肘を付いて横向きになります。
2.引を吸って、吐いた時にボールに沈み込むように圧をかけていきます。
3.身体を縦に小さく10秒程度動かしてほぐしていきます。
4.動きを止めたら、上側の足を膝を立てて後ろに付き、下の足を遠くに伸ばしていきます。
5.伸ばした足を膝を曲げて胸の方に寄せていきます。
6.この動きを10〜20回繰り返します。
YumiCoreBodyオリジナルの筋膜リリースボール「Hogssy(ホグッシー)」は、直径7㎝のボールで、青い部分は少し硬めに、白い部分は少し柔らかめに作られており、ボールが変形して身体の深部まで入り込むことで、より高い筋膜リリースの効果が期待できます。自分でマッサージしようとしてもなかなか手の届かないお尻や腰周りの筋肉もしっかりほぐすことができるので、硬くなった筋肉をほぐすのに是非使ってみてください!
・お尻のストレッチ(大殿筋)
1.右足を前に出してお姉さん座りになり、右足のすねは真横にします。
2.背骨を長く伸ばしながら両肘を前につきます。
3.鼻から息を吸って、吐いて10秒キープします。
4.足を入れ替えて、反対側も同様に行います。
・お尻の横ストレッチ(中殿筋)
1.仰向けに寝て両手を真横に広げす。
2.右股関節、膝関節を90度程度に曲げ、左脚を乗り越えて左側にくるように腰を捻ります。
3.右側の腰や背中、お尻に伸張感を感じたらそのまま姿勢を20秒程度キープします。
4.右脚をゆっくり元に戻したら、左右を入れ替えて左側も同じようにストレッチします。
・股関節を正しく使おう!ブリッジエクササイズ
1.仰向けに寝て両膝を立て、両足は腰幅にします。
2.息を吐きながらゆっくりとお尻を浮かせ、背骨も下から順番に浮かせていきます。
3.身体を横から見たときに、頭から膝までが一直線になる姿勢までお尻を持ち上げたら一旦動きを止め、背骨の上の方から順番にゆっくりと下ろしていきます。
4.5~10回繰り返し行いましょう。
他にも、股関節を柔らかくするストレッチを「1日で実感?股関節を柔らかくする方法をユミコア動画でご紹介」で多数紹介しているので、是非ご覧ください!
■まとめ
今回は、股関節の違和感や痛みにもつながる「つまり」について、どのような状態なのか、つまり感の原因や解消方法を紹介しました。股関節は上半身と下半身を繋ぎ、様々な動きの中心となる関節です。柔軟性を保ち、動かしやすい状態を維持することで全身の健康に繋がるため、股関節のつまりを感じる方はもちろん、感じていない方も、是非股関節ほぐしを始めてみてください!
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投稿者プロフィール
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Yumi Core Body編集部
国立大医学部卒。スポーツ整形クリニックで勤務後、現在は病院勤務で訪問リハビリ業務に従事。二児の母。理学療法士免許。