【理学療法士解説】寝るときの正しい姿勢は?疲れが取れる体勢を動画でご紹介

寝やすい体勢は人によって異なります。仰向け、横向き、うつ伏せそれぞれのメリット&デメリットとともに姿勢がよくなる寝方、後鼻漏の方におすすめの寝方など具体的な悩みに対する対処法、睡眠の質を高めるための生活習慣についてもご紹介します。

■良質な睡眠&しっかり疲れが取れるための正しい寝る姿勢は?

正しい寝る姿勢

しっかり疲れをとり、すっきり目覚めるためには良質な睡眠が必要です。ぐっすり眠るために押さえておきたい寝る姿勢のポイントを解説します。

・ポイントは無理のない背骨の弯曲!

寝る姿勢において最も大切なのが、睡眠中の背骨が無理な弯曲になっていないかということです。本来、私たちの背骨を横から見ると、「生理的弯曲」と呼ばれる緩いS字カーブを描いています。このカーブが乱れた状態で長時間寝ていると、起きた時に痛みが出たり、日中の姿勢に悪影響を及ぼしてしまうので、本来のカーブに近い無理のない姿勢で寝ることが大切です。

背骨の構造については「不定愁訴は背骨のゆがみが原因?コンディションを整えるストレッチ法」にて詳しく説明していますので、詳しく知りたい方はご覧ください!

・枕の高さやマットレスの硬さにも注意!

普段は朝起きたときに腰痛や肩こりを感じることはないのに、旅行や出張先の慣れないベッドや枕で寝たあとに調子が悪くなったという経験がある方は多いのではないでしょうか。そういった場合の原因として可能性が高いのが、枕の高さやマットレスの硬さが身体に合わなかったということです。枕が高すぎると肩こりの原因になったり、マットレスが硬すぎると反り腰になって腰痛の原因になります。自宅でも不調を感じる方は、一度ご自身の寝具が身体に合っているかどうか検討してみてください。

・良質な睡眠には寝返りがしやすい環境が大切!

快適に睡眠をとるための姿勢を考えるとき、忘れてはいけないのが「寝がえり」の重要性です。私たちは睡眠中に20回前後寝返りを打っています。寝がえりをせず朝まで同じ体勢で寝ると、身体が固まって腰痛や肩こりになったり、負担のかかる部位が偏って一部の筋肉や関節にダメージを与えてしまいます。身体に負担のかかりにくい姿勢で寝ることも大切ですが、寝がえりを打って体勢を変えやすい環境を用意すること(枕やベッドの硬さやベッドの幅など)もとても大切です。

 

■どれがベスト?それぞれの寝姿勢のメリット&デメリットは?

寝る姿勢のメリットとデメリット

寝る姿勢には大きく分けて「仰向け」、「うつぶせ」、「横向き」があります。それぞれメリットとデメリットがあるので、分かりやすく解説します。

・姿勢のためにおすすめの「仰向け」

寝る姿勢として一般的におすすめされるのが仰向けです。仰向けは普段の立っているそのままの姿勢を保持できるので、もっとも身体への負担が少ない姿勢だと言えます。ただし、腰痛や首痛のある方、腰や背中が伸びにくくなっている方は仰向けになること自体が負担になってしまうことがあります。また、仰向けは舌が落ちて気道を塞ぎやすいので、いびきや無呼吸症候群の心配がある方には不向きです。仰向けに変えてみる方は、不調がでないか確認しながら少しずつ慣らすようにしてください。

・安心が一番?「うつぶせ」

お腹側がマットレスにくっつくため、安心感があると言われるのがうつ伏せ寝です。腰痛や首痛で仰向けが辛い方の中にもうつ伏せが楽な方もいらっしゃるようです。横向きに比べると背骨が歪むリスクは低いですが、うつ伏せの場合、多くの方は顔をどちらか横に向けるので、頸椎(背骨の首の部分)は寝違えを起こしたり、長期的にどちらか一方が向きにくくなるといったリスクが考えられます。また、お腹が下になることで、内臓が圧迫されて負担がかかるというデメリットもあります。

・意外と人気の「横向き」

横向きは、自分で首や背中を丸めたりすることができ、自分の楽な姿勢を作りやすいため、首痛や腰痛のある方でも楽に寝やすい姿勢です。また、気道確保がしやすいのも横向き寝なので、いびきや無呼吸症候群の方にもおすすめです。一方で、横向き寝はどうしても下になった側の腰や首が沈むため、いつも同じ側を下にして寝ていると背骨の歪みが定着しやすく、姿勢の左右差がでやすい姿勢です。横向きで寝る場合は、できるだけ左右どちらも下にすることがあるように意識するなど調整することをおすすめします。

・丸まって落ち着く「胎児型」

「胎児型」とは、横向きに寝て軽く膝を抱えるように丸まった姿勢をいいます。赤ちゃんがお腹の中にいるときの姿勢に由来した名前で、人間が最も安心できる体勢とも言われています。メリットやデメリットは横向き寝と同じですが、その姿勢をとる背景には精神的な不安や防衛本能が隠れているとも言われます。

 

■症状&悩み別おすすめの寝方&対処法

症状別おすすめの寝方

寝る姿勢にはそれぞれメリットやデメリットがあるので、症状や悩みによっておすすめの寝方は異なります。それぞれの症状や悩みに対するおすすめの対処法をご紹介します。

・腰痛&肩こりにはクッションや枕を賢く使って「仰向け」が◎

腰痛や肩こりが気になる方は、できるだけ背骨の負担を減らしたいので仰向けがおすすめです。仰向けに慣れず、ストレスや痛みを感じる場合は、膝や腰の下にクッションやバスタオルを丸めたものを入れるとストレスが緩和されることがあります。枕の高さや硬さのちょっとした違いによっても痛みや不快感の軽減につながるので、色々試してみましょう。

・呼吸&いびきが気になる方は「横向き寝」がおすすめ!

無呼吸症候群やいびきが気になる方は横向き寝が断然おすすめです。仰向けは舌が落ちて気道がふさがりやすくなりますが、横向きは気道が確保しやすいので、呼吸に伴う悩みの解消につながります。

・後鼻漏にもおすすめ呼吸に優しい「ファーラー位」

「ファーラー位」は医療や介護の現場でよく使用される姿勢で、仰向けから上半身だけを起こしたリクライニングの姿勢です。仰向けになると、立位や座位のときに比べて内臓が横隔膜を圧迫して呼吸がしにくくなりますが、ファーラー位にすることで呼吸がしやすくなります。鼻水がのどに流れ込んで咳や呼吸のしにくさを引き起こす後鼻漏や喘息などの症状があり入眠や熟眠がしにくい方は、特におすすめです。リクライニング機能のないベッドでも、大きめのクッションを背中から頭にかけてうまく並べることでファーラー位に近い姿勢を作ることができます。

・妊婦さんにおすすめ「シムスの体位」

妊娠後期になってお腹が大きくなってくると仰向けは苦しい、横向きも落ち着かないというときがあります。そんなときにおすすめなのが「シムスの体位」です。左を下にした横向きから少しうつ伏せ気味になり、上になる右脚の下にクッションなどを入れて楽な位置に置きます。お母さんが楽なだけでなく、お腹の重さがお母さんの静脈を圧迫して低血圧を引き起こすことも回避できる理にかなった肢位です。

 

良質な睡眠をとるために気を付けたい日常生活の注意点

良質な睡眠のための注意点

ここで姿勢矯正の時に使うと便利なグッズをご紹介しましょう!

良質な睡眠をとるためには寝るときの姿勢も大切ですが、それ以外にも日常生活で注意しておきたい点がありますのでご紹介します。

・就寝1~2時間前に入浴する

就寝前に入浴すると、気持ちがリラックスして副交感神経が高まるため、入眠しやすくなります。また、私たちの身体は体温が下がるときに眠気が起こるという特徴があります。就寝1~2時間前に入浴すると、上がった体温が下がってきたところで眠りにつくことができるので、良質な睡眠をとることができます。

・就寝前は食事やカフェインやアルコール飲料を避ける

就寝前に食事をとると胃腸の消化活動が睡眠を妨げてしまうことがあります。脂肪を蓄えやすく太る原因にもなるので、就寝前の食事は避けましょう。また、寝酒として寝る前にアルコールを摂取する方がいらっしゃいますが、入眠を誘導する効果はあっても、反対に熟眠はしにくく、眠りが浅くなってしまうので就寝前のアルコールはNGです。コーヒーなどカフェイン飲料も覚醒作用があるので、アルコール同様控えましょう。

・就寝前はTV&スマホを避けて心を落ち着かせる

テレビやスマホから発されるブルーライトには、眠気を引き起こすメラトニンというホルモンの分泌を阻害する作用があります。テレビをつけたまま就寝したり、ベッドに入ってからスマホをチェックする習慣のある方も多いですが、入眠しにくくなるので、眠りにつく1時間前からはデジタル機器をなるべく見ないようにしましょう。

・就寝前のストレッチや背骨ほぐしで一日の凝りをリセット

就寝時に一日の疲れを取り、心をリラックスさせるためにはストレッチなどのセルフケアがとても効果的です。副交感神経の働きを促して睡眠の質を高めるだけでなく、翌日の朝起きたときにしっかりと疲れが取れることにつながります。

1.あぐらで座り、手を胸の前で組んで手のひらを返します。

2.手を前に押し出して背骨を丸めます。

3.背中に呼吸を入れます。

4.息を吐いてから元に戻る、の繰り返しを5〜7回くらい行います。

他にも寝る前におすすめのストレッチを「痩せる上に腰痛も改善!?理学療法士がおすすめする寝る前の快眠ストレッチ」でご紹介していますので、是非ご覧ください!

 

■まとめ

今回は寝る姿勢について解説しました。姿勢のためによい寝方、腰痛や肩こりに悩む方、いびきが気になる方などそれぞれの悩みに対するおすすめの寝方がありますが、一番大切なことはぐっすり眠れて翌朝気持ちよく目覚められることです!正解は一つではありませんので、今回の内容を参考にしながら色々な姿勢やストレッチやほぐしなどの自分なりの生活習慣を試していただき、ご自分に合った寝方を見つけてみて下さい。

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